選定理由 |
種苗放流が行われており、特に天然遡上の個体は注目すべきである。 |
形態 |
尾鰭に放射状の銀色が入る。遡上時は体が黒ずみ、オスは上顎がかぎ状に曲がる。 |
分布 |
ユーラシア大陸東部から北アメリカにかけて広く分布し、九州以北の日本海側と、利根川以北の太平洋側でみられる。京都府は分布域の南限に近い。
◎府内の分布区域
日本海、若狭湾に注ぐ河川。 |
生態的特性 |
秋に河川中流の湧水の出る場所で産卵し、仔魚は海で回遊しながら成長する。数年後、再び生まれた川に遡上し、遡上時はまったく餌をとらず、産卵して死亡する。 |
現状・脅威・保全 |
府内では由良川においては1970年代まで自然個体群が確実に存在していた。1980年より種苗放流が行われるようになり、毎年数百尾ほどの遡上が確認されている。近年、竹野川、宇川、野田川、大手川においても遡上が確認されている。産卵環境の悪化、水質汚染、乱獲などが脅威となる。京都府内での水産資源上の価値はそう高くはないが、産卵場所の保全をはかり、再生産できる環境を整え、捕獲を防ぐ手だてが必要であろう。 |