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令和4年6月10日
本日、ここに6月定例府議会を招集いたしましたところ、議員の皆様におかれましては、御多忙の中お集まりいただき、まことにありがとうございます。
新型コロナウイルス感染症につきましては、ゴールデンウィークによる感染拡大は見られず、足下では減少傾向にあるものの、新規陽性者数は依然として一定の水準で推移しており、市中感染は続いている状況にあります。
これまでの府民の皆様、事業者の皆様の様々な感染防止対策への御協力に対し、改めて厚く御礼申し上げますとともに、医療現場の第一線で御奮闘いただいております医療従事者の皆様に心から感謝を申し上げます。
府民の皆様には引き続き、感染しない、感染させない、感染をひろげないという意識を常に持って行動していただきますよう、御理解と御協力をお願いいたします。
それでは、今後の京都府政の施政方針及び提出議案の概要を申し上げます。
4年前、京都府知事に就任して以来、1年目には平成30年7月豪雨や台風第21号等の大きな自然災害、2年目には京都アニメーションでの放火事件、3年目以降は新型コロナウイルス感染症への対応に全力を尽くす中で、改めて、行政の重要な役割は危機管理にあるということを実感してまいりました。
そして、今なお続くコロナ禍により、私たちの日常は一変しました。
感染拡大による甚大な影響は、私たちの命と健康のみならず、意識や行動、価値観にまで及び、従来の社会経済活動が停滞を余儀なくされ、人と人との交流が制限される中で、少子化の進行や地域社会の衰退といった日本が抱える構造的な課題にも深刻な影響が生じております。
また、世界に目を転じますと、力による一方的な現状変更という国際秩序の 根幹を揺るがすロシアのウクライナ侵攻により、多くの罪無き命が奪われると ともに、世界経済の不確実性が大きく増す中で、原油価格・物価高騰等を受け、コロナ禍からの回復が道半ばにあった暮らしと経済は、予断を許さない状況が 続いております。
一方で、対面での活動が制限される中、人と人との支え合いや地域の絆の大切さが再認識されるとともに、加速するデジタル化が社会の可能性を大きく広げました。また、伝統産業分野において、産地間連携で世界市場への進出を狙うなど、これまでの構造的課題を解決しながら新しい取組みを前に進める動きも出ております。
さらには、自然災害や感染症等への対応により、難しい舵取りが続き、多く の制約がある中でも、子育て環境日本一の実現に向けたオール京都での取組み や、スタートアップ・エコシステムの推進による京都産業を牽引する企業の創 出・育成など、京都の未来を見据えた歩みを着実に前へと進めてまいりました。
これからの4年間は、まずは府民の皆様の命と健康を守り抜き、暮らしと経済を立て直した上で、オール京都の力を結集することにより、山積する課題に立ち向かい、新しい京都への飛躍を期す重要な時期であると考えております。
誰もが暮らしに安心を覚え、社会に温もりを感じ、未来に夢や希望を持つことができる「あたたかい京都づくり」を実現するため、全身全霊をもって府政運営に当たってまいります。
2期目の就任後、いち早く執行体制の見直しを行い、部局横断的な課題にスピード感を持って対応するための総合調整機能の強化等を図りました。
また、コロナ禍により大きな影響を受けた社会経済状況等を踏まえ、京都府総合計画を1年前倒しで改定することとしたところであり、今後、府議会の皆様の御指導を賜りながら検討を深め、「あたたかい京都づくり」による京都府政の新たな羅針盤をお示ししたいと考えております。
その上で、原油価格・物価高騰等に対する緊急対策を講じるとともに、今後の施策展開のために必要な事業や、総合計画の改定に先行して着手可能な事業を実施し、「あたたかい京都づくり」を始動するため、6月補正予算を編成しました。
まず、原油価格・物価高騰等に対する緊急対策です。
生活にお困りの方々に対しては、社会福祉協議会、こどもの居場所、大学等を通じ、食料品や生活必需品の配布を実施するほか、各種支援が確実に行き届くよう、寄り添い支援の体制を強化します。
また、コロナ禍等により離職を余儀なくされた非正規雇用女性やひとり親家庭、就職氷河期世代等の方々の安定的な雇用を確保するため、一定期間収入を得ながら正規雇用に向けたスキルアップ研修等に取り組めるよう、緊急支援を実施します。
さらに、物価高騰等による教材費や交通費等の値上げを想定し、児童・保護者の負担軽減に取り組む市町村を支援するほか、製造業、物流、交通、農業をはじめとする幅広い業種の事業者に対し、省エネ対策や経営効率化等の取組みを支援します。
コロナ対策についても、府民の皆様の命と健康を守り抜き、徐々に取り戻されつつある安心・安全な日常生活をしっかりと支えられるよう、医療提供体制の確保やワクチン接種の推進など、万全の対策を講じてまいります。
こうした緊急対策により、府民の皆様の命と健康を守り、暮らしと経済を下支えした上で、「府民の命と健康を守り抜く安心の京都の構築 」、 「子育てにやさしく誰もが温もりを感じられる京都の実現 」、 「夢や希望にあふれる魅力と活力の京都の創造」という3つの観点から、「あたたかい京都づくり」の実現に向けた歩みを進めてまいります。
1つ目の柱は、府民の命と健康を守り抜く安心の京都の構築です。
(感染症対策の強化と医療・福祉基盤の充実)
まず、感染症対策の強化と医療・福祉基盤の充実です。
今般のコロナ対応において、感染症患者を受け入れるためのゾーニングに時間を要したこと等の課題を踏まえ、感染症対応病床への迅速な転用が可能な施設・設備整備への支援や、感染症対応に関する知識と技術を身につけた看護師の養成など、新興感染症への対応力の強化を図ります。
医師偏在の解消に向けては、産科医師の不足に対応するため、府内医療機関が患者情報を共有する妊産婦モニタリングシステムを導入し、総合周産期母子医療センターが地域の中核病院や一般病院に診療支援や助言を集中的に行うなど、府内どこでも安心・安全に分娩できる体制を構築します。
このほか、総合リハビリテーション拠点の整備に向けた基本構想の策定、てんかん支援拠点病院の指定及び患者家族の相談支援ネットワークの構築、医療施設や社会福祉施設の整備など、誰もが安心して暮らせる社会づくりを進めてまいります。
(防災・減災、防犯対策の強化)
次に、防災・減災、防犯対策の強化です。
激甚化・頻発化する豪雨災害やいつ起こるかわからない地震など、あらゆるリスクに対応できる危機管理体制を構築し、府民の皆様の安心と安全の基盤づくりを進めてまいります。
地域住民の早期かつ安全な避難行動に向けては、学研地域において、「デジタルツイン」の技術により仮想空間で被災状況を可視化し、避難誘導に活かすための実証実験が行われております。この取組みとも連携を図りながら、河川氾濫時の浸水想定や避難所混雑情報等の京都府が有する災害情報をオープン化し、民間事業者による防災関連アプリの開発等を促進します。
また、市町村内の避難所が不足するような大規模な風水害等に備えるため、モデル地域を設定し、関係市町村と共に広域避難体制の構築に向けて検討を進めます。
ハード対策についても、国の「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」等を最大限活用し、治水対策や公共施設の老朽化・耐震化対策など、防災インフラの整備を着実に進めてまいります。
さらに、情報セキュリティ対策については、企業や病院が身代金要求型のコンピュータウイルスによるサイバー攻撃の標的とされるなど、府民生活に重大な影響を及ぼしかねない事案が確認されている状況を踏まえ、中小企業や病院等における情報セキュリティ対策の強化を支援するとともに、京都府警察のサイバー犯罪捜査への対処能力を強化します。
2つ目の柱は、子育てにやさしく誰もが温もりを感じられる京都の実現です。
(子育て環境日本一・京都の実現)
まず、子育て環境日本一・京都の実現です。
子どもにやさしい社会は、お年寄りにも、障害をお持ちの方にも、全ての人にとってやさしい社会です。
京都府においては、子どもや子育て世代を地域や企業を含めた社会全体で温かく見守り支え合うオール京都での推進体制を構築するため、「京都府子育て環境日本一推進会議」を設置し、子育てにやさしい風土づくり、まちづくり、職場づくりを推進してまいりました。
この間、昨年11月の「きょうと子育て環境日本一サミット」において、オール京都での「WEラブ赤ちゃんプロジェクト」の賛同宣言を行うなど、取組みの裾野が徐々に拡大してきたことを踏まえ、子育て環境日本一の実現に向けた総合的な施策展開を進化させ、行政、府民、企業、団体等のあらゆる主体の連携による取組みを一層強力に推進するため、「子育て環境日本一推進条例(仮称 )」 の制定に向けた検討を進めます。
また、スタートアップ企業が開発した移動式ベビーケアルームをJR西日本京都駅等に設置したところ、子育て世代から好評を博すこととなりました。
子育てに関する様々なニーズと企業のノウハウを結びつけ、実証やモニタリング等を行い、社会に実装していく仕組みとして、「産学公連携京都ママ・パパ応援プラットフォーム(仮称 )」 を立ち上げます。
さらに、子育て環境日本一に向けた職場づくり行動宣言を行った企業数は、令和3年度末には 1,642 社となり、令和5年度に 1,500 社とする目標を前倒しで達成することができました。
今後、行動宣言の実行を促すとともに、子育てにやさしい職場への就職促進や若者の府内への呼び込みと定着を図るため、宣言企業における学生の中長期・有償での職場体験等を支援します。
(府民の暮らしを温める共生社会づくり)
次に、府民の暮らしを温める共生社会づくりです。
経済・雇用情勢の悪化等により、社会的に弱い立場にある方々が特に深刻な影響を受け、しわ寄せが生じている実情が浮き彫りになりました。男女共同参画の推進、児童虐待に対する総合的な対策、障害者支援の充実など、誰もが生き生きと暮らせる共生社会づくりを平時から着実に進めてまいります。
生涯現役クリエイティブセンターについては、支援対象をミドル・シニア世代から全世代型へと発展させるとともに、産官学労の連携による「京都府リカレント教育推進機構(仮称 )」 を立ち上げ、リカレント研修やキャリア相談、キャリア開発に関する情報発信等を行うことにより、時代の要請に応え、生涯学び働き続けられる人材育成に取り組みます。
また、国の「地域活性化雇用創造プロジェクト」を活用し、府内企業における新たな価値や新ビジネスの創出、デジタル化を促進することにより、更なる産業活性化と生産性向上を図るとともに、質の高い安定的な雇用の創出につなげます。
3つ目の柱は、夢や希望にあふれる魅力と活力の京都の創造です。
今後、文化庁の京都移転、新名神高速道路の開通、大阪・関西万博の開催など、京都の未来を見据えて力を注いできた取組みが実を結ぶ機会が訪れます。これらの効果をしっかりと活かして、あたたかさの源泉となる、魅力にあふ れ活力に満ちた産業づくり、地域づくり、人づくり等を推進してまいります。
(未来を拓く産業づくり)
まず、未来を拓く産業づくりです。
京都の未来を担う新たな産業を創造していくため、成長・交流の基盤となるインフラ整備の進展を踏まえつつ、歴史や文化、産業集積など、府内各地域の
「ここにしかない」強みを活かした新産業創出の拠点として、「産業創造リーディングゾーン(仮称 )」 を府内全域で展開してまいります。
各ゾーンの取組みは、それぞれの進捗に応じて順次進めていくこととし、アート&テクノロジー・ヴィレッジについては、多種多様な人材や企業が交流するオープンイノベーション拠点の整備を進めるとともに、令和5年度のオープンに向けて、入居企業の誘致や東京圏・関西圏、地元でのプレイベント等を実施します。
伝統産業の産地振興については、テキスタイル分野の若手デザイナーやアーティスト、事業者等を集めた、新たな事業創出を促進するとともに、新たな海外販売拠点の開設や海外ニーズに応じた新商品開発など、生活文化提案型産業への変革を支援します。
このほか、脱炭素関連企業の集積とスタートアップの育成に向けたZET - valleyの形成、コンテンツ産業の競争力強化を目指す太秦メディアパーク構想、けいはんな学研都市でのスマートシティの推進、食・テクノロジー・文化等の総合力により食を取り巻く課題の解決を図る「京都フードテック構想(仮称 )」 の実現に向けた取組みに着手します。
また、先行する6ゾーンに加え、府内全域10ゾーン以上の展開に向けて検討を進めるとともに、各ゾーン間の連携や成果の府内全域への波及、関連企業の誘致等を図るため、全庁的な推進体制を構築するほか、外部有識者によるアドバイザリーボードを設置します。
併せて、学研地域の研究成果を各ゾーンの取組みに活かすため、大学や研究機関と企業等とのマッチングを担う専任コーディネーターを配置します。
観光産業については、本日から外国人観光客の受入れが再開され、長引くコロナ禍において激減した需要の回復が期待されます。その中で、人気の観光地に集中する観光客を府内全域への周遊につなげるとともに、地域のファンになって繰り返し訪問していただく「持続可能な京都観光」を実現するためには、京都にある多様な地域資源等を活かした新たな観光価値の創出と、それを担う人材の育成が必要となります。
そこで、地域の様々な魅力の磨き上げや他業種との連携による新たな観光サービスの創出を担う人材を育成するため、「京都観光アカデミー(仮称 )」 を創設し、他業種との交流型研修を実施するとともに、大学や経済団体等と連携し、観光人材のキャリア形成を支援します。
食関連産業については、地域ブランドの乱立と競争の激化等により、府内産ブランド産品の売上げが近年減少傾向にあるほか、コロナ禍による外食・観光需要の激減と消費者志向の変化への対応も必要となっております。
味や見栄え、歴史と伝統、匠の技など、従来の京都らしさに加え、健康機能 性や環境負荷の低減といった新たな価値を創出するため、産学公連携による研 究体制を構築します。また、京都食ビジネスプラットフォームに参画する生産、加工、流通・販売の各事業者が連携して取り組む、商品やサービス開発、販路 開拓等を支援します。
林業・木材産業については、ウッドショックと呼ばれる木材価格の高騰や需給バランスの不均衡、慢性的な担い手不足など、様々な課題を抱える中、「京都府府内産木材の利用等の促進に関する条例」が議員提案により制定されたところです。
本条例の趣旨も踏まえ、安定した府内産木材の取引体制を構築するための木 材需給情報共有システムの導入や林業事業体の生産力向上への支援、木材利用 を促進するための「きょうと木づかい府民会議(仮称 )」 の設立・運営等によ り、林業・木材産業の持続的な発展を図り、森林資源の循環利用を推進します。
(文化首都・京都の発信強化)
次に、文化首都・京都の発信強化です。
先日、岸田総理が新行政棟・文化庁移転施設の工事現場を視察された際に、令和5年3月27日に、文化庁長官をはじめ京都の新しい文化庁での業務を開始することとし、大型連休明けの5月15日に、職員の大半が移転することを目指すとの表明がありました。
京都は、古くから伝統文化を大事にしながら新たな文化を国内外に発信し続け、歴史を重ねてきました。京都に文化庁が移転することは、単に東京圏への一極集中の是正にとどまらず、文化芸術のグローバルな展開、観光や地域創生に向けた文化財の保存活用など、新たな文化行政を一層進める上で大きな契機となります。
京都府としても、京都市、文化芸術団体、経済界等と連携し、オール京都で府民のみならず国内外への広報活動等を強化し、文化庁移転に向けた一層の機運醸成を図るとともに、府内各地域の文化財を活かしたメディアアートの展示等を充実させることにより、「文化首都・京都」を国内外に発信します。
京都の伝統的な食文化である「京料理」については、少子高齢化による担い手不足に加え、コロナ禍により、文化の継承が一層厳しい状況にあります。令和3年度の文化財保護法改正により、無形文化財の登録制度が新設されたことを踏まえ、文化的価値の調査研究事業のほか、京料理フェアや京料理体験プログラムの開催等により、無形文化財登録に向けた幅広い層への普及と関連産業の活性化を図ります。
(環境との共生)
次に、環境との共生です。
2030年度温室効果ガス排出量の2013年度比46%以上削減、そして2050年温室効果ガス排出量実質ゼロの目標の下、脱炭素社会の実現に向けた取組みをオール京都で加速化してまいります。
具体的には、営農型太陽光発電の導入を市町村と連携して推進するほか、脱炭素化に関する相談・助言を行う「京都府ZEBアドバイザー」を設置し、府内事業所等の建築物における脱炭素化を支援します。
また、コロナ禍における原油価格・物価高騰等も踏まえ、中小企業等の経営効率化に向けた自社の未利用地を活用した太陽光発電の導入を支援するほか、水素ステーションの整備等に取り組みます。
(魅力ある地域づくり)
次に、魅力ある地域づくりです。
昨年の9月定例府議会で御議決をいただき、全面改正した移住促進条例による取組みを強化し、移住者をはじめ地域との関わりを持つ方々が地元住民とともに活躍できる地域社会づくりを推進してまいります。
このため、市町村が移住者受入・活躍応援計画に基づき実施する移住促進住宅やコワーキング施設といった交流拠点の整備等を支援するほか、振興局単位での先輩移住者ネットワークを構築し、移住相談窓口の機能を強化します。また、DMOと連携した移住ツアーや地域体験イベントの実施等により、移住者へのアプローチを強化します。
さらに、仕事が見つからずに移住を断念するケースが多いことを踏まえ、市町村や地域の主要企業等と連携し、企業の掘り起こしや移住希望者とのマッチング機能の強化を図ります。
子どもたちが希望するスポーツに親しみ、楽しむことができる地域づくりに向けては、少子化により学校の運動部員数が減少するとともに、部活動指導が教員の負担となるなど、多くの課題を抱える状況にあります。
京都府に拠点を持つスポーツ団体等と連携し、子どもたちの活動の場と専門性を持った指導者を確保し、子どもたちが地域で身近にスポーツを楽しめる環境を提供するため、「京のジュニアスポーツアカデミー(仮称 )」 の創設に向けて検討を進めます。
併せて、府内公立スポーツ施設の夜間照明等を整備し、府民がいつでも気軽にスポーツを楽しめる環境を充実させるとともに、国際大会の誘致につなげることにより、ハイレベルなスポーツを体感できる機会の確保を図ります。
「大学・学生のまち」京都の維持・発展に向けては、少子化による大学進学 者数の減少局面においても多様な学生を集め、学生数を確保するとともに、卒 業後の学生の府内定着を促進し、多種多様な教育・研究を行う大学の「知」と、全国・世界から集う大学生16万人の「力」を、魅力ある地域づくりと地域産業 の発展につなげていくことが重要です。
コロナ対策を契機として令和2年5月に設置した大学連携会議の機能を拡充し、大学・学生のニーズを汲み取り、行政との連携を深め、京都の未来を共に創っていく場として、「京都府地域共創大学連携会議(仮称 )」 を創設するとともに、大学における教育環境充実のための特色あるプログラムの開発や、京都の企業や地域を知るためのフィールドワークの実施等を支援します。
京都府立大学については、学部・学科再編に対応したキャンパス整備に向け、施設整備基本計画を策定します。
2025年開催の大阪・関西万博に向けては、関西広域連合パビリオンにおける京都府ブースの出展を通じて、京都が誇る最先端の科学技術や和食、伝統工芸などの京都の文化を世界にアピールするとともに、万博への国内外からの来訪者に幅広く府域全体へ来ていただけるよう、府内市町村や経済団体、有識者等によるオール京都の検討体制を構築し、基本構想の策定等を進めます。
(地域の成長・交流・暮らしを支える基盤づくり)
次に、地域の成長・交流・暮らしを支える基盤づくりについては、物流・人流のネットワーク強化を図るため、新名神高速道路や山陰近畿自動車道へのアクセス道路の整備を進めるとともに、関西経済圏の日本海側ゲートウェイである京都舞鶴港の機能強化を図るため、前島ふ頭旅客ターミナルの建替に向けた調査を行います。
また、バイパス整備や現道拡幅により、府民の生活・交流基盤の整備を着実に進めます。
こうした施策を支えるとともに、新たな行政課題に対して機動的に対応し、府民サービスの質を一層向上させるため、持続可能な財政構造の確立、現場課題対応型の組織改革と人材育成、市町村との連携強化など、行財政改革を着実に進めてまいります。
特に、府民の皆様との強い信頼関係を築いていくことが重要です。
コロナ禍においては、府民の皆様、事業者の皆様の現場の声を丁寧にお伺いするとともに、医療機関、市町村等と連携し、未知のウイルスとの闘いに奔走する中で、都道府県の役割に焦点が当たることとなりました。
京都のために、今、何ができるのか。
様々な分野で、京都府庁がさらに活躍できる余地や、取組みが足りない部分がまだまだあると考えております。
現場主義を徹底すること。前例にとらわれないこと。連携にこだわること。
4年前の就任当初から大切にしてきた3つの基本姿勢の下、職員一丸となって努力を続けてまいります。
そして、先人たちが紡いできた歴史と豊かな文化、多彩な観光資源、大学や 研究機関の知恵、多様な産業の集積という京都ならではの強みを活かし、府民 の皆様との信頼関係の下、オール京都で力を合わせ、「あたたかい京都づくり」への歩みを、私が先頭に立って、全力で進めてまいります。
以上が、私の府政運営に当たっての基本的な考えと決意であります。府議会 の皆様には一層の御理解と御協力を賜りますよう心からお願いを申し上げます。
最後に、今定例会に審議をお願いしております議案についてでありますが、 ただ今申し上げました施政方針に基づき編成いたしました補正予算案のほか、 条例の改正や財産取得に関する案件など、全12件の審議をお願いしております。
御議決いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
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