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平成27年11月25日(水曜)午後2時から午後4時
ルビノ京都堀川「松」
京都市上京区東堀川通下長者町下ル
○ いじめられた児童生徒の相談の状況として、京都府は全国に比べて担任の先生への相談が増え、教員の側でも、校内研修や話し合いが日常的に行われるようになっており、学校の意識が高くなっていると感じる。
○ その一方で、スクールカウンセラーや保護者、家族に相談するのが、全国に比べてどの校種でも少ない。
● 京都府では、アンケート調査だけでなく、聞き取り調査をしているのが、他府県と違って担任への相談が多い要因であると考えている。スクールカウンセラーは、どちらかというと、不登校の子が相談するケースが多い。重篤な事案については保護者からの訴えがあることもあり、保護者との常日頃からの連携が大切であると考えている。
○ 解消について、京都府は96%だが、低い県だと70%程度と全国で差があるが、解消に関する位置づけが違うのか。こういう場合は解消になるというような定義的なものはあるのか。京都府として解消をどのように捉えているのか。
● 解消については、文部科学省でも定義はなく、学校に任せている。京都府で解消率が高いのは、ほとんどが次の日ぐらいには仲良くなっているような軽微なものが多いためと捉えている。経過を見て、引き続いて指導する必要があるようなケースは2段階にあげ、見逃さないよう集計されている。
○ 他府県では、一応解消していても、時間が経過してまた再発したり、別の状況が起きるというような事例も聴くので、各学校にこういうのが解消ですよという指針等を示しても良いのかも知れない。
○ 社会的圧力として、解消率に拘るがために、双方が本当の意味で納得していないのに、儀式的に仲直りして解消しましたというようなことにならないよう丁寧な対応が必要である。
○ 実態把握のための具体的な方法について、個人ノート、生活ノートというのがあるが、中学校で見ると、全国平均に比べて、京都府ではかなり低い。
● 個人ノート等を実施されている学校もあるが、それで把握することは難しいということもあり、アンケート調査を一律実施して、些細なものから、いやな思いをしたものを拾っている。その結果、アンケート調査によるものが高くなり、個人ノート等によるものは低くなっている。
○ だれにも相談してないという項目が気になるが、アンケートとの関係はどうか。
● アンケートの結果、いじめがあった場合に聞き取りを行う。そこで解決したかどうかを確認し、まだ解決していないとなれば、そこからが相談した件数となる。聞き取りの段階で、自分達で相談して解決した、誰にも相談せずに解決したという軽いものが多く含まれている。
● 個人ノートをやっている学校はあるが、勉強ノート的なもので、そこに自分の生活のことを書いたりするまでの活用はされてない実態がある。
○ 岩手県のケースでも、日常の指導があっただろうが、合間の記録として残っている生活ノートが表に出て、とても冷たい対応しかしていないように見られてしまうと、教員にとって指導しづらくなる。
○ スクールカウンセラーへの相談件数が少ないことに関して、不登校を中心に対応しているとのことだが、不登校、いじめ、虐待は関連していることも多く、学校内で得た情報を出し合い、研修することも必要ではないか。
○ 学校組織の中でスクールカウンセラーがどう位置付けられているか、まさに今言われているチーム学校になっているのかどうかにも関わる。いじめや対人関係で苦しんだ場合に、もっと早期に関わっていけるように、組織の一員として十分機能していく必要がある。
○ スクールカウンセラー等の中には、スクールソーシャルワーカーも入ると思うが、これは直接子どもに対応すると言うよりも、教員へのコンサルテーションの役割が大きいのではないか。スクールカウンセラーも含めた役割分担が議論されてもいい。
● 相談の状況を見ると、担任が飛びぬけて多く、スクールカウンセラーや親も含めてそれ以外はみんな全国を下回っている。中学校は全校配置もし、スクールカウンセラーも一生懸命やっていただいているので、もう少し分析が必要かと思う。
● いじめの件数に関わっては、2段階がいじめであるとの捉え方もあるが、京都府では、文部科学省との調整で、法律の条文にあわせて、いやな思いをした段階を報告しており、その結果、圧倒的に小学校が多くなっている。
○ 文部科学省も再調査をしたが、京都のやり方がリーディングケースでありモデルケースであると思う。
○ 1段階から2段階に拾い上げるものが学校によってまちまちではないか。結構深刻な事例が1段階扱いされていて、後で火の手が上がったり、オープンになっていないが、学校の先生方が苦労して対応されている事例も多いと感じる。
○ 一番期待されているのは、いじめ認知の問題だが、アンケート等で把握した時に、どのように学校内組織で検討・対応し、手順を踏んで、出口の部分として解消できるかというパッケージで捉えることも大切である。
○ 認知に関しては、本人の訴えがあれば,拾い上げるという姿勢が大切で、そういう面で京都は非常に広く拾っているが、解消の捉え方を検討しなければならないかもしれない。
○ いじめか遊びかの見極めには、普段から複数の目で見ることが大切で、学校におけるいじめの問題に対する日常の取組が大切である。子どもたちの世界はダイナミックに動くので、いじめについて、職員同士でいろいろ話し合ったり、研修等で具体のケースについて解消したかどうか検証する機会も大切である。
○ 大人の社会にもいじめやセクハラ、DVとかモラハラ等がある中で、社会に出た時の知恵として、大学に進学したり社会に出る前の段階である高校の時期に、いろいろな知識を持ち、自分の人権も相手の人権も大切にする人権感覚を養っておくことが大切である。平成28年度の取組について
○ 保護者向けのチラシは、多言語の外国語のものもあった方が良い。
○ リーフレット類の活用に関する指針のようなものがあれば良い。また、これらの資料が有効に役立っているかに関わって、学校でどのように活用したかの報告や結果が示される仕組みがあれば良いのではないか。スクールカウンセラーの活用も考えられる。
○ 校内研修での教職員用ハンドブックの活用についても、工夫や有効な活用の仕方を検討していく必要がある。例えば、グループワークやロールプレイを取り入れ、チーム学校としての対応方法を検証したり、加害側の子どもに関わって、アセスメントベースでその子がなぜ問題行動繰り返すのか、背景に何があるのかを取り上げることも大切である。
● いじめの定義というベース的な部分からきっちり押さえた上で、チェックリストでいかに子どもたちの変化を見逃がさずに、具体的にいじめているのを見たらどのように対応するのかについて、文章ではなく流れでもわかるように工夫して作っているので、若い教員が増えている中、初任者研修でも活用して指導してもらっている。
○ いじめには発達障害が関係するケースも多く、個々のケースで深い理解と個々に応じた解決のスキルという専門性が求められので、特別支援教育の推進が盛り込まれているのは良い。
○ 発達障害の中には、不適切な養育や虐待などを背景に抱えている場合も多く、そういう指摘も盛り込んで、違う視点からも対応していくのが良い。
● 数値目標として、いじめの認知件数を減らすのではなく、解消率を少しでも上げるように設定している。
○ 単に数値目標だけを上げるのではなく、教員の日々の関わりや支援が大切。そのためには症例研究やケーススタディ、ロールプレイで、教員がスキルを上げることが求められる。
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