選定理由 |
産地が限定され個体数も少ない。青葉山(竹内, 1962)と村田:近畿地方植物誌38(1997)26頁に芦生との記録があるが、近年の標本は芦生で採集されているだけである。 |
形態 |
山地向陽の地にはえる多年草。稈は束生、高さ20〜80cm。葉は長さ15〜30cm、幅2〜4mm、上面は白緑色。葉鞘は無毛平滑。円錐花序は長さ7〜14cm、枝は半輪生状でざらつく。小穂は1小花からなり長さ4〜5mm、黄緑色ときに帯紫色、光沢がある。苞穎はほぼ同長。護穎の中央脈は芒となり、長く小穂外に突き出る。小花の基部には毛叢がある。
◎近似種との区別
カニツリノガリヤスがやや似ているが、内穎の中軸突起が芒状に突き出て、小穂に2個の長芒があるように見える。なお、京都府ではまだ見つかっていない。
◎参照 原色日本植物図鑑草本III:No.679,日本の野生植物I:123頁,日本イネ科植物図譜:340頁 |
分布 |
本州中部地方以北に多く、近畿地方以西に稀。日本特産。
◎府内の分布区域
北部地域(中丹地域)、中部地域。 |
生存に関する脅威 |
林道の拡幅や新設。山地の管理放棄。 |
必要な保全対策 |
林道の拡幅や新設に先立つ詳細な生物調査が必要である。山林の定期的な下生えの刈込み。 |
その他 |
日本固有種 |