更新日:2017年9月7日

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第15回木津川・桂川・宇治川圏域河川整備計画検討委員会

第15回木津川・桂川・宇治川圏域河川整備計画検討委員会の開催結果

開催日時

平成27年3月20日(金曜日)午後1時から午後3時まで

場所

御所西 京都平安ホテル 「平安の間」

出席者

【委員】6名
井上 和也(京都大学名誉教授)
上原 真人(京都大学大学院文学研究科教授)
中村 久美(京都ノートルダム女子大学生活福祉文化学部教授)
羽倉 睦人(公募委員)
本郷 弥香(公募委員)
吉村 真由美(森林総合研究所主任研究員) 
(敬称略、五十音順)

【一般傍聴】 3名
【行政関係者】 12名
【報道関係】 1名

議事

  • 平成26年の出水状況について
  • 桂川上流圏域の整備目標について

結果

 桂川上流圏域の整備目標について説明し、概ね了解された。

主な発言内容

平成26年の出水状況について

【委員】
 日吉ダムがずいぶん効果を発揮しているがマスコミには注目されていないことについて、京都府としてどう思うか。
【事務局】
 出水直後にダムの効果を出水速報として発表しているが、少しPR不足かもしれない。今回の台風11号ではダムによって下流への流量を毎秒10立方メートルくらいにまでしぼった。嵐山の冠水被害は、こうした日吉ダムの洪水調節効果がなければもっと大きかったと考えられ、日吉ダムは大きな効果を発揮しているので、こうした効果はタイムリーに広報していきたい。
【委員】
 日吉ダムが通常操作をしていたら放流量はどうなっていたのか。
【事務局】
 下流の河川改修が未完成なので、今は暫定運用を実施している。平成25年台風18号は通常通り下流への放流量を毎秒150立方メートルとしていた。今回は貯水容量に余裕があったので、弾力的運用を実施した。
【委員】
 被災状況などの写真は日付があったほうが良い。時系列でわかりやすくなる。
【委員】
 本梅川は復旧できたということだが、どういう状況か。堤防道路は通常通りに通行できるようになっているのか。
【事務局】
 復旧は従前どおりの機能を回復し、通行もできるようになった。
【委員】
 日吉ダムは台風11号では弾力的運用だったが、今後どのように運用していくのか。弾力的運用を継続するのか。
【事務局】
 通常は毎秒150立方メートルの一定量放流が基本。弾力的運用ができるか否かは、雨の予測精度にもよる。今回は貯水位が低かったため、まずは洪水を貯めようという判断を行い、このように運用した。
【委員】
 今のご指摘は重要な内容である。弾力的運用は全国で試みられているが、雨の予測精度が高くなければ、とんでもないことを引き起こす可能性もある。非常に難しいと思っている。
日吉ダム調節状況のグラフなどは横軸に日付けと時間がわかるように示していただきたい。
【委員】
 園部川は被災後の応急措置はとられているが、今後どのように対策していくのかが重要である。

桂川上流圏域の整備目標について

【委員】
 嵐山の現在の流下能力は毎秒900立方メートル、平成16年台風23号規模の流量は毎秒2,300立方メートルだが、それぞれの確率規模を教えて欲しい。
【事務局】
 現況流下能力毎秒900立方メートルは3~5年程度。 平成16年台風23号規模の流量毎秒2,300立方メートルは、おそらく10~20年程度と思われる。
【委員】
 30年かけて、30分の1規模くらいを整備するということ。基本方針までいくとさらにその上まであるわけだが、嵐山が治水的にどれだけ厳しい状況であるかがわかる。
【委員】
 整備対象河川の抽出は論理的であると思う。近年の洪水被害という項目は、他の項目と比較して重要だと思われ、「丸付け」の比重が高いと思うが、他の項目と同等の位置づけで「丸付け」をしているのか。
【事務局】
 他の項目と同等の位置づけで「丸付け」をしているが、総合的に評価をしたいと考えている。
【委員】
 流域対策は川の話ではなくグランドなどの話になってくる。河川課だけではなく他部局との連携が必要になるが、すでに他部局には根回しができているのか。
【事務局】
 京都府では今年度から関係部局が集まり総合的な治水対策を進めていくこととし、条例策定作業をはじめている。学校、個人での貯留やかさ上げ、止水板などの耐水化もやっていただかなくてはならないと思っている。田んぼダムなどもこれから進めていきたいと考えている。川幅を広げるなどの河川整備だけでは治水安全度はすぐにあがらないので、関係部局、地域住民の協力を得ながら、流域対策について取組んでいきたいと考えている。
【委員】
 今後、なんらかの施設を作る際には、流域対策を実施するという枠組みがあるのか。
【事務局】
 今後の検討事項である。こうした流域対策の効果は定量的な評価が難しい。低平地などでは水がつかる地域であることを認識したうえで、自らの判断で逃げるということが重要である。行政だけではなく流域全員のご理解・ご協力で治水安全度を上げていきたいと考えている。
【委員】
 河川の抽出のところだが、「人口集中地区・天井川区間の有無」の項目は二つの条件が含まれていることになっているが、丸がついていても整備対象河川として選ばれていない河川もある。この項目は、「人口集中地区」かつ「天井川区間」という二つの項目のand条件に当てはまるものが選ばれているのか。
【事務局】
 丸をつけているのは、「人口集中地区」かつ「天井川区間」の有無でなく、「人口集中地区」または「天井川区間」の有無である。天井川として丸をつけているのは七谷川。人口が集中しているところや天井川は、被害が大きくなるという河川の現状評価として丸をつけた。
【委員】
 整備対象河川の選定手順は宇治川などの他圏域と同じか。
【事務局】
 ほぼ同じ。ただし、既往計画の有無など、圏域の特性に合わせて抽出項目を設定し提案している。
【委員】
 下流への影響力が大きい川は目標規模が設定しにくいという事情がある。小さい川はそこに豪雨が降っても下流への影響が小さく、ある意味、独立して考えても良いといえるが、大きな川は下流の状況も考えながら設定しなくてはいけないということが実情である。桂川上流圏域の目標規模の設定は非常に難しい。
【事務局】
 園部川の流域面積が大きく、園部川流域の雨が集まってくる時間と桂川流域の雨が集まってくる時間が近くになり、桂川本川への影響が大きくなる。つまり、洪水のピークが近いパターンになってくる。亀岡全体が727km2、園部川は127km2で約17%。通常、本川の流域面積に対して、5%の流域面積比で本川への影響が大きいといわれている。それと比較しても非常に影響が大きいといえる。このような事情から、園部川では上下流バランスを考慮して5年確率規模で目標を設定している。
【委員】
 桂川上流圏域は下流の嵐山や極端にいえば枚方を考えながら改修しなければならない。このとおりの整備ができるかは不明だが、嵐山という景勝地を含んでおり非常に難しい川である。そのような中で、亀岡の人たちは上流圏域を改修し、早く下流に流してほしいと思っており、非常に難しい。国と調整いただき早く改修を進めてほしい。
【委員】
 桂川は嵐山から下流は国管理ですが、ここが改修できないと、桂川上流圏域の計画は達成できない。京都府と国土交通省が協力しないとできない事業だが、少しでも早く国土交通省に事業を進めてもらう運動をしているのか。
【事務局】
 平成25年に嵐山では災害が発生し、国土交通省が河川整備計画の一部を前倒しし、堆積土砂の掘削などの対応が着実に進んでいる。今、嵐山の具体的な整備方法を検討しているところで、治水優先というものの、観光、景観に配慮した話し合いがなされている。河川断面を大きくするなどの対策を進めていけるよう国土交通省と協議、協力しているところである。

お問い合わせ

建設交通部河川課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-432-6312

kasen@pref.kyoto.lg.jp