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平成24年8月1日 (水曜日) 10時00分から12時00分
ホテルルビノ京都堀川 「朱雀」
稲本会長、柏尾委員、桑原委員、日岡委員、宮崎委員
【事務局】
(農林水産部農村振興課) 松井課長、住谷参事、水口副課長、大島副主査、岡村主事
(1) 平成23年度の実施状況について
(2) 取組集落からの報告
(3) 中間評価の実施について
(1) 平成23年度の実施状況について
平成23年度の実施状況、京都府内の特徴について事務局から説明し、質疑応答・意見交換を行った。
<質疑応答・意見交換>
(会長)
本制度は地形条件が中心で設計されている。都市部からの距離や社会的・経済的な条件と実施状況関係は明確ではないが、京都市周辺と丹後では同じ地形でも条件は大きく異なる。その辺りを制度の中で考慮することができないか。
国の制度ではあるが、府としても検討してはどうか。
(事務局)
本制度は地形条件という要素が大きい制度となっている。都市部との距離を加味した制度設計等を国への要望を含め検討したい。
府としては過疎高齢化の進行した地域については「共に育む命の里事業」として本制度とは別事業ではあるが、地域の維持・再生を支援しているところである。
(委員)
京都府の実施状況を全国の実施状況と比較すると、集落の共同性が高く、共同取組活動への交付金配分割合も高いとのことであった。事務局としてはその理由がどこにあると考えているか。
(事務局)
京都府はこれまでから集落営農を推進してきた。また1戸当たりの経営面積が小さいこともあり、集団で、地域で、集落でというスタイルができあがってきたと考えている。
(委員)
京都府では過去から地域農場づくり事業で旧村単位での取組を進めてきたが、本制度では集落単位での取組が多い。もう少し広い範囲でまとめて行く方向には結びついていないのか。
(事務局)
地域農場づくり事業で複数集落での営農活動を進めてきた。本制度の中でも複数集落での協定が数は少ないが増えてきている。
(委員)
小規模・高齢化集落支援の加算に取り組む協定が近畿地方の中では京都府の割合が高いが、その理由は、過去からの集落営農推進の取組や共に育む命の里事業の成果と考えるのか、それとも、本制度における小規模・高齢化集落加算等の効果なのか。
(事務局)
共に育む命の里事業は複数集落で取り組むこととし、初めに集落同士の合意形成等のため、地域連携組織を立ち上げることになっている。その組織が目標を定めた里力再生計画を策定し、集落が連携して実行することとなっている。
そのような背景もあり、本制度の加算にも取り組めていると考える。
(委員)
共に育む命の里事業と本制度の加算に取り組む協定との重複はどれくらいあるのか。
(事務局)
例として挙げると、京丹波町の広野・大簾協定や与謝野町の滝・金屋協定が取り組んでいる。
(会長)
地域農場づくり事業については、京都府の誇れる施策の一つであったが、現在は廃止になっているのか。
(事務局)
今年度から「京力農場づくり事業」として、少し形を変えて実施している。複数集落の中で担い手がいる集落が他の担い手のいない集落の農地も借り受けるなど、広い範囲での営農体制構築を支援することとしている。核となる担い手を設定し、集落が連携した体制づくりを進めることとしている。
(委員)
都市部では空き家の問題があるが、農村部の農地においても同様の問題があり、農地所有者が不明となり耕作放棄地が虫食いのように発生していると思われるがそれを防ぐ仕組みはあるのか。強制的に不在者の農地を他の者が耕作できるような仕組みは考えられないか。
(事務局)
農村部においても空き家、空き農地の問題はある。それぞれ所有権があり強制的には難しい。耕作放棄については高齢化や都市部に移住した不在地主などの原因がある。集落との音信が不通になった場合など難しい場合もあるが、本制度を活用し、耕作放棄が発生しないよう集落で管理を行うことができる。
集落共同で農地を管理し、いつでも耕作が可能な状態を維持することが本制度の主旨である。
(2) 取組集落からの報告
京都市右京区越畑集落の取組について、集落共同取組や基盤整備など、本制度の交付金を活用した地域の活性化に向けた取組を京都市西部農業振興センターから紹介
<質疑応答・意見交換>
(委員)
集落の総世帯数とIターン者数はどれくらいか。
(西部NC)
総世帯数は48戸、農家戸数は35戸となっている。Iターン者については農家は1戸となっている。
(委員)
貸し農園は何区画あるのか。借り手が全てを行う方式か。
(西部NC)
現在は9区画。応募があればその都度増やす。農作業は全て借り手が行う方式としている。
(委員)
協定農家の年齢構成は。
(西部NC)
40代が1名、50代が6名、他は60代、70代となっている。
(委員)
観光で訪れる人も多いと聞くが、どのような取組をしているのか。
(西部NC)
観光については、隣の集落である樒原(しきみがはら)と併せて、宕陰(とういん)地区として京都市と連携してPR等に取り組んでいる。10月31日のハロウィンにジャンボカボチャコンテストを開催したり、土曜日等に星空観察会を行っている。今年は婚活イベントも行う予定である。
また、ソバが人気で、年間約2万人が訪れる地域となっている。
(委員)
小学校のクラス数はどれくらいか。
(西部NC)
学校は、小中併設となっており、生徒数は20人足らずと聞いている。
(会長)
通勤はどの地域に通う人が多いのか。
(西部NC)
亀岡市が最も多く、他では嵯峨に通う人も多い。
(会長)
地区の人口の動向はどのような状況か。
(西部NC)
地区から外に出て行く人は少ない。地元に働く場所があることで少なくなっているのではないかと考えている。
(委員)
法人である越畑フレンドパークのメンバー何人か。また年齢構成はどうか。
(西部NC)
メンバーは14戸となっている。50代が6戸、他は60~70代。
(会長)
大都市との距離により、兼業の状況などは変わると考えるが、当地域は人口が減少していないとのことであったが、その要因としては都市部との距離も大きいのではないか。
(西部NC)
通勤圏であることと、地区に働く場所があることが大きな要因と考える。都市住民との交流も行っており、中山間地域では恵まれた地域と考える。
(会長)
高齢化は進んでいるか。
(西部NC)
外からの移住者は少ないため、進んでいる。命の里事業の実施をきっかけに地元の将来について話し合う場ができ、その中でやはり外から若い人に移住してもらうこと考えるという意見もあったが、実際の動きには繋がっていない。
【まとめ】
(会長)
都市との距離により中山間地域でも状況が違うことがよく分かった。
「都市近郊中山間地域」の優良事例として、その状況がよく理解できた。
また、条件不利地におけるインフラ整備の重要性も、改めて認識できた。
(3) 中間年評価の実施について
今年度が3期対策の3年目であるため、中間年評価の実施年とされ、そのスケジュール、年度末に第2回の委員会を開催する旨を事務局から説明。
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