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★NHK
今日は、「若者を狙った『モノなしマルチ』」について、お話しいただきます。
まず、「モノなしマルチ」という少し聞きなれない言葉がテーマとなっていますが、一体どのようなものなのでしょうか。
☆相談員
はい。マルチ商法は、従来は化粧品や健康食品などといった形のある商品が多かったのですが、暗号資産(仮想通貨)や海外事業等への投資、アフィリエイトなどの儲け話を勧誘し、紹介料や報酬を得るマルチ商法を「モノなしマルチ」と呼んでいます。事業者の実態や儲け話の仕組みがよく分からないうえ、事業者に解約や返金を求めても交渉が難しいというケースが多くみられます。
★NHK
なぜ若者が狙われるケースが多いのでしょうか。
☆相談員
契約のきっかけをみると、学校や職場の同級生・同僚や先輩、SNSやマッチングアプリなどで知り合った人等の友人・知人から、飲食に誘われたり、「会わせたい人がいる」「ビジネスを教えてあげる」「セミナーに行こう」と誘い出され、レストランや喫茶店、マンションの一室やセミナーの会場等で会うと、「投資」や「ビジネス」などの儲け話を持ちかけられるケースが多くみられます。
★NHK
SNSやマッチングアプリなどで知り合った人から誘われるというのは確かに若者に特有という感じがしますね。
☆相談員
そうですね。さらに「将来に不安はないのか」とか「必ずもうかる」などと若者の消費者心理を煽って興味を持たせ、高額な投資資金を支払うよう言われたり、セミナーの契約をさせられたりします。中には借金をしてまで契約や支払いをさせられるケースもあります。
★NHK
消費者心理につけ込んで契約を勧めてくるだけでなく、借金までさせてくるというのは恐ろしいですね。
☆相談員
そうですね。最近あった事例では投資資金を支払うために消費者金融から借金をして契約したものの、返済することができず、22歳の女性が命を絶つという痛ましい事件まで起きています。
★NHK
具体的な事例はあったりするのでしょうか。
☆相談員
京都府で受けた事例を紹介させて頂きます。
前のバイト先で知り合った20歳の男子学生から誘われた。最初に1000ドル分の仮想通貨を用意して組織に加入すると、AIを使った運用システムが仮想通貨の売買差益をねらい年利40%、という説明だった。働かなくても儲かる方法があるのだと信じた。勧誘者と一緒にアカウントの登録をし、サラ金3社で合計110万円を借金して上位者に手渡した。上位者が1万ドルに交換した上で仮想通貨の交換所へ送金。領収書など紙書類は一切もらっていない。その後、高校時代の友人を勧誘したが、逆に詐欺商法ではないかと指摘されて一気に不安が高まった。解約して返金してほしい。という相談がありました。
★NHK
同世代の友人から誘われると信用してしまいがちですね。契約するときは、今まで以上に気をつける必要がありますね。消費者トラブルに遭わないために、消費者へのアドバイスがあれば教えてください。
☆相談員
トラブルに遭わないためには、まず、「楽して儲かる」話はないと思っていただき、契約をする前によく考えて、強引な勧誘や内容の良く分からないものには、勇気を出してきっぱり断ることが大切です。もしモノなしマルチかも…と思うような契約を勧められたときは、次のようなことに気をつけて下さい。
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