丹後広域振興局
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宇川(うかわ)は、良質な天然アユが遡上する河川として広く知られている二級河川です。
流域面積約62平方キロメートル、流路延長約18キロメートルの河川で、丹後土木事務所管内第3位の流域面積を持ちます。
上流域は「ふるさといきものの里100選」(平成元年環境省)にも選定されるなど、丹後地方でも特に貴重な清流です。
そのため、 多自然川づくり に努めています。
宇川については、平成5年10月に地元有識者による「宇川多自然川づくり地域懇談会」を開催し、以下の5項目について取り組んでいくこととなりました。
直壁落差工に魚道を設置するという取り組みの中で、山根堰(やまねせき)についても改良工事が実施されました。
山根堰の全断面魚道は、平成6年に施工されたものですが、当時、下流域で最大の落差があった山根堰に中央部をプール式、両サイドを曲面斜路式の魚道を設置し、魚類だけでなくモクズガニなどの水生生物の移動にも配慮した魚道を設置しました。
山根堰は、中央部をプール式、両サイドを曲面斜路式としています。
上図において、黄色い線(Aの線)がプール式であり、赤色の線(Bの線)が曲面斜路式となっています。
プール式の部分は、アユなどの跳躍できる魚など、比較的水流が速くても遡上できる魚が主体となります。
曲面斜路式の部分は、ウナギ、ハゼ、カニなどの流速の遅いことを必要とする魚等が遡上することができます。
また、曲面斜路式の部分は、両岸ともに川の中心に向かって傾斜していますので、水量の変化に対応しやすい形状となっています。
以上のように、山根堰はアユだけではなく、多くの魚種に対応できる構造となっており、これからの川づくりに求められる「多自然川づくり」において、ある意味、見本となるような形態になっています。
多自然川づくりを行う上で大切なことは、川幅を広く取り、淵や瀬ができて川の中に多種多様な動植物の生息環境が整うこと、洪水で流された魚などが元の居場所に戻れる構造であることなどを総合的に考えることです。
天然記念物オオサンショウウオなどが洪水で流されても、元の住処(すみか)に帰れる環境を整えることが求めらます。
そのために、これからも多自然川づくりについて、研究し技術の研鑽(けんさん)を行い、安心・安全で豊かな水辺環境の整備に努めていきたいと思います。
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