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スマートフォンなどの情報端末の普及により、インターネット利用者の低年齢化が進む中、SNSに起因するトラブルや、児童ポルノなどの犯罪被害に遭う事例で、中学生、高校生が高い割合を占めています。京都府でも、児童ポルノ事件の被害者の4割が、SNSでのやりとりから被害に遭うなど、青少年のインターネットの使い方及び保護者の家庭での関わり方について対策が必要です。
当フォーラムは一連の取組を通じ、青少年と保護者のメディアリテラシー、情報モラルの向上と、インターネットに関わる問題を自分のこととして捉え、「自ら考える」機運の醸成を目的としています。
令和3年11月21日(日曜日)10時00分~12時00分
京都市立岡崎中学校
京都市立春日丘中学校
京都市立西賀茂中学校
京都府立鴨沂高等学校
京都府立嵯峨野高等学校
京都府立清明高等学校
京都府立福知山高等学校附属中学校(事前学習のみ)
京都府立西舞鶴高等学校(事前学習のみ)
京都府立高等学校PTA連合会会長
教師(京都市教育委員会)
警察(京都府警察本部少年サポートセンター)
兵庫県立大学環境人間学部 准教授 竹内 和雄 氏
オール京都で子どもを守るインターネット利用対策協議会
(事務局:京都府健康福祉部家庭支援課)
5月から6月にかけて、府内の中学生・高校生が何に、どのくらいインターネットを利用しているのかなどについてアンケート調査を行いました。(有効回答:5,883件)
ご協力いただいた先生、生徒の皆さんありがとうございました。
このアンケートの結果から、家で一番することがインターネットであること、インターネットに一番接続する機器がスマートフォンであること、インタネットで一番することは動画を見ることなどが分かりました。また、インターネットを4時間以上する人とそうでない人との違いについては、朝食を食べない、勉強に自信がないなど、生活面や勉強面に影響が及んでいることが分かりました。
この他のグラフはこちら(PDF:1,982KB)からご覧ください。
参加者はフォーラムに向けて、7月に北部会場(福知山総合庁舎)と南部会場(京都府立京都学・歴彩館)に集まり、インターネット利用に関するアンケートの結果を題材として、インターネットの適切な利用などについて考えるワークショップを行いました。このワークショップでは、2つの会場をオンラインで繋ぎ、北部と南部の参加者の意見交換も行いました。
ワークショップ後、参加者は学校ごとに国・自治体、保護者、先生、自分達などへの提言を考え、フォーラムでの発表の準備をしました。
京都市立岡崎中学校は、保護者、先生、自治体への提言と事前学習から思ったことや、これからの安全なインターネットの利用を考えたいと発表しました。
京都市立春日丘中学校は、「インターネットの有効活用への課題と取り組みについて」という題で、誰もが気持ちよく通える学校を目指し、インターネットに関する課題をどのように解決して目標を達成するかを考え発表しました。
京都市立西賀茂中学校は、インターネットに関するアンケートの自校の結果から全校生徒への提案を発表しました。
鴨沂高校は、事前学習で感じたことからインターネットのルールの制定や課題について発表しました。
嵯峨野高校は事前学習での感想と、自治体、先生、自分達への提言を発表しました。
清明高校は保護者と先生、自治体への提言を発表しました。
福知山高校附属中学校は事前学習を通して、学校で保護者や先生、自分達などへの提言を考えました。
府立福知山高校附属中学校の発表の概要はこちら(PDF:1,127KB)から
西舞鶴高校は事前学習を通して、学校で自分達、先生、自治体等への提言を考えました。
西舞鶴高校の発表の概要はこちら(PDF:1,073KB)から
各校の意見発表の後、パネルディスカッションを行いました。
参加校とパネリストそれぞれがテーマ毎に一番良いと思った提言を選び、選んだ理由や意見をそれぞれの立場から発表しました。
保護者への提言
子どもだからといって注意するのではなく自分達の使い方も見直してほしい
選んだ理由・意見
親も子育てを通じて成長するので、親と子どもの関係性とスマホの使い方を見直した上で、親として、子どもにあるべき姿を見せてほしい。【参加生徒】
小さい子どもにスマホを与えて放置している親を公園などで見かけることがある。年齢に相応した育て方をすることによって倫理面での成長を促すことに繋がると思うので、大人も使い方を見直してほしいと思う。【参加生徒】
ここでは発表された意見の一部を紹介させていただきました。
この他の参加生徒やパネリストの意見などは個別にまとめていますので下の項目から選択して御覧ください。
企業への提言は、フォーラムの開催時間の都合上割愛しております。
フォーラムに参加いただいた生徒の皆さんとパネリストの皆さんから
大人から一方的に押しつけるのではなく、一緒に考えていくことが大事だと改めて思った。【パネリスト】
これまで正しいと思っていたスマホの使い方を親などと話をして一生懸命考えて有効活用したい。【参加生徒】
今日のフォーラムを通じて、親や先生、自治体など様々な視点でネットとの関わり方を考えることができたし、様々な視点で考えることの大切さを知ることができた。【参加生徒】
自分だけ、先生だけ、保護者だけ頑張っても改善されないと思う。みんなで話し合う場をもっと作れたら良いと思う。【参加生徒】
など感想をいただきました。
ここではいただいた感想の一部を紹介させていただきましたが、この他の感想はこちら(PDF:245KB)にまとめていますので御覧ください。
昨年度に引き続き、本年度のフォーラムも、新型コロナウイルス感染症の影響によりオンラインで開催しました。
参加した生徒の皆さんやパネリストの皆さんから様々な意見が出されましたが、両方から「大人と子供が話し合ってルールを決めるほうが大切」という意見が目立ったように思いました。
また、「大人も自分の使い方を見直してほしい」とか、「保護者向けの講習をしてほしい」などの意見については賛同する生徒さんが多かったように思いました。
生徒側から見ると、大人も使い方が正しくないのに子どもに対して注意することができるのかということになるのでしょう。
中学生や高校生のお子さんがおられる保護者の方やそれよりも年代が上の方は、インターネットが普及し始める前に成人を迎えた方が大半だと思います。
当時のインターネットに対する印象は「ゲームの道具」「インターネットを使う人は暗い」など、正直のところあまり良くなかったのではないでしょうか。
このため、子どもからインターネットを遠ざけようとする気持ちが強く働き、子どもがスマホ等を使っているのを見ると「そんなことしてないで勉強しなさい」と注意する人も少なくないように思います。
確かにインターネットを遊びばかりに使うお子さんも多いと思いますが、今回のフォーラムを通じ、子どもが何のためにインターネットを使っているのかを把握した上で注意を与えたり、正しい使い方を一緒に考える必要があることが大切だと感じました。
GIGAスクール構想により、小学生、中学生は一人に一台ずつ端末が貸し与えられ、学校の授業だけではなく、家で宿題をする時に使ったりするようになりました。
これからはインターネットがあることが前提で学校の勉強や連絡事項の伝達が行われることになり、子どもが家庭で端末を使うことが当たり前になります。
このような時代を迎え、これからは子ども自身がインターネットの使い方を考え、選択し、困ったときには大人に相談できる能力を身につけなければなりません。
そのためには保護者の方もインターネットの正しい使い方について考え、自分の使い方を見直し、子どもの手本となる必要がありますが、自分自身がインターネットとどう付き合ったらいいのかよく分からない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような方はお子さんと、インターネットを何に何のために使っているのか、これからどう使っていったらいいのか話し合ってみてはいかがでしょうか。
きっとお互いの理解が深まると思います。
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