京都府医療審議会・京都府医療審議会地域医療構想策定部会(第5回)合同会議(平成29年2月3日開催)の審議概要
開催日時
平成29年2月3日(金曜日)15時00分から15時50分
開催場所
メルパルク京都5階「会議室A」
出席委員
医療審議会委員
平澤会長、森 委員、松井委員、依田委員、清水委員、川勝委員、今西委員、多々見委員、堀口委員、中島委員、近藤委員、西脇委員、田野委員、田中委員、村岡委員、福居委員、木村委員、飯塚委員、八城委員、岡山委員
策定部会委員
荻野委員、大川原委員
オブザーバー
京都大学大学院 大坪助教、府歯科医師会 佐々木副会長
審議の概要
審議事項
京都府地域包括ケア構想(地域医療ビジョン)最終案について
- 概要について事務局から説明し、審議
- 事務局案を修正し、承認
<主な発言>
- 高齢者への対策が中心であるが、子どもも含めた府民全体まで含みを持たせ、また、調整会議での議論や全病院とのヒアリングの結果も踏まえ、地域包括ケアの視点からまとめている。
2025年を見据えた計画であることから、保健医療計画とうまくリンクさせながら運用していただきたいと考えている。
- 膨大なデータを分析し、全病院の意見もアンケートやヒアリングで十分聞いていただいた。私たちは参考値と理解している国の推計値はあるものの、地域の実態を踏まえたものにしていかなければならないと考えていた。
部会長をはじめ、多くの方に携わっていただき、事務局にもうまくまとめていただいた。
- 地域医療構想は病床を減らすことを主眼にしており、在宅医療をどうするのか、慢性期の患者のケアをどのように確保していくのかという視点が抜けていることを危惧していたが、京都府はこれまで取り組んできた地域包括ケアをより進めていくためのビジョンとして策定されたことを高く評価する。
- パブコメの中にも評価する意見が多くあり、今後これらを含めた声にどのように応えていくかが課題となる。
- 子どもの数がかつての半分になり、各方面で人材不足が言われている中で、医療・介護の人材をどのように確保していくのかも大きな課題である。
- 新専門医制度の導入に対しても、大学、府、医師会で連携しながらうまく進めていかなければならない。地域住民のためになる新専門医制度、研修制度にしていかなければならないと考えている。
- 京都市内は大病院が多くあり、必要病床数を細かく分類するのではなく、高度急性期と急性期を合わせてどのくらい、慢性期はどのくらいというように幅を持たせたほうがうまくまとまると思う。
- 京都市域の地域調整会議の参加者が一部の関係者のみになっているという意見もあるが、100近くの病院がある状況では日程調整すら困難である。それぞれの団体の代表者が、会員の意見を吸い上げた上で出席しているので、それで十分である。
- 全病院に対し、アンケート調査やヒアリングを実施するなど、たいへんきめ細かく意見を聞いていただいている。
- 他県の計画は、病院機能の分析のみで、在宅の検討が置き去りにされているところも多いが、京都府では地域包括ケアの視点から、在宅も含めて総合的に検討していただいている。
- 京都府内の医療は、比較的うまく相互連携が取れており、あえて新しい制度を導入して悪い形に変える必要はないが、高齢化が進む中で、それに向けた対策を強化していくことは重要である。少しずつ改善していく必要はあると思うが、今大きく変えていく必要はない。医療技術も変革していく可能性がある中で、病床数に幅を持たせることは正しい判断である。
- 18ページの上段の項目の3つ目に団体名が列挙されているが、看護協会も加えるべきである。
- 14ページに訪問看護ステーションの施設数が記載されている。施設数は毎年変動する。訪問看護の実態調査を毎年実施しており、28年7月の調査を見ても、医療依存度の高い方や認知症の方、看取りの対応など、24時間対応を迫られる状況が今後ますます増えてくると思われる。人員体制面でも、常勤看護師が5人未満の事業所が40.4%、5人以上7.5人未満の事業所が30.9%を占めている。
このような状況では今後在宅医療の需要には対応できないため、規模の大きな事業所を増やし、また、訪問看護師が安心して働ける労働条件を作り出す必要がある。今後は、事業所数だけではなく従事者数も調査してほしい。
在宅医療を担うのは訪問看護師であり、訪問看護師自身もその役割を自覚している。人材確保策として病院看護師からの誘導が検討されているようだが、病棟が減らない限り実現は難しいのではないか。
- 他県と比べ、薬局の位置づけを多岐にわたって記載していただいている。
地域住民の健康をサポートしていくための「健康サポート薬局」を地域に配置していくということが薬機法上も明記された。医療、介護、健康づくりの基盤整備を進めていくということであれば、健康づくりの項目に「健康サポート薬局」に関する記載を追加してほしい。
配布資料