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令和2年5月22日
本日、ここに5月臨時府議会を招集いたしましたところ、議員の皆様におかれましては、御多忙の中お集まりいただき、誠にありがとうございます。
京都府内の新規陽性患者については、4月は1日平均8.3件であったものが、5月に入ってからは1日平均1.8件、新たな感染者数がゼロとなる日も続き、直近1週間の人口10万人当たりの累積新規患者数も0.5人を下回るなど、着実に減少を続けてまいりました。
こうした感染状況等を踏まえ、昨日、京都府を含む関西3府県において、緊急事態宣言が解除されました。4月17日に京都府における緊急事態措置を決定して以来、1か月を超える長期間にわたり、外出やイベント開催の自粛、学校を含む施設の休業など、府民の皆様の御理解の下、多大なる御協力を賜りました。この間の府民の皆様、事業者の皆様方の御尽力に対し、心より厚く御礼を申し上げます。また、府民の命と健康を守るために昼夜を分かたず御奮闘いただいております医療従事者の皆様、福祉などの現場で府民生活を守るため献身的に活動されている皆様に、改めて感謝を申し上げます。
しかしながら、緊急事態宣言の解除と新型コロナウイルス感染症の終息はイコールではありません。このウイルスとの闘いは長丁場を覚悟する必要があります。昨日開催した京都府新型コロナウイルス感染症対策本部会議において、宣言解除後の対応方針を定め、不要不急の都道府県をまたぐ移動の自粛、クラスターが発生しているような施設等への外出の自粛、「新しい生活様式」の定着、全国的かつ大規模なイベント開催の中止または延期等について、要請を行うこととしたところであります。
併せて、新型コロナウイルス感染症の第2波、第3波に備え、感染状況や医療提供状況を常時モニタリングする指標を活用し、注意喚起基準と行動自粛再要請基準を定めるとともに、医療体制の整備をはじめ、医療資材の調達や関係機関との連携・調整等を着実に進めることにより、事態の動向に的確に対応することができるよう万全を期してまいります。
このように、ウイルスへの警戒を怠らないよう努めながら、私たちは徐々に社会経済の活動レベルを上げていく必要があります。ウイルスに決して屈することなく、私たちの生活や経済活動、人と人との繋がりを守り、京都が京都であり続けるために、「WITHコロナ」に対応した社会を築くべく、府議会の皆様、全ての府民の皆様とともに全力を尽くしてまいります。
それでは、今回提案させていただいております議案について、その概要を御説明申し上げます。
まず、令和2年度一般会計補正予算については、この間の新型コロナウイルス感染症を巡る状況変化や今後の展望を踏まえ、緊急的に必要な施策を講じるため編成したものであります。
第1に、医療・検査体制の強化であります。医療機関におけるPCR検査機器の整備を支援し、医療崩壊が起きないよう、緊急手術・妊婦検査への対応分として1日当たり320件の処理能力を確保するとともに、行政検査可能件数を現在の300件から350件に拡充し、感染拡大時には医療機関の検査機器も併せ670件の行政検査体制とします。
また、希望される全ての妊婦さんが自己負担なくPCR検査を受けられるよう府市協調で助成するとともに、万が一感染が判明した場合に妊婦さんや出生児を受け入れる周産期医療センター等の設備整備に助成を行い、「子育て環境日本一」を掲げる京都府として、「WITHコロナ」社会にあっても安心して出産することのできる環境を整備いたします。
さらに、医療資材コントロールセンターによる資材配布の対象を、救急告示病院や精神科救急病院、透析医療機関にも拡充し、救急搬送や人工透析患者の受入環境を整備します。
第2に、「WITHコロナ」社会への対応であります。4月補正予算でお認めいただいた企業等への緊急応援補助金や伝統工芸品の購入支援補助等各種支援事業には非常に多くの御要望をいただいており、特に休業要請に協力いただいた皆様に対する支援給付金については、去る5月20日から給付を開始しております。これらに加え、「WITHコロナ」社会においては、休業要請の対象か否かを問わず、「新しい生活様式」に対応して厳しい事業環境からの再出発を図る必要があることから、これを応援する助成制度を新設いたします。また、対面でのコミュニケーションや人との接触、広域の移動などが抑制される中、各産業分野における事業構造も柔軟に対応することが求められます。このため、商店街・小売業、伝統産業、観光、食、ものづくりの5分野において、「WITHコロナ」社会を乗り切る産業戦略を検討し、「POSTコロナ」社会において京都産業が果たす役割を見定め、実践に繋げるための会議を立ち上げます。「WITHコロナ」社会では、企業研修も変わります。従来の集合・対面型研修からWEB研修環境の整備が不可欠となることから、「京都府WEB研修センター」を設立し、企業に対する相談支援体制を構築します。京都の宝である大学も、休業に伴い、対面授業からオンライン講義等への切り替えを余儀なくされ、また、実験・実習等も困難になっております。教員と学生あるいは学生相互の交流から、街の活気や新たな価値を生み出してきた大学の再開は、京都にとって不可欠なものであり、大学とともに学校再開ガイドラインを策定し、授業の再開を目指してまいります。その際、府内全ての大学が情報を共有し、互いに協力し合える場として、大学連携会議を設置するとともに、授業の再開に当たり必要となる感染防止対策への助成を行います。併せて、経済活動の停滞から、アルバイト先の休業や解雇などの厳しい状況に置かれている大学生に対し、求人を開拓してマッチングを行うとともに、府内企業への就職にも繋がる有償インターンシップを紹介いたします。さらに、出水期を前に、災害が発生した場合の避難所における感染拡大防止対策の徹底は喫緊の課題です。避難所における「3つの密」を回避するために必要な対策を講じる市町村を支援いたします。
第3に、「WITHコロナ」社会における支え合い支援であります。京都府の「こどもの城」事業では、NPO等による子ども食堂やこどもの居場所の設置・運営を支援し、様々な課題を抱える子どもを広く受け入れ、食事や関わり合いを通じた支援を行ってきていただいたところであります。緊急事態宣言期間中は、皆で集まる形態での事業運営は休止されておりましたが、子ども食堂等の再開に必要となる感染予防対策の経費について、一定額まで京都府が助成いたします。また、生産活動の縮小を余儀なくされている障害者就労支援事業所に対し、府市協調で助成を行うことにより、障害者の工賃を支え、就労が継続されるよう支援いたします。
以上、補正予算案の総額は48億3,400万円であります。
このほか、軽症者等の宿泊療養施設等において、特に感染リスクの高い業務に従事している職員に対し、特殊勤務手当を増額して支給するための職員の特殊勤務手当に関する条例の一部改正や、府民の皆様から広く寄附を募り、医療従事者や子どもたちへの支援等の財源とするための京都府新型コロナウイルス感染症対策応援基金条例の制定など、全7件の議案につきまして審議をお願いしております。
御議決いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
令和2年5月22日
ただ今議題となりました第8号議案につきまして、その概要を御説明申し上げます。
第8号議案は、京都府知事及び副知事の期末手当の額の特例に関する条例制定の案件でありまして、新型コロナウイルス感染症の拡大により、府民生活に多大な影響が生じている状況に鑑み、臨時の措置として6月に支給される予定の知事及び副知事の期末手当の額について減額措置を講じようとするものであります。
以上が、ただ今議題となりました議案の概要であります。御議決いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
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