京都ジョブパーク 総合就業支援拠点
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平成16年12月
府民労働部
厳しい雇用情勢の中、国・府・市町村・民間が、全体として取り組む行動計画として、「京都府雇用創出・就業支援計画」を策定し、平成14年度からの4年間に、「雇用の受け皿づくり」、「緊急雇用対策」、「雇用のミスマッチの解消」を通じ、43,000人の新たな雇用・就業機会の創出を図ることとしていますが、これまでの取組実績に加え、ジョブカフェ事業など若年者の就業支援対策の充実などにより、平成16年度中に雇用創出目標の達成が確実と見込まれる中で、計画目標の上積みといった量的な見直しに加え、特に雇用環境の厳しい若年者、中高年齢者、障害者等の雇用のミスマッチの解消や常用雇用の創出といった質的な見直しについて重点的に検討し、計画の中間点検・見直を行ったところです。
府内の雇用情勢は、IT等情報通信分野や介護・医療等のサービス分野を中心に求人が増加するとともに、計画に基づく「緊急雇用対策」を通じた雇用の下支え効果もあり、平成16年10月の有効求人倍率は0.84倍と、過去10年間で最も高い水準にあります。しかしながら、有効求人倍率の大幅な改善に比べて、若年層や中高年齢層の完全失業率が依然として高い水準にあり、厳しい雇用環境にあるとともに、民間企業における障害者の雇用率は、全国平均をやや上回るものの、法定雇用率の1.8%を下回っている状況です。
こうした中で、失業原因の4分の3を占めるとされる雇用のミスマッチについては、平成15年12月に策定した「雇用のミスマッチ解消策」に基づき、若年者の就業支援など積極的な取組を進めていますが、府内のミスマッチによる失業者は、平成15年平均で約61,000人で、全体としては改善傾向にあるものの、55歳~64歳の層では、再就職の環境が厳しいことを背景として、逆に増加していると推計されます。
(注)各数値は概数であり、全国状況等を踏まえ、京都府において推計したもの。(単位:千人)
年齢別 | 14年平均(A) | 15年平均(B) | 差引増減(B-A) | |||
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失業者数(率:%) | うちミスマッチ | 失業者数(率:%) | うちミスマッチ | 失業者数(率:%) | うちミスマッチ | |
全体 | 89(6.6) | 67(5.0) | 81(6.0) | 61(4.5) | 【▲8】(▲0.6) | 【▲6】(▲0.5) |
15~24 | 18(12.2) | 13(9.2) | 17(13.0) | 12(9.8) | 【▲1】(0.8) | 【▲1】(0.6) |
25~34 | 26(8.3) | 19(6.2) | 24(7.7) | 18(5.8) | 【▲2】(▲0.6) | 【▲1】(▲0.4) |
35~44 | 13(5.2) | 10(3.9) | 10(4.0) | 8(3.0) | 【▲3】(▲1.2) | 【▲2】(▲0.9) |
45~54 | 14(4.6) | 11(3.5) | 11(3.9) | 8(2.9) | 【▲3】(▲0.7) | 【▲3】(▲0.6) |
55~64 | 16(6.7) | 12(5.0) | 17(6.8) | 13(5.1) | 【1】(0.1) | 【1】(0.1) |
65~ | 3(2.9) | 2(2.2) | 2(1.7) | 2(1.3) | 【▲1】(▲1.2) | 【0】(▲0.9) |
産業振興等による「雇用の受け皿づくり」や「緊急雇用対策」、「雇用のミスマッチの解消」の取組を通じ、平成14年度及び平成15年度で約31,000人の雇用実績を上げていますが、これに平成16年度計画を加えると、計画期限より1年早く目標の43,000人を上回ることが確実な状況です。
【計画の進捗状況】(単位:人)
区分 | 雇用創出目標 | 進捗状況(雇用実績) | |||
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14年度 | 15年度 | 16年度(計画) | 計 | ||
雇用の受け皿づくり | 15,000 | 2,307 | 3,704 | 3,661 | 9,672 |
緊急雇用対策 | 15,000 | 9,132 | 10,277 | 6,269 | 25,678 |
雇用のミスマッチの解消 | 13,000 | 2,747 | 3,077 | 4,487 | 10,311 |
計 | 43,000 | 14,186 | 17,058 | 14,417 | 45,661 |
産業振興等による常用雇用の拡大を図るとともに、市町村やNPOと連携しながら、また、中小企業への事業発注に配慮しながら、緊急雇用創出特別基金を活用した緊急雇用対策(臨時雇用の創出)を実施し、雇用の下支えに努めています。
さらに、中高年離職者の再就職支援のための総合対策に取り組むほか、全国に先駆けて設置し、全国15箇所の国のジョブカフェ事業のモデル地域に選定された「若年者就業支援センター」を活用した体系的なフリーター等若年者就業支援対策の取組や障害者を対象とした職業訓練の充実等、全国トップレベルの雇用のミスマッチ対策に取り組んでいます。
こうした中で、府内の失業者数については、平成14年平均と平成15年平均を比較すると、約8,000人減少していますが、これは、本計画に基づく「雇用の受け皿づくり」及び「雇用のミスマッチの解消」の取組を通じて増加したと見込まれる1年以上の常用雇用者数約5,000人が、大きく寄与しているものと推計されます。
府内の雇用環境は、求人の増加など、全体として改善傾向が持続しているものの、年齢間や地域間、業種間において格差が生じていることへの対応や、臨時雇用からいかに常用雇用等安定的な雇用への転換を進めるかが、大きな課題となっています。
雇用拡大を図ろうとする中小企業等に対する賃金助成等支援措置や人材確保に関する情報等について、現在はワンストップで提供できる仕組みがなく、これらの支援措置が十分に活用されていない状況があると指摘されています。
また、コミュニティビジネスやNPOなど新たな分野における雇用の受け皿づくりを一層積極的に進める必要があります。
地域の実情に応じた行政課題の解決を図るとともに、雇用創出効果の高い事業を積極的に実施することにより、失業者の臨時・応急の雇用の下支えとして、府内の雇用環境の改善のために大きな役割を果たしてきた「緊急雇用創出特別基金事業」が平成16年度をもって廃止される方向の中で、家計の主たる維持者である中年齢層の求人が依然として少ないことに加え、不況の続く建設業従事者や林業労働者、和装・伝統産業の職人さん等の雇用の確保が引き続き課題となっています。
こうした取組や最近の景気回復の影響などにより、府内の雇用情勢は、一部に明るい兆しも見えてきていますが、完全失業率は依然、高水準のままであることから、若年者や中高年齢者、障害者等の雇用のミスマッチの解消を一層図ることが大変重要な課題となっています。
計画の進捗が低い状況にある「雇用の受け皿づくり」に関し、新たな促進策を検討するとともに、「緊急雇用創出特別基金事業」の廃止の方向を見据えた、府独自の緊急雇用対策の在り方の検討や企業など求人側の求める「職業能力・経験」や「職業意識」、「年齢・賃金」などの条件と、求職側の希望するこれらの条件が合わないことにより生じる「雇用のミスマッチの解消」の取組の強化を図る必要がありますが、平成17年度においては、次を基本方向として、施策の推進を図ります。
「京都産業活性化プラン」、「緑の公共事業アクションプラン」等の他の関連行動計画に盛り込まれた雇用創出関連施策と連携し、環境や健康・福祉、教育、観光、起業等の分野における雇用拡大を図るとともに、新規成長分野への進出やベンチャー、コミュニティビジネスの展開等を通じて雇用拡大を進める事業者等に対し、国、府などが、個々に対応している各種の助成制度等について、産・学・公が連携し、必要な相談や情報提供などを行う支援ネットワークづくりを検討します。
国に対し、「緊急雇用創出特別基金事業」の廃止後も課題の残る中高年齢層等の雇用確保を積極的に行うよう要請するとともに、府の取組として、不況の続く和装・伝統産業の職人さんの技術の伝承が難しくなっていることから、その仕事づくりに取り組むとともに、特に、生計を支える40代、50代の離職者の雇用の下支えや、経営環境の厳しい建設業、林業労働者の雇用確保を図るため、「緑の公共事業」など、環境に着目した事業や府民生活に密着した施設整備を行う「臨時生活関連施設整備事業」等、地域ニーズや雇用創出効果の高い事業の拡大・推進に努めます。
学生やフリーター等の就職活動を支援するため、国のジョブカフェ・モデル事業を活用しながら、「若年者就業支援センター」の一層の機能強化に努め、相談から職業紹介までを一貫して行うワンストップ・サービスの充実を図り、1,000人を超える若者の就職内定を目指します。
機能強化の方向
求人ニーズの高い営業・販売職などへの就業を促進するセミナーの開催や短期職業訓練の拡充等キャリアアップの支援、さらには、職場実習や就職面接会の開催までを一貫して行うシステムづくりを進め、ミスマッチに起因する中高年失業者の1割に相当する2,000人を超える規模の総合的な再就職支援を図ります。
再就職や起業等を希望する女性のチャレンジ支援のためのネットワークを構築するため、国や「若年者就業支援センター」、NPO等で構成するネットワーク会議を立ち上げるとともに、インターネットを活用したキャリアアップ支援情報等の提供やキャリアカウンセリングによる「女性チャレンジ相談」の充実等を検討し、1,000人規模の再就職支援を図ります。
「障害者自立支援計画」に盛り込まれた雇用関係施策と連携しながら、障害者の働く場の確保を図るとともに、一般就労に向けた職業訓練の取組の強化や起業の支援を図るほか、ITを活用した重度障害者の在宅就労環境の整備を進めるため、NPOと連携したパソコンによるビジネス文書の作成研修などのキャリアアップ支援策を検討し、障害者の自立・就業支援対策の充実・強化を図ります。
こうした取組を通じ、1,000人規模の総合的な就業支援対策を実施するとともに、物品調達等の契約に際し、障害者雇用に積極的な事業者等を評価する仕組みの導入について検討します。
「雇用創出・就業支援計画」では、「雇用の受け皿づくり」、「緊急雇用対策」、「雇用のミスマッチの解消」により、全体で43,000人の雇用創出目標を掲げていますが、今回の見直しに伴い、ジョブカフェ事業の活用などによる若年者就業支援対策の充実や女性のチャレンジ支援などの取組を通じ、平成16年度及び17年度の2箇年間に、新たに1,000人を上積みし、計画期間内における「雇用のミスマッチの解消」による雇用創出目標を14,000人とします。
これに、「緊急雇用対策」での大幅な雇用創出数の増加分を加えると、計画全体では、現行計画を大きく上回り、57,000人を超える水準になると見込んでいます。
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