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京都府の皆さま、こんにちは。今年も残すところわずかとなりました。私の任期もあと3ヶ月と残り短くなってきました。町ではクリスマスの飾りつけがみられ、クリスマスソングも聞こえますが、毎日30℃越えのサモアです。
さて今回は協力活動について紹介いたします。サモアには約50名弱(2017年)の日本人がいますが、ほとんどは青年海外協力隊員などJICA(国際協力機構)の関係者です。青年海外協力隊の職種は小学校教育、体育、理数科教育といった教育関係が多く、それ以外にも養殖、森林保全、歯科衛生士、栄養士といったボランティアがサモアで活動しています。
私は小学校教育の職種でレウルモエガという村の小学校で算数や理科の授業を中心に活動していますが、週に1回は首都(アピア)のサッカー協会で活動している日本人ボランティアの協力でサッカー教室を行っています。サモアの小学校では、「サモア語」、「英語」、「算数」、「社会」、「理科」、「保健体育」、「芸術」の科目がありますが、「保健体育」や「芸術」は、なかなか実施されていないという問題があります(サモア人の先生が受けた経験がないので、教え方がわからず、そのサイクルが続いてしまう)。体を動かす楽しさや、ラグビー以外のスポーツも知ってもらおうと週に1回の1時間だけですが、1年生から8年生の全児童参加でサッカー教室が行われています。村ではこういった機会は非常に限られているので、子どもたちは週に1回のサッカー教室をとても楽しみにしています。
サッカー教室の様子(子ども達と一緒に)
サッカーの様子(同僚であるサモア人の先生と一緒に)
1年生~8年生約100名の児童に対応するため、日本人ボランティアだけでなく、サモアサッカー協会のサモア人やナイジェリア人スタッフも参加してくれています。私もサモア語の通訳をしたり(ナイジェリア人や日本人スタッフは英語を話すので)、一緒に子どもたちとサッカーを楽しんでいます。年齢、性別、国籍などバラバラですが、「サッカー」を通じて良い関係性が参加者の間で築けています。ともに汗をかきながら、一緒に活動することが、友情や相互理解を深めるうえではとても大切なことだと感じます。このことは国際協力活動をするうえで、非常に大切なことです。
私の活動の目的は主に2つあり、1つは理科や算数の授業を実施して、児童の理数系の学力を向上させること、もう一つは同僚のサモア人の先生に効果的な理科や算数の指導方法を伝えることです。理科や算数の授業時間には限りがあり、こちらから一方的に働きかけてもなかなかうまくはいきません。いかに授業時間以外でも信頼関係を構築することが大事なことです。そこで、理科や算数の授業時間以外でも、同僚や児童とともに活動をすることを心掛けています。一緒に学び、一緒に歯を磨き、一緒に踊り、一緒に遊び、サモアの文化を尊重する。サモアに来た時は、いろいろと日本の文化や日本のことを紹介しようと思うのですが、まずはサモアの文化やサモアのことを知ることが大事なことです。
子ども達と歯磨き
子ども達と踊るサモアダンス
同僚と一緒に踊るサモアダンス
サモアの文化を受け入れることで、サモアの人たちも自分のことや日本のことを理解しようとしてくれるようになり、相互理解が深まります。信頼関係が構築されると、活動もスムーズになります。子どもたちは授業で協力的になり、学習意欲も高まりました。同僚の先生は、自分の意見を取り入れてくれるようになり、算数や理科の指導方法に工夫をするようになりました(サモアでは暗唱させたり、黒板に書いたことを子どもにノートに書かせるだけの指導が中心で、具体物を使うことが少ないです)。
子ども達と地球儀で探す日本の位置
同僚の先生が物を使って行う割り算の指導
協力活動は、助ける側と助けられる側という一方的な関係でなく、助けたり、助けられたり、ともに汗を流しながら一緒に活動していくことで、国や年齢を越えて、さまざまな人たちとこのような関係性を築いていくことが大事だと思うようになりました。サモアに来て1年半を過ぎ、サモアの人たちに助けられっぱなしですが、残りの任期で、少しでもサモアやサモアの人たちの助けになるように活動していきたいです。
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