平成22年度京都府産業教育審議会の議事要旨
1 開催日時
平成22年7月5日(月曜) 午前10時から11時30分まで
2 場所
ルビノ京都堀川 ひえい
3 出席者
【委員】
森田 雅憲 会長、的場 敏信 副会長、藤井 博夫 委員、十川 洋美 委員、上田 雅弘 委員、神吉 紀世子 委員、久木 久代 委員、野崎 治子 委員
代理出席(括弧内は代理出席者氏名)
今西 仲雄 委員(木村 祐一 京都府農林水産部林務課長)
(6名欠席)
4 議題
(1)開会
(2)あいさつ
(3)報告事項
ア 「職業学科及び総合学科の設置概要について」
イ 「府立学校キャリア教育推進プラン」に基づく充実施策について
(4)審議
ア 「府立高校における職業教育の現状と課題」
イ 産業教育審議会の運営方法について
5 審議内容(結果及び主な意見)
委員の意見の要旨
- 大学では、1,2年生はまだまだ職業意識が薄く、3年になり職業を意識すると同時に就職活動を始めるという感じであるが、どの程度高校段階で職業というものを意識しているのか。 看護師や教師など早くからキャリアイメージが明確になっている生徒については、インターンシップが有効にはたらいているが、一方で具体的に職業というものが見えにくくなっている状況もある。高校では、様々なキャリアモデルとなる方に学校にお越しいただき、生徒の意欲に火を付けるために、ご支援いただけたら大変ありがたい。
- 中学校でも職場体験学習を、また小学校でも田植え、稲刈り、工場見学等の体験的学びを行っているが、体験が体験だけに終わり、先見性がないものになっているところが課題である。学校というのは、学校から社会へ生徒をいかにスムーズに橋渡しをして送り出すかということが大事で、教員も生徒も、社会に出るということは働くことで、働くことが自己実現・社会貢献であるという意識を持ち、だから今勉強すると導く必要がある。学校現場の最終到達点は、就労であるということを意識しなければならない。
- 博士課程を修了された方の専門性でもすぐに陳腐化する。新しい技術や情報がどんどん出てくる時に大事なことは、基本に戻って、そもそもこれはどういうことかと考えることで、そういう力を持った方に企業としてはお越しいただきたい。
- 個人で勉強することと、学校で勉強することの違いは、「集団で学んでいる」ことだろう。お互いの存在価値・存在意義に気づき合えるような集団生活を送ってもらうことを学校に期待している。
- 今、農業に対する魅力が見直されているし、また、単に農業生産するだけでなく、どのように儲かる産業に仕上げていくかということについて、非常に国も力を入れているので、農業生産のところに軸足を置いて、加工・流通とメリハリをつけて教育していただくことを期待している。
- 農林水産業における人づくりとしては、農業法人や森林組合等で構成する「担い手づくりサポートセンター」を設立し、農林水産業への就職希望者に対する就業相談会や現場でのOJT研修を行っている。現場での基本技術を身につけ、経験を積み高性能な機械の操作を学んでいただくようになっている。さらに、林業については、森林組合等事業体が小さくそれぞれで教育することが難しいため、京都府が今年度「林業トレーニングセンター」を開設し、座学による研修を実施するとともに、就業者への技術レベルや目的に応じて学んでいただくようになっている。京都府の75パーセントが森林であるし、森林を守り育てることが、地球温暖化の防止にもつながるということで、非常に林業の社会貢献というのは見えやすい。高校生にも林業はいいなと思ってもらえるところがあるのではないか。
- 最近、親が学部学科の所属が不況の業界ではないかと心配して、入学して1,2ヶ月で転学科・転学部を申し出る学生みられるようになっており、学生への家庭からのプレッシャーというのを大学にいて感じるが、高校ではそのような保護者に対してどう対応されているか。保護者の過剰な心配を取り除くような対応を期待している。
- 社員が高校の出前授業へ行った時に、私語が多いという感想を持った。今の生徒さんは集中して人の話を聞く基本ができていないのではないか。府立高校には多くの税金が使われている。与えられている環境を当たり前だと思わず、最大限に活用することの大切さを学校でお話ししていただきたい。
- 大学でも私語は非常に大きな問題で、勤労観という以前に人間としての基本的なモラル・倫理が身についていない。そういう人間としての基本的な姿勢というものを早い段階から教える必要があるのではないか。