京都府環境影響評価専門委員会の結果概要(令和元年7月30日(火曜日))
1日時
令和元年7月30日(火曜日)午前10時から11時45分まで
2場所
御所西京都平安ホテル「羽衣の間」
(京都市上京区烏丸上長者町上ル)
3出席者
【委員会】
渡邉委員長、上田委員、大下委員、勝見委員、黒坂委員、清水委員、田中委員、徳地委員、中尾委員、成瀬委員、布野委員、吉村委員
【関係機関】
京都市、宇治市、京田辺市、南丹市、久御山町
【事務局】
環境技術専門監、環境管理課長、その他関係職員
【傍聴者】
4名
4公開・非公開の別
公開
5議題
北陸新幹線(敦賀・新大阪間)に係る計画段階環境配慮書について
6議事要旨
- 事務局から専門委員会意見案を説明した後、専門委員会意見について議論が行われた。
- 議論の結果、専門委員会意見案を一部修正したものを、専門委員会意見とすることとされた。
専門委員会意見案(配付資料6)に対する主な修正意見
前文について
- 3行目「芦生研究林を回避した」について、事業実施想定区域は片波川源流域自然環境保全地域等も回避しているため、「芦生研究林等を回避した」に修正する。
2(3)水質・地下水・水資源に対する影響について
- 1点目の1~2行目「河川の水質に対する影響」について、工事中の排水及び完成した施設からの排水は河川だけではなく地下水にも影響するため、「河川・地下水の水質・水量に対する影響」に修正する。
- 2点目の1~2行目「事業実施想定区域では、豊富な地下水が生活や産業、上水道等に幅広く利用されている」について、地下水の質という観点も重要であること及び食文化を始めとした京都の文化は地下水に支えられていることから、「事業実施想定区域では、豊富で良質な地下水が生活や産業、上水道等に幅広く利用され、京都の文化を支えている」と修正する。
- 2点目の5行目「また、」について、「また、」以降は前文に記載された調査の方法に関する内容であるため、前文と並列にならないよう「その際、」に修正する。
2(4)地形・地質に対する影響について
- 1~2行目「本事業の実施による影響を回避・低減するよう検討するとともに」について、専門委員会意見案の「2 個別事項」は事業実施に伴う影響について示していること及び他項目では「回避又は極力低減」という表現を使用していることから、「重要な地形・地質に対する影響を回避又は極力低減するよう検討するとともに」に修正する。
- 2~3行目「可能な範囲で活断層等についても防災上の安全性の観点から検討すること」について、「可能な範囲で」検討することはどの項目でも同であること及び仮に弱める意図で記載している場合でも現時点で活断層についての検討を弱める必要はないことから、「可能な範囲で」という表現は削除する。
2(5)文化財に対する影響について
- 4行目「文化財の保存状態の悪化」について、直後の「当該影響」がその前の「列車走行振動による文化財への影響」と「地下構造物等の設置に伴う地下水流動変化により埋蔵文化財の保存状態の悪化」の両方を指すことが分かるよう、「文化財の保存状態の悪化といった影響」に修正する。
その他事業者に伝えるべきとされた事項
- 北陸新幹線事業による掘削発生土について、他の事業との連携を適切に図ることで、環境配慮を目指すべきである。事業者に伝えるとともに、こういった連携をしていただくことで廃棄物あるいは掘削発生土の発生抑制に繋がるので、京都府や関係市町でもこの点は共有いただきたい。
- 「今後の環境影響評価に係る状況報告を適時行うこと」という京田辺市意見があるが、これは非常に大事だと思う。環境影響評価法に基づく手続では意見を述べる機会が非常に少なく、状況報告を適時行い、誠意を見せていただくという点でも、ぜひ強調して御指摘いただきたい。
- 関係市町長意見の中で、八幡市や京田辺市、久御山町等から、市町域内の希少生物の分布域が配慮書の中で取り上げられていないという指摘がされている。市町村レベルでの希少生物の分布をヒアリングで把握し、ルート選定に活かすよう指導していただきたい。
今後の手続で対応すべきとされた事項
- 調査・予測に不確実性がある項目については、長期的な視点やモニタリングの実施等、調査等の方法を方法書段階で十分確認したい。
- 現段階では残土について検討しないように認識しているが、ルートの大半がトンネルとのことなので、発生する残土が埋め立てられるときに地下水や生物に影響することは間違いない。残土については、いずれ指摘する必要があるのと思うので、どこかのタイミングで計画を示していただき、どのように影響を把握し、回避するのかを検討していただく必要があると思う。
7配付資料
次第・資料(PDF:2,520KB)