平成26年度京都府産業教育審議会の議事要旨
1 開催日時
平成26年9月3日(水曜日) 午後1時から同4時まで
2 場所
京都府立海洋高等学校 (宮津市字上司1567-1)
3 出席者
【委員】
森田 雅憲 会長、久保 善昭 委員、牧 克昌 委員、榊原 典子 委員、上田 雅弘 委員、
神吉 紀世子 委員、長谷川 清隆 委員、田村 真二 委員、野崎 治子 委員
代理出席(括弧内は代理出席者氏名)
小田 一彦 委員 (池垣 明彦 京都府農林水産部水産課長)
(5名欠席)
4 議題
(1) 開会
(2) あいさつ
(3) 副会長の選出
(4) 校内視察及び施設等見学
(5) 審議
ア 府立高校における職業教育の在り方について
(ア) 水産教育の在り方について
(イ) 農業教育に係る提言後の状況について
(ウ) 工業教育の在り方について
(エ) スペシャリストネットワーク事業の取組状況について
イ その他
(6) 閉会
5 審議内容(結果及び主な意見)
(1)副会長の選出
長谷川委員を副会長に選出
(2)審議事項
○職業教育(水産教育・農業教育・工業教育)の在り方について
- 生産技術を学ぶだけではなく、生産物や加工物をどう流通させるかという学習も必要である。
- 産業教育では、生産から消費までのプロセスを学ぶなど、基礎・基本的な学習も重視されたい。
一般的に、消費者は、生産から消費までのプロセスを知る機会がないため、産業教育において、このプロセスを見せる工夫をしたりアピールしたりすることで、安全な生活についての理解を促すことができるのではないか。
- 職業学科には、ソーシャルビジネスという観点での取組がもっとあってもよいのではないか。
海洋高校では、実習を通じて地域の方々と直接触れ合い、専門分野へのこだわりや将来の夢を育まれているように思う。
また、高齢化・過疎化が進んでいる地域において、教育投資を有機的に還元できる可能性を感じた。
○スペシャリストネットワーク事業について
- 海洋高校は、その土地・地域と学校とが一体化して立地しており、その立地を見るだけで、何のためにこの場所で水産に取り組むのか分かるという環境に存在している。
他の府立高校も、学校が周囲と切り離されて存在しているのではなく、周辺地域やその歴史の中に存在しているので、地域とともに取り組むという姿勢は、あれこれ理由を探さずとも腑に落ちるし、地域の中の学校としての役割意識も持てるのではないか。
- スペシャリストネットワーク校が相互に連携するときは、各学校の取組内容の紹介だけではなく、地域の中の学校という観点で相互に理解し、発信することが望ましいのではないか。
○就職について
- 大学等へ進学した場合、その後の就職先が、高校での専門分野に関連しているかどうか、追跡調査を行う用意はあるか。
高校でなされた基礎教育が、長期的にどのような成果を得ているのか、把握しておくべきである。
- 地元の漁業や農業を継いでほしいという思いがあるので、高校卒業後だけでなく、大学等を卒業した後の就職支援も検討課題とされたい。
高校で学んだことを生かせる職業に就職できるよう支援が必要である。
- 地元に人材を送ることにこだわるあまり、地元での就業者が少ないから実績がない、と判断してしまうことのないよう注意されたい。
- 職業に従事しているおとなが、仕事や就職の魅力を高校生に伝えることが望ましいのではないか。
- 海洋高校生の進路について、進学の場合、専門的な学部・学科等へ進学していたり、就職の場合、その7割が高校で学んだことに関連した就職先を選んだりしている。
高校での専門的な学習が生かされた進路選択は喜ばしいことである。
○その他
- 農林水産業は、就業するに当たって船やトラクタ等への投資が必要であり、行政による支援も重要である。
- 海洋高校の生徒に、就業先として水産業を選んでもらうためには、京都府の水産業が、若者に魅力ある産業であると感じてもらえるよう、活気ある産業であることが重要である。
- 農業・工業・水産に対する熱心な教育が紹介されたが、家庭など、それ以外の職業学科に対する取組も検討してほしい。
- 京都府北部地域の振興策を検討するに当たって、海洋高校が取り組むトリガイやイワガキの育成、トラフグの養殖等は、京都の産物としてブランド化が可能であり、心強い取組である。