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平成19年度京都府産業教育審議会の議事要旨

1 開催日時

平成19年10月18日(木曜)  午後2時から4時まで

2 場所

京都府公館4階第5会議室

3 出席者

【委員】
岩下 正弘 会長、的場 敏信 副会長、小瀧  茂 委員、榊原 典子 委員、森田 雅憲 委員、大嶋 良子 委員、藤井 浩之 委員

代理出席(括弧内は代理出席者氏名)
山下 晃正 委員(田中 準一 京都府商工部次長)
黄瀬 謙治 委員(中村 昌博 京都府農林水産部農産流通課参事)
(6名欠席)

4 議題

(1)開会

(2)教育長あいさつ

(3)会長あいさつ

(4)報告事項
ア 「地域産品」等づくりを視野に入れ、大学や地元研究機関と連携した府立海洋高等学校の「丹後トリガイ」「トラフグ」等の養殖技術向上の取組
イ 「環境」を切り口に、生徒の発想・企画力を育成する府立桂高等学校の「桂・ナーサリーケース」(超節水型育苗器)等の研究開発実践
ウ 「府立学校キャリア教育推進プラン」中間案等について

(5)協議事項

5 審議内容(結果及び主な意見)

(5)協議事項

ア 協議題

今後の京都府立高校職業教育の在り方と充実の視点

イ 委員の意見の要旨

  • 桂・海洋両校の取組を聞き、本当に複雑なことを実践されていると感服した。他方、京都府のキャリア教育推進プランには、非常にいろんなことが謳ってあり、キャリアや自分で進むという視点と社会の変化に対応できる人をきちんと育てていく視点が述べられているが、これら育てられた優秀な人は、どういう層にどういう効果をもたらしているか分析をすることも大切である。
  • 大学での課題・解決型の学習は、学生の参加意欲も非常に高く、大変効果が上がっている。一方で個別のプロジェクトの個別の経験から普遍的で一般的な知識やノウハウに結び付けて行くための方法論を身に着けてゆく。個別の経験を蓄積し、汎用的なものへとつないで行く導きをどのように考えるか。
  • 桂高校の場合は、継続的なプロジェクトを作り上げ、先輩達の足跡を押さえてから新しいことやその引き続きをやるというようなシステムをとっている。そして、新しい部門に踏み込む場合には、相当、いろんな分野の本を生徒達が手分けをして読み、チームとして意見交換をする。
  • 職業専門科教育の場合には、かなり進んだ研究開発、研究実践があり、画一的ではない。非常に重点的で成果を上げているところは、今から20年ぐらい前に改革された時にその芽は出て、その芽がやっと開花しつつあるのではないのかなと感じている。一方、キャリア教育の場合、こういう専門の職業専門教育だけでなくて、多くの普通高校のキャリア教育をも念頭に置いているので、進学率が非常に高くなっている現在、大学卒業後の職業選択における状況も、20年前の状況とは違ってきているので、十分な配慮が求められる。
  • 桂・海洋の報告は、大変充実した内容で、よく考えられたプロジェクトである。これからの企業の生き残りというのは、これまで経済性だけで見られていたが、環境保全にどれだけ貢献しているか、地域貢献・地域連携をどこまで企業がやれているか、つまり、収益性・環境保全・地域貢献、この3つの視点が必要となってきていることから、プロジェクトを通じて、これらが生徒に浸み込んでいくような運営をしなければならない。このような観点からみると、基本的に両校の取組には感服した。
  • 府立学校キャリア教育推進プランは府立高校生のキャリア教育を推進する上でも必要だと思う。プランの中にも、インタ-ネットを活用して職業学科のことをもっと知ってもらおうとか、新商品企画開発にもつながるという横の連携が述べられているが、それによって、職業学科のことを多くの方に知っていただけることになるでしょうし、そういう高校へ行ってみたいという中学生も増えてくることにつながる。また、職業学科については、やはり地域に根ざした地域産業の活性化を目指す使命もある。
  • 地域連携をして、技術や知識をいただくだけではなく、学校の方から積極的に発信できるところまで技術を向上させて行くということも学校の自助努力として目標にすべきではないか。そういう地域貢献もある。
  • 商業科の生徒は、原価計算をやっているわけですから、例えば、水産物を商品化しようとした場合、原価計算から商業べースにのせるためには、どのようにしたらいいのか「生きた教材」として学べる。そのような水産系学科と商業系学科など、学科を横断した連携が非常に望ましい。また、大学には、リエゾンオフィスというのがあり、そこが新しい技術だったら、企業に話したり、或いは企業から開発の要請が来たら、それを関係の先生に投げかけることを一手に行っている。そのようなことを各高校のレベルでやることはできないので、府が特長をとりまとめて、各高校間にネットワ-クを作り、府に高校のリエゾンオフィスみたいなものを作って企業に情報発信出来るようなシステムはどうか。(注)「リエゾン」とは、「仲介、つなぎ、橋渡し」等の意のフランス語。大学と企業の橋渡しをして共同研究のプロジェクトの構築を行い、事業につなげること等を表している。
  • 京都府商工部では、府立学校キャリア教育推進プランにもあるように、丹後で人材育成拠点を作るということで、文部科学省と経済産業省との連携事業を組み入れながら、企業と地域の連携を図り、地域の担い手を協働して育てる試みを考えている。  
  • 農業・水産業の職業教育の中では、経済的な収益向上を目指した知識・技術面だけでなく、一次産業のもつ素晴らしさ・可能性を教える機会を設けるなど、農村での生活の豊かさも職業選択の一つと感じられるような授業もお願いしたい。また、京都府農林水産部では、若い農業者の養成を目的に農業大学校を設置している。農業大学校がこれまで以上に農業高校と結びつきを深め、農業改良普及センターや試験研究機関とも協力しながら、農業高校の三年間と農業大学校で学ぶ二年間による一貫研修教育の体系の中で、自営就農や農業法人への雇用就農による就業支援が進むことを期待している。今後とも、農業高校と農業大学校の連携をお願いしたい。
  • 小中高という中で、職業に興味関心を持たせるような教育を中学校としてキャリア教育の中で系統的に組み合わせていかなければならない。高校に入る段階で意識が高ければ、生徒は自分達でやっていくので、そのようにキャリア教育を充実させるためには中学校教職員の意識改革、研修をしなければならない。
  • 大学では家庭教育に携わっているが、高校生には、専門性を追求するとともに、いろんな可能性や実際の生活の中にいろんなものが生きづいているという幅広い視野をもって欲しい。いろんな側面から1つのプロジェクトを推進して行くという横の連携を強めることにより、職業系の高校生の視野を広げ、別の職業にも発展することも期待したい。

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