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令和6年度京都府起業支援事業費補助金【京丹波栗工房】

最高級和栗「京丹波栗」の魅力を発信!「京丹波栗工房」

(令和6年10月18日 産業振興課 白石)

令和6年度起業支援事業費補助金を活用して起業された若杉さんが、京丹波栗を活用した商品の加工・販売を京丹波町で始められました。

所在地:京都府船井郡京丹波町須知鍋倉32番1

京丹波町が誇る名産品「京丹波栗」とは??

――今回の事業の核となる京丹波栗の特徴を教えてください。

若杉)まず、「丹波栗」とは、京都を含む丹波地方で育つ栗の総称です。
奈良時代から平安時代には宮廷貴族への献上品等として栗づくりが盛んになり、平安時代の書物(「延喜式」)には丹波国の栗について記されるなど、京丹波栗は長い歴史を持っています。その後、研究や優れた栽培技術により、大粒で風味の良い栗が生産されるようになったのです。

そんな京丹波栗は、大粒で甘みが強く、ホクホクした食感が特徴で、栗の中でも最上級品として取り扱われています。また、京丹波町は土中に光合成を助ける効果がある良質なマンガンが含まれており、栗栽培において非常に適した土壌があるため、京丹波町で生産された丹波くりは特に大きく、甘く、そして美味しいと言われています。

――京丹波栗には1,000年前からの歴史があるのですね。
では、今回はどのような商品を開発されたのですか?

若杉)厳選された京丹波栗を京丹波町内の栗農家より直接仕入れ、丹波くりの風味の良さや甘みを生かした「京丹波栗きんとん」を開発しました。

 生産者から直接仕入れた生栗を選果し、良質な栗だけを蒸して半分に割ったものを手作業でさらに選別することで、高品質な商品が作り上げられます。手作業にこだわる理由は、機械を使用すると、どうしても傷んだ栗が混じってしまうので、全て目で確認して選別をするためです。
また、材料には栗と砂糖のみしか使用していないため、京丹波栗本来の風味やホクホク感を味わうことができます。

↑製造過程(蒸して半分に割った状態)

障害者の方とも協働した事業

――そもそも、なぜ栗で事業を??

若杉)実は、以前西宮市の職員として障害者支援の部署で勤務していたことがあり、その際の経験から、自ら障害福祉サービス事業を始めました。この事業所に京丹波町内の栗農家さんから「栗の皮むき作業」の依頼があったのですが、、、作業に手間がかかったことから約半数の栗を廃棄処分することになってしまいました。

 そこで、作業時間を確保するために栗の保存技術の開発に取り組み、特許を取得しました。その結果、生栗のままでは4カ月程度の保存が限度だったのが、約9カ月以上も鮮度を維持して保存することが可能になり、皮むきを依頼いただいた栗を廃棄することなく作業ができるようになりました。

このように、もともと行っていた障害者支援事業がきっかけとなって栗に関心を持つようになったのです。

――そのような背景があったのですね。

若杉)現在も、大阪にある障害者さんの作業場で栗の皮むきをしてもらっています。市役所勤務時代に知った障害者さんの収入が少ないという課題の解決にもつながるように、きちんとした給与での雇用を進めていきます。

また、将来的には、京丹波町の特別支援学校の生徒さんとも協働したいと考えています。

京丹波栗に特化した商品開発

――それでは、なぜ京丹波栗に特化した事業をされることになったのですか??

若杉)京丹波町の栗農家さんたちと交流する中で、人口減少や少子高齢化の影響を受け、京丹波栗の生産量も減少の一途をたどっていることを知りました。京丹波栗の生産量は、ピーク時(約40年前)の約300トンから、現在約30トンと約1/10まで激減してしまっているのです。

また、地元の栗農家さんたちから「生産した栗のほとんどが町外で使用されているので、京丹波町内で使ってほしい。また、地元で栗商品を通年で販売している店舗がないので、京丹波栗専門店をつくってほしい。」とのお声も聞いています。

そこで、地域活性化や、栗農家さんたちの希望に応えるため、京丹波町で事業をすることにしました。

↑京丹波栗ペーストと京丹波くりきんとん

廃棄される部分も活用?!

――栗の廃棄部分を活用した商品も開発されているとか。

若杉)神戸大学とともに、栗の廃棄部位を使用したパウダー化し、パウダーを活用した商品を開発中です。

廃棄部位には食物繊維や、血糖値や血圧上昇抑制作用のあるビタミンEが多く含まれていることが分かりました。このような機能を活かした栗パウダーを神戸大学と共同で特許の取得を目指しています。

今後の展望

――最後に、今後の目標を教えてください。

若杉)京丹波町は恵まれた大地を有していることから、栗だけでなく美味しい農産物がたくさん採れますが、少子高齢化により消滅可能性自治体の一つに挙げられています。

伝統ある京丹波町を今後も存続させていくためにも、人が集まり生活基盤となる魅力ある産業、つまり魅力的な働く場所づくりを行うため、将来的には京丹波栗を使った「観光地」づくりを行いたいと考えています。

このように、栗を「京丹波発」の地域資源として発信することで地域の活性化に繋げ、私たちの事業を通して京丹波町に還元していきたいです。

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お問い合わせ

商工労働観光部産業振興課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4842

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