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★NHK
先日、屋根瓦の修繕工事の契約で大阪市の建築会社の20代の社長が逮捕されました。これはどのような話なのでしょうか。
☆相談員
民家を突然訪問して点検した後に住人の不安をあおり、工事の契約を結ばせる「点検商法」と呼ばれるものです。「近所の工事に来ている者だが、お宅の屋根瓦がつぶれていますよ」などと、あたかも工事で付近を訪れているように装って次々と戸別訪問し、必要のない屋根の修繕工事を持ち掛けるというものです。
★NHK
先月も「リフォーム工事の契約トラブル」というお話をしていただいたばかりでした。事業者はなぜ逮捕されたのですか。
☆相談員
工事の契約をさせた際にクーリング・オフなどに関する書面を意図的に渡さなかったという、特定商取引法違反の疑いです。逮捕された事案では、訪問された住人は1000万円の工事費を示された後、必要最低限の補修として88万円を提示され、契約してしまいました。京都府警には9月から今月中旬までの間に、この会社の訪問に関する相談や通報が約300件寄せられていたとのことです。
★NHK
逮捕されたのは大阪市の事業者ということでしたが、京都府の消費生活安全センターにもこのような相談は入っていたのでしょうか。
☆相談員
この事業者の相談と思われるものが何件も入っていました。知らない業者が突然訪ねてきて、「この近くに工事に来ていて、その仕事が終わったところだ。お宅の瓦がずれているのが気になる。見てみましょうか」と声を掛けられます。住人がお願いすると、「では後で親方が見に来る」というのです。
★NHK
そのあとどうなるのでしょうか。
☆相談員
別の男性が来て、屋根に上がってみて「これはだいぶずれている。全面的に張り替えたほうが良い。」と言って住人を不安にさせます。そして「工事代金は300万円」などと言われます。無料のつもりが300万円と言われて驚いていると、「では一部だけ修繕するので100万円」などと言って住人を断りにくくさせて、契約してしまうものです。
★NHK
他にはどのような事例がありますか。
☆相談員
やはり知らない業者が来て「道路から見ると屋根が傷んでいるように見える。はしごをかけて写真を撮って良いか」などと言われ、はしごを上って行って写真を撮り、「このままにしておくと雨漏りするようになる」と言われ、300万円の屋根工事の契約をしてしまった相談などです。これは実家に帰ったお子さんが気づいて、センターに相談してくれたものです。クーリング・オフの対応ができました。事業者が見せた写真の真偽については不明です。
★NHK
クーリング・オフができたら良いですね。ではどのようなことに気を付けたらよいでしょうか。
☆相談員
京都府と京都府警では、「突然訪問した業者を家の中に入れない」「1人で悩まずに、家族などに相談する」といった対策を呼び掛けています。今回は「屋根工事の点検商法に気を付けて」というテーマでお話をさせていただきましたが、屋根工事に限りません。最近は給湯器などの設備の点検修理などの相談も増えています。突然訪問してきて点検するという事業者は、どんなに良い人に見えても注意が必要です。
★NHK
最近は怖い犯罪も増えていますからね。
☆相談員
訪問されなくても、知らない電話番号から不審な電話がかかってくることが入口になる可能性もありますので、防犯機能付き電話機や留守番電話の活用も検討しましょう。
★NHK
報道によると、業者は契約後「この契約のことは誰にも言わないでください」とも求めていたということですね。もし何か契約してしまったらどうしたら良いでしょうか。
☆相談員
誰にも相談しないでいると事業者の思うつぼです。知らない事業者の訪問があったり、契約してしまった場合にはできるだけ早く家族や身近な人、そして消費生活センターや警察に相談してください。対応策を一緒に考えていきます。
★NHK
今日はどうもありがとうございました。
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