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「京都府文化力による未来づくり審議会」(第9回)の開催結果

第9回議事概要(印刷版)(PDF:188KB)

1開催日時

令和5年4月24日(月曜日)午後3時30分~5時30分

2場所

京都ガーデンパレス2階「栄」(京都市上京区通下長者町上ル龍前町605)

3出席者

  • 審議会委員14名(欠席6名)

4審議結果

  1. 議事要旨

    1. 報告
      • 京都府文化力による未来づくり基本計画における事業進捗状況について
    2. 審議
      • 京都府文化力による未来づくり基本計画(第2期)について(文化芸術関係者ヒアリング「各分野に係る現状と取組」及び意見交換)
  2. 審議内容

    1. 関係者ヒアリング「寺院における文化財の保存・活用その役割」

      • 抽象画であろうが、写真であろうが、何でもAIができてしまう時代において、創作の意味とは何かという点について、事例をもとに紹介
      • 文化財を保護することとともに、若いアーティストに制作の機会を与え、それを今後300年400年と残していくことも重要
      • 近年デジタルアーカイブが多いが、この手法を続けると100年後のアートの教科書には、大手精密機器メーカーの名前ばかりが挙げられる時代になってしまう。人を育てることが大事
      • AIの時代に必要なキーワードは「圧倒的な独自性と真似できない蓄積」
    2. 関係者ヒアリング「京料理に係る現状と取組」

      • 京料理は、日本料理の最先端であることを目指して取組を続けてきた。
      • 京料理が各地域に伝播して様々な郷土料理ができたということで、日本料理の骨格を作ってきたと考えている。
      • 京料理を取り巻く環境は、和食のユネスコ無形文化遺産登録、文化芸術基本法の中に食が盛り込まれ、2021年には、CCNNという料理店の最高安全基準の作成、2022年には京都府とともに京料理の登録無形文化財登録に向け尽力する等、この20年で京料理の伝統と格式を積み上げてきた。
      • 京都だけでは情報発信が非常に弱く、東京のリソースを活用して発信していくことが重要
    3. 関係者ヒアリング「コンテンツ・メディア芸術に係る現状と取組」

      • 京都府文化力による未来づくり基本計画(第1期)が2019年の3月に策定された後の社会の大きな変化について、予定通りの変化は、文化庁の京都移転と25年の万博開催があり、京都にとって文化庁移転はナショナルな、万博はグローバルなチャンスなので、これをどう活かすかが大事。
      • 想定外の変化は、コロナ禍による急速な世の中のDX化と新しいテクノロジー(AI・メタバース・Web3.0)の二つがあり、文化的な表現もエンタメもオンライン・デジタルが中心になっている。この2つの変化により新しい文化領域が生まれる。
      • AIが爆発的な量のコンテンツを生み出すようになれば、人が生むコンテンツは貴重になるかもしれない。
      • 国の文化審議会の文化経済部会においてもグローバルやDXが重要なテーマであり、京都府文化力による未来づくり基本計画(第2期)においても、インバウンド・アウトバウンドにどう向き合うか、DXやメタバースなどの新領域をどう改革するかという問いへの打ち返しと考えられる。
    4. 意見交換

      • メタバースが非常に注目されるようになり、大きな位置付けになればなるほど、プライバシーやセキュリティー等、我々のリアルな大事なものがそちらに奪われてしまうのではないかという不安が高まり、どのように距離を置くか、どのようにその問題を解決していくかという姿勢が目立つようになった。しかし、メタバースをチャンスと考え、豊かな文化・産業を産んでいくという風に踏み込んでいくべきじゃないかという議論が起こっており、京都府で、メタバースというのはもっと自由な空間、自己実現できる空間であるべきではないかという、上位概念を出した「メタバース・トラスト・ステートメント京都宣言」が策定されている。
      • 「能」においては、その場の空気感、緊張感を感じていただくことを大切にしていきたいが、使えるものは何でも使いたいという立場でもあり、ネットワーク空間で、アバターになって能を解説するということを実際にやってきた。ただ、代替手段としてオンラインで満足されると困るので、本物へ導くための道具として使うことが大事。AIに関しても、活用することでさらに豊かな人間性を形成する方へ向かって欲しい。
      • 京都府文化力による未来づくり基本計画(第2期)においても、経済効果を上げることは大事だが、豊かな人間性を育てる未来づくりといったことが強調できないか。一番根源的なところ、人間が人間らしくあるという軸で文化を捉えたい
      • AI技術の進歩が目覚ましいが、逆説的にAIができないことを想定して考えるシンクタンクが必要ではないか。AIは言語なので、言語化できないものが非常に重要。人間が根本的にやるべきことを明確化させることも文化発信の一つではないか。
      • 小中高の教員に対する芸術活動(アート)の教育が必要と感じる。
      • インバウンドの方々がすごく日本の文化に興味があるのは、特にヨーロッパの方々は小さい頃から本物を見る教育を受けているからで、ともすれば日本人より日本の文化に関心が高いことがあり、日本人としてすごく悲しい思いを持っている。小中高生の教育で本物に触れる機会を取り入れてほしい。

5資料

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