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つい先日まで色とりどりに鴨川の脇を飾り立てていた「桜」や「ケヤキ」の葉も強い北風に吹き飛ばされてものの見事に丸裸になってしまいました。新緑の季節には鮮やかな緑の葉をまとう木々。少々寂しくなった頭髪をなでながら「うらやましいな」と思うのでした。
<葉が散って枝の隙間から青空が覗きます>
舞い散った「葉」は川の中にも飛び込んで川底を彩っています。
<中洲の草も枯れ始めています>
落ち葉が園路を駆け抜ける様子を眺めていると、空にはカラスの大群が舞っています。鴨川にも空にも「ハラハラ」と舞い踊る賑やかな光景です。
<北風に吹かれて落ち葉が園路を舞います>
<空に見える黒い点は全てカラスです>
こちらでは、鴨川の護岸を黄色く染めていた野草の花も白くなって種を飛ばしているようです。人間の白髪を連想してしまいます。
<黄色かった花も白くなって>
あちらは同じ種類と思われる野草がまだまだ鮮やかな黄色で頑張っています。植物も個体差が大きいようです。
<まだまだ黄色が鮮やかです>
澄んだ空気で空は青く高い中に「何雲」でしょうかぽっかり浮かんでいます。良い感じの眺めです。
<雲の流れを見ているとゆっくりと時間が流れている様です>
川の中に目をやると、ユリカモメの団体が浮かんでいるのか、いやいや違いました。
<遠目には「ユリカモメ」の群の様にも見えます>
コサギの群です。コサギは浮かびませんので佇んでいるのですね。
普段は縄張り意識が強く、追いかけっこする光景を良く目にしますが、この日は団体です。以前、川の中に重機が入って作業している周りに群がって、重機の動きに「びっくりして飛び出す小魚」をみんなで仲良く「ついばんで」いました。小魚が群れているのでしょうか。
<コサギの群です>
早朝に散歩していると、南の方角から上流に向かって群をなして飛来します。
コサギは下流の木の上でコロニーを作って集団で夜を過ごします。外敵から身を守るために「夜」は身を寄せて過ごすそうです。そうやって夜を過ごし、早朝には集団登校のように鴨川に降り立って自分の縄張りに陣取るそうです。
<サギ出勤>
いつもは首を伸ばして「せかせか」と動き回りながら小魚を捕獲するコサギも寒そうに首を「すくめ」て「じっと」佇んでいます。
ゆっくり歩いていると、「スミマセン、通行されている方止まって下さい」と制止されてしまいました。ドラマの撮影です。当然、当事務所に許可を得て、占用料も払われておられます。京都が舞台のドラマの撮影には「鴨川」は欠かせないスポットとなっています。
<鴨川をバックに撮影です>
青い空は鴨川に写り込んで水面もスカイブルーに染めています。そのキャンバスにマガモのペアが浮かんでいます。鴨川はどこを向いても見どころ満載です。
<青い空>
<マガモのペア>
夕暮れが近づき、東の大文字山も比叡山も真っ赤なスポットライトに照らし出されます。
<大文字山>
「あーきのゆーうひに」「てるやまもーみーじー」と独り言も飛び出します。
<比叡山>
西の空には豹が駆けている様な雲が夕日に照らし出されています。北の空にも薄いピンクの雲が浮かんでいます。鴨川の周りには「鴨川」を引き立ててくれる光景が広がります。
<雲の形もいろいろですね>
<鴨川上流>
翌日のお昼休みに鴨川を散歩です。北大路橋から上流を眺めると、右岸のケヤキも左岸の「半木の道」のしだれ桜もすっかり丸坊主です。北大路橋の眺望バルコニーにも枯葉が舞い込んでいます。
<北大路橋の眺望バルコニー>
府立植物園のNさんに教えてもらった、北大路橋西詰め上流に自生している「ヤマザクラ」も葉を落として冬支度をしています。
<北大路橋西詰めに自生したヤマザクラ>
川の中には鴨川で冬を過ごすカモもスタンバイして「冬」を待っています。
<アイマスクの様な緑が目印のコガモ>
左岸の高水敷には、落ち葉の絨毯が敷き詰めてあるようです。落ち葉の柔らかい様な、かさかさした様な感触を靴底に感じながらゆっくり歩くのも楽しいものです。
<枯葉のじゅうたん>
「ソメイヨシノ」の枝を近くで観察すると、来春に花を咲かせる小さな芽が並んでいます。凍てつく冬を乗り越えて可憐なピンクの花ビラを楽しませてくれる「桜」もこの時期から準備が始まっているようです。
葉の落ちた「木の枝」にはハトが群で羽を休めています。隠れ蓑となる「葉」が無いのでその様子が丸見えです。
<ハトが枝に「スズナリ」です>
大きなカメラを持って北山方面を見つめる人も「晩秋」の鴨川の風景を写真に残されるのでしょう。
<北山に向かってカメラを向ける人>
どの季節にも人の心を和ませる「いろんな」顔を見せてくれる鴨川から目が離せません。
平成24年12月7日 (京都土木事務所Y)
ほんの数日前まで晩秋の顔を見せていた鴨川も、うっすらと雪が積もって早くも冬の到来です。
<高野川上流では雪で空も真っ白です>
第58号で落ち葉が駆け抜けていた高水敷にも白い物が舞い降りています。
<はらりはらりと舞った雪がうっすら積もります>
寒波がやってきて、雪が降らないまでも、毎朝冷え込んで霜柱が立ったり、水たまりに氷がはったりと見た目にも寒さを感じる季節です。
<霜柱を踏みしめながらの散歩>
霜柱の上を歩くと足跡の形に沈み込みます。シャリシャリという音を楽しみながらの散歩です。
<足跡から氷が飛び出します>
水たまりの氷を見ると、子供の頃と同様にパリパリと割らずにはいられません。
<氷を見ると割りたくなりませんか?>
また、綺麗に刈り揃えられた草には毎朝霜が白く覆います。毎朝出勤前の女性がファンデーションを塗っているかの如くです。
<茶色く枯れた草を白い霜が覆います>
上流を眺めると北の山には白く冠雪しています。
<ベンチにも白く霜です>
毎月2回鴨川上流の雲ヶ畑を巡視している職員によりますと、同じ日の雲ヶ畑は5センチ程の雪が積もっており、真冬の様相を見せていたそうです。
<北大路付近とは雪の量が違います>
<寒そうですね>
鴨川流域も下流域から上流域にかけては高低差もさることながら気温差も大きく、季節感も随分違うものだと改めて思うのでした。
<こちらは道路にもかなりの雪が積もっています>
冬といえば、鴨川冬の風物詩「ユリカモメ」です。これまで、エサやりをする人に群がる光景があまりにも印象的だった「ユリカモメ」ですが、自然にエサを捕獲する姿を注意して見てみました。
<泳ぐよりも石の上に立っている方が”さま”になります>
あまり達者でない泳ぎの姿勢から、少し飛び上がって頭を水中に押し込む動作で小魚を捕獲する様子が何とも不器用に見えるのですが、そこがまた愛嬌を感じるところでもあります。
<着水も泳ぎもどこかぎこちないです>
<セーノで少し浮かび上がります>
<ザブン!と>
<水に頭を浸けるのは一瞬です>
<シッカリ羽繕い>
渡り鳥でない鴨川の野鳥も寒さに負けず元気のようです。これから底冷えを迎える京都鴨川に暮らす生き物も、暖かい春を無事に迎えて欲しいものです。
<ダイサギとコサギ よほど仲が良いのか>
<ダイサギがカルガモの傍に移動するとコサギも続きます>
平成24年12月14日 (京都土木事務所Y)
早いもので今年もあと僅かです。「鴨川真発見記」60号を迎えて今年の最終号とさせていただきます。
クリスマスイブを含んだ12月22日~24日の三連休に鴨川を歩いてみました。また12月22日は三条ラジオカフェという地域FM放送に「鴨川真発見記」をネタにラジオ出演させていただきました。
「鴨川真発見記」筆者として京都土木事務所NとYのコンビでラジオデビューです。
この日は午前10時45分から打合せということで、高野橋から高野川・鴨川を経由して鴨川の様子を眺めながら三条寺町にある収録スタジオに向かうこととしました。
高野川沿いの葉の落ちた実のなる木では「ムクドリ」がその実を咥えて腹ごしらえをしています。葉が無いと野鳥の様子も良く観察できます。
<逆光で撮影時には何か解りませんでしたが>
<拡大してみると「ムクドリ」でした>
水辺では「イソシギ」がミミズのようなものを洗っているようです。
<ミミズなのか?>
<なんでしょう>
野鳥は飛びながら糞尿を排泄するので、たまにこんな風にその跡を残します。京都市の衛生環境研究所では、鴨川で野生鴨の糞を採取して鳥インフルエンザウイルスの検査を冬の期間、定期的に実施されているとお聞きしています。
10年程前に発生した南丹地域での鳥インフルエンザでは沢山の鶏が殺処分されました。私ども京都府職員もその任務に従事したことを思い出します。再び起こらないように備える検査だと思います。
それにしても、どうして鳥の糞は白くなるのかと「ふと」思います。
<なんという名の野鳥の糞かは解りませんが>
高水敷では、「ユリカモメ」が人の散歩する後を「エサ欲しい」とでも言っているように単独で「トコトコ」歩いています。
<伸びをしながら何を待つ>
<こっちを見ても何もないよ>
こちらでは海外からのお客様のグループが飛び石を楽しんだ後、昼食にとのことで「“そば”か“ラーメン”の美味しいお店は近くにありますか?」と通訳の方に声を掛けられました。
食いしん坊の私ですが、沢山お店がありすぎて一店をチョイスに迷ったのですが、京都在住の方ならよく知っているお店を紹介しておきました。
<・・・・なら近くにありますよ>
秋にはピンクの綺麗な花を咲かせていた「フヨウ」も実を結び種をたわわに付けています。
冬っていうのは新しい命を準備する季節なのですね。
<緑の葉とピンクが鮮やかだった「フヨウ」も冬色です>
そうこうしているうちに収録スタジオに到着です。
いよいよ「鴨川真発見記」が電波に乗ります。収録ではパーソナリティーの絹川さんのリードでN・Y共々驚くほど自然にお話することができました。放送は当日と翌日、12月29日(土)15時30分から16時、30日(日)10時30分から11時に再放送がオンエアされます。
京都市内の屋外なら聞くことができますので、タイミングが合えば聞いて見て下さい。
収録を終えて再び来た道を歩いて帰路に着きますと、川の中に「長ネギ」が引っかかっておりました。「何故?」「捨てた?」「落ちた?」「飛び込んだ?」調理前の食材が川の中にあることが気になって仕方がありません。
<拾って刻んでみようか>
冬の鴨川では良く目にする光景ですが、野鳥にエサを与える方が目に付きます。子供が少量のエサを与えるのは許容範囲かもしれませんが、大量のえさやりはヤメテいただきたい。トンビもそのエサを狙っています。
<最近よく野鳥の群にトンビが急降下しています>
<トンビが旋回しています>
翌日もまた鴨川オタクの本領発揮で川へと脚が向きます。
ホントに「ユリカモメ」の単独行動が目立ちます。街灯の上で何を眺めているのかわかりませんが。
野草の種も風に吹かれて旅立つ準備が整った様子です。
<何を見つめるユリカモメさん>
<誰かにくっついて移動します>
鴨川近くの有名な豆大福を購入し、鴨川で賞味されている姿もよく見かける光景です。川を眺めながらの甘味もまた格別でしょう。でも「トンビ」には気を付けてくださいね。
<上をみてから食べてください>
なんと「メリークリスマス」&「ハッピーウエディング」です。三重県からお見えになった新婚さん。結婚の記念に鴨川でウエディングドレス・タキシード姿での撮影です。
「おめでとうございます」と声を掛けさせていただきました。
<鴨川の冬の景色も人気スポットなのですね>
クリスマスですね~。サンタクロースが大集合です。第11回を数える「サンタになろう会」主催のサンタマラソンです。そういえば昨年もサンタクロースが集団で走って行く姿を目にしました。もちろん京都土木事務所にも届けを出していただいております。クリスマスらしい衣装で参加すれば誰でもOKとのこと。撮影も事前に参加者に告知してあるのでOKとのことですのでサンタをたっぷり御紹介します。
<主催者からの説明を聞く参加者>
<雪だるまもスタンバイ>
<おしりが汚れたのもご愛嬌>
<サンタ、トナカイ、雪だるま>
<さあスタートです>
<私が一番になるんだ>
<楽しいマラソンです>
<我々はマイペースで行きましょう>
<雪だるまベビーもレースに参加>
<「くまもん」も参加です>
<会場を盛り上げます>
<暑い!もう脱ぐ>
<はい、頑張って>
<ゆっくり歩くのもOKです>
<愉快な音楽隊で参加です>
<記念に一枚>
最後に出会ったのが懐かしの「パックマン」。黄色いパックマンと水色のモンスター(「キマグレ」“アオスケ”)がやってきました。
出会った人にパックマンが今夜食べるメニューをアンケート。一番多くの票を集めたメニューをパックマンの覗き穴から食べるという企画だそうです。ちなみに私は「ステーキ」に一票を投じておきました。
一年を締めくくる第60号は「野鳥あり」「人あり」でお届けしました。
来年も「鴨川真発見記」をよろしくお願いいたします。
皆様良いお年をお迎えください。
平成24年12月26日 (京都土木事務所Y)
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