京都府消費生活審議会(第12回施策検討部会)の議事要旨
1 開催日時
平成18年3月1日(水曜日) 9時30分から11時10分まで
2 場所
京都府公館3階第1会議室
3 出席者
【委員】
谷本 圭子委員、 細井 浩一委員、 長谷川 彰委員、 坂東 俊矢委員、 西川 美津子委員、 児玉 保次委員、 小林 智子委員 、 (1名欠席)
【事務局】中村消費生活室長ほか関係職員
【傍聴者】2名
4 議題
条例改正に向けた検討(団体訴権対応方策の検討)
5 審議内容(結果及び主な意見)
「消費生活の安定及び向上に関する条例」改正の検討について審議
<主な意見>
不当取引行為
- 新規に与信行為に係る不当取引行為を条文を設けること。現行の「解除妨害又は履行遅滞に係る不当取引行為」を「履行遅滞等に係る不当取引行為」と「解除妨害等に係る不当取引行為」は条例上も分けるのが適当。
- 「勧誘に係る不当取引行為」について、勧誘行為は内容は多岐にわたっているが、分けるとかなりの条文数になる。また、どちらに分類したらよいのか分からないという不都合もでる。条例上はひとつとして、行為類型を規定する規則のところで常に細分類を意識して並べていく。府民への広報は小見出しを付けて一言で言えばこういうものを規定しているんだということが分かるように工夫をするということで進めるのはどうか。
- 現場の相談員とも話し合い、自分たちも参加して作ったよりよいものということで議論を引き起こし、更に今後につなげたい。
- 各消費者団体の意見も聴く機会を設けて、意見の反映が必要。
- 「勧誘に係る不当取引行為」の条例の文言について、条例を見たときに不当な勧誘類型がわかるように、今回追加した「不招請勧誘は不当」、あるいは「適合性の原則」までは入れにくいと思うが、「判断力の不足に乗じることも不当」ということも入れた方がよい。
- 「勧誘」の所は広く「例示の問題」や「等」の前にどういうことを書いていくかというの は他の所に比べると「等」が確かに多くなる。分けるのは一つの考え方だが勧誘行為と契約 内容という枠組みをどう維持するか検討が必要。
- 「契約の成立又はその内容について当事者間で争いがあるにもかかわらず、一方的に契約の成立又はその内容を主張して、これに基づく債務の履行を不当に強要する行為」となっているが、ここまで要件を書いていると明らかに不当なので「不当に」を入れる必要はないと思う。他にも、細かく見ていくといくつかあるように思うので、相談現場で、この文言が入っていないから事業者に言い逃れられるとか、この文言があるから狭くなるというような観点から意見をいただきたい。
消費者団体訴訟制度への支援
- 消費者団体訴訟制度を担う適格消費者団体の要件が、社会的に認知されることが大事。大阪に本拠地をおく消費者支援機構関西が、大阪府の消費生活センターに事務所を構えたことは大きな意味があり、実際には大きな財政的支援になる。
- 現在の府の訴訟援助制度は消費者個人への援助である。これを団体訴権にどこまで当てはめるか、あるいは将来的に何か余韻を残したような意見にできないか。現在の制度も公益性を考えた制度。団体訴訟制度は、趣旨としては今の制度と違わない。現行の消費者への訴訟の援助制度を対象を広げたような形が検討できないか。
- 団体訴訟制度で消費者団体が差し止め請求をすることは全く念頭においていないので、団体訴訟制度を念頭においた制度を将来検討すべきとするか、もう少し具体的に必要とするかどうか。
- 適格消費者団体は、すでに設立要件の中で一定の財政的裏付けがなければ適格消費者団体になれないので、むしろもっとポイントになるのは府、市町村や消費者センターなどと連携の取れる基盤をつくること。
- 行政が、消費者団体訴訟制度を担う適格消費者団体への具体的な支援や、そういう精神を持って働きかけていくことが非常に大切。
- 団体訴権が公的な役割を担うものということをきちんと位置付けていくのが大切。
- 情報の共有活用として、適格消費者団体が収集された情報を、行政が活用していくことも大事。そのあたりの仕組みができるようにする必要がある。
- 基本的には情報公開条例との整合性の問題があるが、消費生活条例の中に団体訴訟制度に関わる部分について情報公開の規定を重ねておくのも方法。
- 国から認められた適格消費者団体への情報提供ということを念頭においた制度を考えることが必要。
- 府のセンターでは、苦情相談等の情報の管理をコンピューターで行っているが、適格消費者団体というかなり大きなハードルを越えて認められた団体に対して、どこまで府の持っている情報をどう提供するかの検討が必要であり、情報提供について、スムーズに提供出来るシステムが必要。
- 適格消費者団体においても情報管理規定を議論されているが、消費生活条例の中できちんと位置付けておき、実際そういう議論を率直に動き出したときにやれる基盤を作っておくことも検討が必要。
- 一般的な消費者団体と、消費者団体訴訟制度によって認められる適格消費者団体と区別しながら条例に盛り込んでいくか、あるいは適格消費者団体という言葉を使わずに、単に団体訴訟制度が円滑に運営されるように支援するとかという形で区別して盛り込んでいくか。
- 消費者運動は決して訴訟制度だけではない。団体訴権は緊急の大きな課題となっていて行政との関係で一つの大きな柱であるのは間違いないが、決して適格消費者団体は、消費者団体の中心的な団体であるわけではないので。そこを間違えないようにしないといけない。
- 消費者団体訴訟という言葉を入れることは大切であるが、消費者団体訴訟という言葉が入ると消費者団体の支援というのは消費者団体訴訟だけなのかという話にならないように気を付けなければならないという問題がある。
その他
- 施策検討部会の素案の段階で各消費者団体の意見を聞く機会を持つ。素案を検討する機会が4月末か5月くらいに開催し、意見を盛り込んだ最終部会案をつくる。