丹後広域振興局
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地域の人々が天橋立をふるさとの財産として誇りを持ち、自分の言葉でその価値を語れるように、価値の共有共感を図る取り組みとして、地域住民を中心とした学習会「天橋立まなび舎塾」(第5回)を開催しましたので、その概要をお知らせします。
第5回は天橋立を景観面からいろいろと学んでいただこうということです。
あいにくの天候でしたが、第1回から全て参加していただいた15名の方を含めて80名の参加がありました。
天橋立を守る会 細井氏の司会の開会あいさつにより進めました。
まず始めに、丹後土木事務所から「天橋立周辺景観計画(景観を活かしたまちづくり)」と題して京都府、宮津市、与謝野町で取り組んでいる「天橋立周辺地域景観まちづくり計画」策定の取り組みについてご説明いたしました。
周辺景観計画は、天橋立の「飛龍観」をはじめとする景観のすばらしさを損なわないような景観を活かしたまちづくりを推進するための計画で、基本方針や具体的な取り組み、建築物や工作物に関する景観誘導などが示されていることなどを説明させていただきました。
「景観十年 風景百年 風土千年」という言葉があるように、何もせずに天橋立が未来に引き継がれていくものではなく、皆さんが一緒になって取り組んでいくことが重要です。
続いて、京都府立大学人間環境学部准教授 深町加津枝(ふかまちかつえ)氏から、「天橋立を望む視点と歴史的景観の変遷」と題して講演を行っていただきました。
深町氏からは、注目したい視点として「絵はがきや写真にある景観構成要素」、「天橋立を望む視点の位置と人が望める要素」、「松並木の様子」があり、それを中心に講演を進めていただきました。
天橋立の景観や利用等についてのアンケート結果などから、数値的に天橋立がどのように見られているか、評価されているかなどを詳しく聞かせていただき、住民と観光客の評価に違いなどについても理解が深まりました。
お話の中で、興味深かった点は、「飛龍観」、「股のぞき」など著名な景観以外の近景であっても好む人が多いこと、また、住民にとっては日常的に見ている景観にも深い想いがあることなど、どの視点からであっても天橋立の景観の美しさは認識され、愛されているのだということでした。
今後、展望地点の意味づけやつながりをどうしていくか。歴史的背景から新たな視点や多様な景観の楽しみ方を提案していく必要があるとお話がありました。
確かに、天橋立の中を散策したり、阿蘇海、宮津湾などから見ると、天橋立は様々な様相を見せてくれ、見る者を飽きさせない魅力を持っていると思うことがあります。
そのため、天橋立の四大観からの景観だけでなく、天橋立の松並木だけでなく、周辺景観をいかにコントロールしていくかが重要なことです。
行政だけではなく、府民が共通の認識をもって取り組んでいくことが必要です。
最後に閉会に当たり、「天橋立を世界遺産にする会」の有吉副会長から「いろいろな考え方、ご意見はあると思いますが、そのことが大切であり、ご意見をいただく中で、さらに取り組みを進めていきたい。皆さんで天橋立を世界遺産にしていくことが天橋立の最大の保全システムでありますので、お力添えをお願いします。」というご挨拶があり多くの賛同を得たものと思います。
今回の第5回をもって、とりあえずの「天橋立まなび舎塾」の全5回の講義を終了することとなります。
第1回の籠(この)神社と天橋立の関係から始まり、天橋立に関する歴史、文化及び天橋立に関わる人の営み、歴史などについても学んでいただき、天橋立の歴史的な価値、文化的な価値について理解を深めていただけたものと思います。
天橋立は、北部地域の観光の中心としての役割があるだけではなく、その歴史的価値、文化的価値から考えて、地域の宝物であるだけではなく、世界に誇れる宝物です。
その世界に誇れる宝物を守っていくためには、行政だけではなく、地域の方々をはじめとする府民・国民がその価値を深く理解し、子々孫々まで守り残していくことが必要不可欠です。
京都府としても、天橋立公園継承準備委員会等の関係団体と協働して、その価値、魅力の情報を発信するとともに、「天橋立まもり隊」など保全対策の取り組みをサポートすることにより、美しい白砂青松の天橋立の景観を守っていけるよう、継続して様々な取り組みを進めていきたいと考えております。
皆さまと共に取り組んでいきたいと考えておりますので、ご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。
なお、天橋立まなび舎塾については、継続の希望があること、また、その価値共有の取り組みとして意義深いことなどから、今後も引き続き開催を検討しておりますので、詳細が決定しましたらお知らせいたします。その際は、今回にも増して、ふるってご参加いただきたいと考えております。
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