霊長目オナガザル科
ホンドザル
京都府カテゴリー | 要注目種 |
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2002年版 | 要注目種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | なし ※絶滅のおそれのある地域個体群(LP) |
選定理由 | 近年、有害捕獲や特定計画に基づく個体数調整により、群れが分断化傾向にある地域が増えている。とくに隣接群が多い丹後や舞鶴の群れで変動が大きく、さらなる実態調査が必要である。 |
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形態 | 頭胴長オス45~54cm、メス42~51cm、尾長オス6~10cm、メス6~9cm。体毛は茶褐色。顔と尻は皮膚が裸出し赤い。 |
分布 | 本州、四国、九州のほか、いくつかの島部。中丹、山城を中心にいずれの地域にも複数群が分布、分断化が著しい。 ◎府内の分布区域 府内に約41~46群、個体数で2,150~2,400頭程度が生息していると推定されている(2015年4月)。 |
生態的特性 | 昼行性。母系の複オス複メス群をつくるが、オトナオスは単独で暮らす個体もいる。果実、葉、芽、きのこ、昆虫等を食べる。一産一仔。春に出産し、猿害群では隔年出産が一般的。 |
生息地の現状 | 本来の生息地は天然林であるが農耕地や市街地にまで進出し、農業被害だけでなく、人家侵入や人身被害を引き起こす群れも増加傾向にある。このため特に被害の大きな地域では、特定計画に基づく個体数調整を行うと共に、住民との共同で追い払い等を行っているが、十分な効果を発揮するまでには至っていない。 |
必要な保全対策 | 進行中の特定鳥獣保護管理計画により、適正な個体数調整が行われることが期待される。 |
改訂の理由 | 近年ニホンジカにより下層植生が衰退し、本種の生息場所が急減して、分布、個体数とも減少した。 |
文献 濱田(2008)、京都府農林水産部森林保全課(2012)、室山(2008)
執筆者 中川尚史、高柳敦、村上興正