京都府環境審議会総合政策部会・地球環境部会の議事要旨
1 開催日時
平成21年7月28日(火曜) 午前10時から12時20分まで
2 場所
京都府公館 「第5会議室」
3 出席者
【部会委員】
浅岡委員、井上委員、黄瀬委員、黒田委員、佐野委員、寺島委員、内藤委員、星川委員、本庄委員、槇村委員、松本委員、山本委員、横山委員(計13名)(うち総合政策部会委員9名、地球環境部会委員8名)
※上記のうち、次の委員は代理出席
星川委員(代理:黒田京都市地球温暖化対策室長)
【事務局】
石野環境政策監、新井環境技術専門監、柴田環境政策課長、越智循環型社会推進課長、奥谷地球温暖化対策課長、その他関係課員
【報道機関】 なし
【傍聴者】 なし
4 議題
新京都府環境基本計画(仮称)の策定について
<意見交換(主な意見)>
<計画の策定に当たって>
- 計画を固める前の早い段階で、府民を巻き込んだブレーンストーミングを実施しておくのも一つの方法。
- どれくらいの人員と予算を投入するのかといった議論も必要。
<目指すべき京都府の環境像・社会像>
- 21世紀半ばの京都府の環境像・社会像については、石油燃料が全てバイオマス燃料になっているなど、夢のあることも書いてもらいたい。
- 高い目標やわかりやすく納得できる理念を掲げて、産業界の理解も得られる内容とすべき。
- 「環境」は「明日の京都ビジョン」の中でも最重要テーマであり、京都府像を出しやすいテーマ。
- 政治的メッセージ性の強いビジョンを打ち出してほしい。
<温室効果ガスの削減目標について>
- 国の中期目標は、策定プロセスにおいて様々な限定を置いており、国際交渉において理解を得るのは難しい。
- G8ラクイラサミットでは、産業革命前からの気温上昇を2度以内に抑えるために、温室効果ガス排出量を2050年に先進国全体で80%以上削減することが合意されたが、これは非常に大きな進展であり、背景にはアメリカの変化がある。
- 温室効果ガスの削減ラインは、最初緩やかで年を経るほど急になると想定するのが自然。
- 温室効果ガス排出削減目標については、EUもアメリカも、原則として直線的な削減ラインを想定している。
- これまでの温室効果ガスの削減ラインがなぜこんなにも緩やかだったのか、ということにも目を向けることが必要。
- この20年間は「失われた20年」だった。この間、国は温室効果ガス削減のための有効な規制や経済的手法は導入しなかった。
- 舞鶴火電の位置づけも検討すべき。
<温室効果ガスの削減と自治体>
- 自治体の首長が、議会で何を言われても、責任を持って温室効果ガスの大幅削減に取り組むという覚悟ができるかどうかがポイント。
- オバマ大統領が提案している排出量取引では、排出枠の一部を自治体に与え、自治体はそれをオークション等で販売し、収入を得ることができる仕組みになっている。知事会が「地方分権」を主張しているのは大事なことだが、こうした取組にまで踏み出す決意が必要。
- 府ができることだけで削減目標を達成するのは無理。原子力、CCS等をどう取り込むのか、将来の夢の技術をどこまであてにするのか、といったことを検討すべき。
<施策展開の方向・計画の推進方法>
- 省エネだけで80%削減は無理であり、産業構造を見直す必要がある。産業構造の見直しは、仕事起こしにもつながる。
- 家庭で具体的にどのようにCO2を減らしていけばよいか、わかりやすく示すべき。
- エコオフィス、エココミュニティなどの取組や、ライフスタイルの転換など、京都だからこそできる取組を、トップランナーとして進めていかなければならない。
- CCSについては、処理のためのエネルギーが膨大であるほか、これを実施するとパラダイムシフトが遅れるという意見もあり、評価が分かれている。
- 農山漁村の再生と絡めて、吸収源、バイオマス供給源としての森林の整備等に力を入れるべき。
- 最近、けもの道が減少し、昼間でも鹿やイノシシが歩道を歩くようになってきた。台風23号の倒木も放置されている状況であり、農山漁村の活性化は重要な課題。
- 住んでいる市町村によって、ゴミの分別などの意識や考え方も違う。市町村の施策の影響は大きいので、この計画を市町村にどのような形で投げ掛けるのか検討すべき。
- この計画が、府民がもっと環境に関心を持つようになるきっかけになればよい。