平成29年度京都府日本型直接支払制度支援委員会の議事要旨
1開催日時
平成30年2月7日(水曜日)13時30分~16時
2場所
ルビノ京都堀川 アムール
(京都市上京区東堀川通下長者町下ル3-7)
3出席委員
(委員)星野会長、柏尾委員、金子委員、中村委員、藤原委員、松下委員
(事務局)農林水産部農村振興課、農産課
4議題
- 平成29年度の取組状況について
- 中山間地域等直接支払交付金に係る中間年評価ついて
- 環境保全型農業直接支払交付金に係る中間年評価について
5内容
(1)平成29年度の実施状況について
委員からの主な質問・意見
※それぞれの交付金について、下記のとおり略称を用いています
- 多面的機能支払交付金 → 多面的
- 中山間地域直接支払交付金 → 中山間直払
- 環境保全型農業直接支払交付金 → 環境直払
<質問>
- 平成29年度の取組状況について、多面的は減り、中山間直払は増えている。以前から中山間直払については大変でやめたいと聞いていたが、どこで増えたのか。また、多面的が減った一方で、中山間直払が増えるといった現象はなぜおきるのか。 →中山間直払が増加した地域は中丹振興局管内である。多面的は平成29年度で活動期間満了を迎えた組織があり減った。中山間直払については平成26年度の第3期対策から第4期対策への移行時に取組を一旦終了した協定を中心に復活している。なお、平成27年度から平成31年度までの3年間は取組が減ることはないが、平成31年度の対策期間終了時に、取組面積が減ると思われる。
- 多面的の長寿命化や、環境直払では、国の予算が不足しているとのことだったが、どんな影響があるのか。 →多面的の長寿命化では、計画していた更新や補修の一部ができなくなる可能性がある。(100m計画していたのが80mしかできないなど)環境直払では、予算不足により、取り組んでいる農業者に不信感が出てきており、活動を取りやめた農業者もいる。
- 多面的の長寿命化は要望額を満たしていないとのことだったが、要望の何割の予算割当となっているのか。 →9割程度
- 環境直払の取組面積は増加しているのに組織数が減少しているのはなぜか。
→交付金の対象が、平成23年~26年度は個人農業者となっていたが、平成27年度から農業者団体となった。経過措置で個人の取り組みが残っていたが、平成2年度に個人による取組者が団体組織化したため、取組数としては減った。
(2)中山間地域等直接支払交付金に係る中間評価について
委員からの主な質問・意見
<質問>
- 府の提案の中に、「多面的との統合」とあったが、統合することによって、交付金が平地優先で活用されないか、地域ごとのこれまでの使い方が維持できるのか。国に提案するには疑問が残る。
→制度の統合については、地域の事務負担の軽減に繋がると思い中間案に記載した。多面的の制度に、傾斜要件等によって中山間直払を加算措置とする制度になればと考えている。
- 集落アンケートの中で、制度の継続について、不要との回答が1%あるが、どういうことか。
→詳細については把握していない。
- 集落アンケートの中で、制度の見直しが必要との意見が3割あるが、具体的にどのような意見が出ているのか。
→事務の簡素化、高齢化率が高い集落への配慮(事業要件の緩和)、返還規程の緩和、交付単価のかさ上げ
<意見>
- 府の意見の中に、都市農村交流の課題として「マンパワー不足」が上げられているが、単なる労働力ではなく、コーディネーターやマネージャーなど、「外部と農村をつなぐ役」だということが分かるように記載すべき。
- 制度の一本化は、事務の軽減という面ではよいかもしれないが、交付金の減につながる恐れがある。制度の一本化を提案するのであれば、交付金を減らさない旨をしっかり書くべき。
- 傾斜地における農業は負担が大きい。国に対し対策の継続を求めるとともに、単価上昇を求めていくべき。
(3)環境保全型農業直接支払交付金係る中間年評価について
委員からの主な質問・意見
<質問>
- 化学肥料5割減が要件になっているができているのか。実際は5割減できているが申請が面倒であるということなのか。 →申請が面倒であるということはない。5割減の取組みが技術的に難しい部分があると考えている。野菜や果樹についてはまだまだ技術的に難しい面がありこれからの課題である
- 全体の数値目標や数値設定の実現はどうなのか。
→目標設定は来年度末である
<意見>
- リビングマルチについて、こういう作物だと栽培メリットがあるなど、具体的な例を示すなどで推進していかないと、リビングマルチをすればお金がもらえる、というだけでは取り組まない。
- 自己点検の客観的証拠がない。
- 現状取組面積が少ない取組について、技術を紹介するだけでなく、具体的な作物と技術のセットで推進していくことが必要。
- 有機栽培面積やエコファーマー栽培面積について、現状の面積が記入されていない。現状はこうであるが実態はこうで、どう努力するので伸びしろがあるなど、中間案からの見直しが必要ではないか。
- 中山間地域等直接支払の中間案のように、優良表彰のことも少し書いていただきたい。
(4)その他
委員からの主な質問・意見
<意見>
- 多面的において、市町村単位でまとまった方がよいと言われているが、広域化して市として一本化した場合、どこが活動組織の指導・助言をするのか気になる。機能が弱まっている中、市町村がまとまっていれば、何かあれば市が窓口になるとは思うが、このまま進めても良いものか考える余地がある。
- 広域化できるところは僅かである。広域化だけが解決策ではなく、人材派遣など他の対策も考えないといけないのではないか。
- 多様な主体のネットワーク化が必要。まとめることも必要だが、つながることも必要ではないか。