選定理由 |
向島、神前(竹内, 1962)や村田:近畿地方植物誌41(2000)19頁には六地蔵、向島、三栖、祝園など過去にはいくつかの産地が挙がっているが、近年見かけることは極めて稀で、標本の採集や確認の情報はない。 |
形態 |
池沼や水湿地にはえる多年草。稈の上部は水面に浮かび長さ80cm。葉は線形、長さ2〜4cm、幅2〜5mm。花序は長さ3〜6cm、花後に上方の1〜2葉とともに反曲し水中へ潜る。花序の枝は多数、枝の中程で小穂を1個つける。小穂の付着点より上の枝は芒状の苞となる。小穂は短柄があり枝に圧着、長さ4〜5mm、披針形、2小花がある。第一苞穎は長さ0.7mm、第二苞穎は小穂と同長、まばらに毛がある。
◎近似種との区別
日本のイネ科植物で他に似たものはない。ただし、セイロンやオ−ストラリアで記載されたものと同種説や異種説があり実体は不明な点が多い(長田,1989)。
◎参照 原色日本植物図鑑草本III:370頁,日本イネ科植物図譜:634頁 |
分布 |
本州、四国、九州、朝鮮半島(南部)。
◎府内の分布区域
中部地域、南部地域(山城中部地域、相楽地域)。 |
生存に関する脅威 |
湿地の開発。溜池の埋め立てや改修。 |
必要な保全対策 |
湿地開発、溜池の埋め立てや改修に先立つ詳細な生物調査が必要である。 |