選定理由 |
産地が限られ個体数も少ない。天橋立(竹内, 1962)とあるのが唯一の記録である。大本花明山植物園には、亀岡市内2ヶ所の溜池のほとりで採集された標本が保管されている。 |
形態 |
河川敷や海岸にはえる1年草。稈は叢生し高さ30〜80cm。葉身は長さ10〜15cm、幅1〜12mm。軟らかく白緑色。円錐花序は淡緑色、長さ5〜12cm、小穂を密生し全体が一つの穂に見える。小穂は長さ2mm、1小花からなる。苞穎は同長、長さ2mm、中央脈には小刺針が列生、辺縁には1列の長毛があり先は浅く2裂、裂片の間から直立する芒が伸長する。芒は長さ5〜7mm、苞穎の2〜3倍長。
◎近似種との区別
ヒエガエリは外見が酷似するが小穂は帯紫黒色。苞穎の芒は短く苞穎と同長、辺縁の毛も短い。
◎参照 原色日本植物図鑑草本III:350頁,日本の野生植物I:124頁,日本イネ科植物図譜:354頁 |
分布 |
本州、四国、九州、琉球、ヨ−ロッパ、アジア、北アフリカの暖帯─温帯に広く分布。
◎府内の分布区域
北部地域(丹後地域)、中部地域。 |
生存に関する脅威 |
海岸の開発。河川改修。溜池の改修や埋立て。 |
必要な保全対策 |
開発、河川や溜池の改修などに先立つ詳細な生物調査が必要である。 |