【終了報告】亀岡市都市計画公園及び京都スタジアム(仮称)に係る環境保全専門家会議(第15回)の開催概要
開催日時
平成27年1月14日(水) 午後6時から9時
開催場所
メルパルク京都 6階 会議室
出席者
【委員】
村上委員(座長)、岩田委員、竹門委員、辻村委員、平井委員、堀野委員、松井委員、松田委員、光田委員
【オブザーバー】
江戸オブザーバー、田井オブザーバー、木瀬オブザーバー、遠藤オブザーバー
【要綱第5条関係人】
渡辺亀岡市アユモドキ緊急調査検討委員会委員(京都大学准教授)
【事務局】
京都府:文化環境部中井部長、坂本スポーツ政策監、姫野副部長、中島理事 他
亀岡市:湯浅副市長、勝見副市長、桂政策推進室長、中川環境市民部長、古林まちづくり推進部長 他
議事
- 市道保津宇津根並河線道路改良工事(平成26年度その2工事)について
- アユモドキ稚魚中期の糞分析について
アユモドキ稚魚中期の餌となる底生動物と水路環境について
- 水路ネットワークにおけるプランクトン調査について
- 報告事項
① 亀岡市都市計画公園及び京都スタジアム(仮称)の整備計画の策定にあたり考慮されるべき基本的事項について(検討中)
② 平成25・26年度動植物調査結果に基づくヒアリング状況について(重要種調査結果等:アユモドキを除く)
意見等
市道保津宇津根並河線道路改良工事について
- 平成26年度その2工事(水路付替え①区間道路拡幅工事)については、生物に配慮した付替水路等の設計となっており、了解する。
- 水路の底が全面コンクリートでないことは、生物にとって良い環境であるが、水が浸透して水路が干上がらないように、底土に粘土等の不透水性のものを入れるなどの工夫が必要である。
- また、水路の要所に設ける深みについては、砂泥が溜まることを考慮し、上流部のものは30cm程度の深いものとし、維持管理も容易となる工夫が必要である。細部の設計については、個々の委員に相談すること。
アユモドキ稚魚中期の糞分析について
竹門康弘委員よりアユモドキ稚魚中~後期の餌となる底生動物と水路環境について報告された。
- 糞分析の結果、特定の餌を専食するのではなく、様々サイズの多くの種類を摂餌していることがわかった。
- 体長50mm位までは小型底生動物の割合が多いことがわかった。また、体長50mm以上100mm位になっても大型底生動物を専食せず、餌の個数にして5割近い小型底生動物を食べていることがわかった。
- 実験地では大型底生動物の、水路では小型底生動物の割合が高い傾向があった。
- アユモドキ稚魚中~後期の糞分析の結果、稚魚中~後期の餌として、生物体量としては大型底生動物が重要であるが、その内訳として、コカゲロウ属やコガタシマトビケラ属のように流水環境を好む種群だけではなく、フタバカゲロウやヒゲユスリカ属のように水田環境を好む種群も大きな割合を占めていることがわかった。
- アユモドキ稚魚中〜後期の餌となる大型底生動物と水路環境条件の関係について多変量解析を行ったところ、流水性の種は、植生カバーが多く、流速が速く、水深が深く、底質がコンクリートなどのところに多くおり、緩流・止水性の種は、植生カバーが少なく、水深が浅く、底質が礫・泥のところなどに多いという傾向があった。ただし、この底生動物調査では、フタバカゲロウがコカゲロウ属に分類されていたため、流水性の種として分析されている可能性がある。
- 今後、アユモドキの生活ステージごとに、どの底生動物が重要で、どんな水路環境が必要かという整理を行い、それぞれのステージに必要な条件を備えた水路設計を行う必要がある。
水路ネットワークにおけるプランクトン調査について
調査担当のコンサルタントから水路ネットワークにおけるプランクトン調査の結果について報告された
- 平成25-26年度に行なわれた調査データからは、転作によるプランクトン増減の詳細を結論づけるのは難しいと思われる。
- プランクトンは水路を流下する過程で減衰していくので、アユモドキの利用可能な餌が、アユモドキの生息域にどれぐらい到達するのかを検討する必要がある。また、田越しの水を含めて水田から供給されるプランクトンや底生動物の量や届く範囲等を検討し、アユモドキが利用している水路周辺にどれぐらいの水田を残す必要があるのか検討する必要がある。
資料
(希少種情報を取り扱う資料は非公開としています。)