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平成28年11月30日(水曜)午後2時から午後4時
ルビノ京都堀川「葵」
京都市上京区東堀川通下長者町下ル
○ 京都府では、私学にも相当数の子どもが通っている状況の中で、いじめの認知件数は公立に比べて低いと思うが、助言したりすることはあるのか。
● 私学も含め、広く関係機関で構成する「いじめ問題対策連絡会議」において、京都府のいじめの状況を情報共有し、公立学校の取組の情報提供、各機関の取組の情報交換を行うとともに、共同でネットいじめの講演会を開催している。
○ 生徒間暴力の件数や再犯率といじめとのリンクや、不登校の原因がクラスでの人間関係となっているようなものといじめとの関係についての分析はあるのか。
○ 生徒間暴力にいじめの視点が入っていない事例が見受けられる。被害者側から見たら「いじめ」の可能性もあり、被害者支援という視点から立体的な構造の中で教育相談や生徒指導に取り組む必要がある。
● 生徒間暴力は、本年度は減少傾向にあるが、いじめとケンカの関係について、いじめに該当しないケンカというのは限定的であるとの議論もあり、学校でもそのあたりを理解して把握していく必要がある。不登校については、前年度比では増加、千人当たりで見ると全国平均よりも少し下回る。いじめとの関係では、昨年度から、未調査者、特に学校に来ていない子どもの状況を丁寧に把握しようということで、取り組んでいる。
○ 「保護者や家族に相談する」が、全国に比べ京都は低くなっているのは、何か特定の理由があるのか。
● 京都府の場合、学校が行うアンケートで嫌な思いをしたと印を付けた子は必ず教員が対応するので、「先生と相談した」となり、保護者への相談にまで至らないケースが多いのではないかと思う。
○ アンケート調査を年1回しかしていない学校があるのは、気になる。複数回実施する必要がある。
○ いじめの解消について、京都府は認知が多く、解消も多いことは非常にいい形であると思うが、解消率が高すぎると感じる。第1段階の中でも解消していないものがかなりあるのではないか。被害者側の受け取り方をきっちり把握しているのか。京都府として、先駆けて何らかの方針や方向性を出すべきと考える。
● 解消率については、広くいやな思いをしたものからいじめとして拾いあげているので、高くなっているものと考える。解消については、国においても定義の明確化が議論されているところであり、それも踏まえて、検討していきたい。
○ いじめを認知していない学校が京都府にもあるが、本当にそうであるならば素晴らしいことだが、気付けていないと言うことであれば、対策が必要である。地域性や傾向の分析があれば良い。
● いじめを認知していない学校があることについては、小規模校などで実際にそうである場合も考えられるが、大規模校であれば危ない場合もある。そもそもいじめはあることを前提にして捉えていく必要があり、本当にないのかを引き続き丁寧に啓発していく必要があると考えている。
○ 少人数の方が、人間関係が濃密で固定化してしまうので、起こった場合、深刻化するケースもあり、注意が必要である。
○ 守秘義務を理由に何もしないまま放置されているケースや担任の若さや教員の多忙を理由に対応が遅れているケースが見受けられる。
● いろいろないじめの取組を行っているが、最後のよりどころとして、現場の教員の意識の高さ、アンテナを高く張ってささいな事象を拾って、適切に対処することが大切である。若手の教員も増えていることから、採用前の段階から、研修等の機会を捉えて、緊張感を持った意識付けに取り組んでいる。守秘義務については、被害者側が拘る場合があるが、それを盾に何もしないというのは基本的にあってはならないことだと考える。
○ 守秘義務に関しては、不登校の問題に関わって、文部科学省の方で、個人情報保護法や個人情報保護条例に照らして、子どもの福祉や安全のためという目的があれば、守秘義務や個人情報の保護に違反しないという例外項目の解釈の仕方が整理されている。そのあたりを学校現場にも周知する必要がある。
○ 若い教員の中にも感性のいい人もいるが、その一方でベテランの教員が過去のいじめの定義にとらわれて、相談しても組織として動けないようなことも想定されるので、法への教育やいのちの教育が必要である。
● それぞれの教員に経験値や考え方があるが、とにかく、これはいじめではないかという、いつもセンシティブな感覚を高めて、組織にあげていくということをさらに指導していかなければならない。そして管理職が、それを学校のいじめ対策組織で組織的に対応していくマネジメント能力が求められる。
○ 多忙な中ではあるが、自殺予防、いじめへの対応を日常業務の中で最優先の事項として位置付けるように促すことは重要なことである。
○ いじめで不登校的な状況になっている事案では、本当に校内で組織的に対応されたのか、教育員会に報告されたのか、重大事態の2号の定義に当てはまる可能性があることを認識して取り組んでいたのかが気になる。
○ いじめ対応において、校内の組織的対応、教育委員会との連携、そして事案によっては重大事態の可能性を考えておかないと、後手に回ると、他府県のようなことになりかねない。
○ 保護者対応等も含め、若い教員がベテランの教員から見て学べる職員室や学校の雰囲気があることが大切である。
○ 他府県で起こっている「原発いじめ」は、他の国であればレイシズムの一種になる。特定の集団に所属している人に対する執拗なヘイトの一種であり、学校が差別としてしっかりと教えていかないといけない問題である。
● いろんな事情で、休んでいる子どもへのケアができないまま、日数が経っていくと、30日が過ぎて重大事態になっていく。若い教員には、とにかく自分のアンテナをよく張って、先輩教員や管理職に伝えていくことの指導と、それを受け止めた先輩教員や管理職が法に沿って対応していく危機管理の指導をさらに徹底していくことが必要である。
○ 文部科学省も会議等の資料に具体的な事例を載せているが、現場の教員に伝えるには、抽象的な話よりも、事例をデフォルトして具体的にこういうことが起きた、こういう場合はこう考えてほしいというように伝えるのが効果がある。教育委員会として何か工夫が必要ではないか。
● 文部科学省では、依然として、全国的にいじめの捉え方に差があることを踏まえ、一般的に社会通念上いじめとはとらえられないようなものもいじめに該当するという事例を示して啓発しようとしている。京都府でも、年度当初に、文部科学省が作成した全国の教職員向け啓発資料を配付しており、今後も意識啓発に取り組んでいきたい。
○ 教職員研修などで、成功例、失敗例含めて具体例を紹介し、事例研究できるような工夫が必要かもしれない。
○ 重大事態のガイドライン作成が検討されているが、被調査者の意向との兼ね合いで調査委員会の権限というものがどうなるのかを知りたいところである。
京都府いじめ防止対策推進委員会 事務局 教育庁指導部学校教育課
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