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令和4年度京都府起業支援事業費補助金【御料理割烹 真たろ】

(令和6年12月12日 産業振興課 白石)

令和4年度起業支援事業費補助金を活用して起業された岡本さんが、令和4年11月に飲食店をオープンされ、開店2周年を迎えられました。

所在地:京都府南丹市美山町盛郷向山8-1

駐車場:5台程度

定休日:木曜日、第1・第3月曜日

ホームページ:https://miyama-shintaro.com

地元に密着した飲食店

―美山でお店を開かれたきっかけを教えてください。

岡本)もともと美山出身で、高校卒業までこちらで生活していました。高校卒業後、料理人になるという幼い頃からの夢を叶えるため、京都市内で15年間和食の料理人として働いていましたが、子供が小学校に進学するタイミングで美山に戻りお店を開くことにしました。

―お店のコンセプトはどのように決められたのですか?
岡本)お店をオープンする前の一年半の間、地域の方に「どのようなお店にしてほしいか」の聞き取りをしたところ、会席料理のような高価格帯のお店ではなく、なるべく単価が安いお店がいいとの声や、周囲にあまりない居酒屋がほしいとのご意見をいただき、参考にしました。

 また、美山でとれる野菜や、若狭の魚を使用した料理をお出ししているため、季節によって旬の食材でメニューを変えています。秋だと、海老芋のから揚げが人気で多くの方にご注文いただいており、これを目当てに来店される方もいらっしゃるほどです。実はこの海老芋は、知り合いの農家の方にお願いして、当店のためだけに作っていただいています。普段は万願寺唐辛子や黒豆などを栽培されており、海老芋は初めてだったそうですが、昔からご近所付き合いがあったこともあり、ご快諾いただけました。

海老芋

秋の人気メニュー 海老芋のから揚げ

―まさに地域に密着したお店なのですね。

岡本)開店前から地域の皆さんに「早くオープンしてほしい」と言われており、集客については全く心配していませんでした(笑)。むしろ、今まで会席料理のお店で働いていたため、一人でアラカルトメニューをこなせるかの方が心配でした。

 お客様は地域の方が多く、居酒屋として近くの企業さんの宴会でご利用いただくほか、40代から年配の方まで、幅広い年齢層の方にご利用いただいています。私は地域の消防団に所属しているのですが、消防団の活動を通じて地域の方にお店のことを知っていただくこともあり、地域の方との交流が集客にもつながっています。ちなみに、起業支援事業費補助金も、商工会の職員である団員から教えてもらいました。

 また、法事の際の仕出し弁当等をご注文に応じてご用意しています。小回りが利くお店なので、調理経験がほとんどなかったお寿司の注文があった場合などもお断りせず、注文される方の予算やご希望に応じて柔軟にご対応しています。

 なお、お昼は1組限定の予約制でコース料理をご提供しており、意外にも女子会の場として、美山町内のほか、京北や園部などからもお越しいただけています。お店を始めるまで想像していなかったので、女子会ニーズには私としても驚きました。

会席

秋のランチ会席の八寸(一例)

―近隣のホテルの食事もご担当されているそうですね。

岡本)2023年の7月に開業した「NIPPONIA 美山鶴ヶ岡 山の郷」では付近の4つの飲食店から朝食を選ぶことができ、その選択肢の一つとして当店を指定いただいています。そのため、宿泊された方からのご希望があった際の朝食のほか、夕食のリクエストがあった場合にもご対応しております。また、約8割は日本人の方ですが、外国人のお客様の場合は外国の方に喜ばれるメニューのご提供をしています。

獣害をなくして本来の美山の風景を取り戻したい!

―岡本さんはジビエに関するご活動もされているそうですね。

岡本)獣害による農作物への影響が増えたことがきっかけで、地元美山の先輩と一緒に「一網打尽」というジビエ解体、精肉の加工・販売業を9年前からしています。現在は獣害対策として多くの電柵が設けられていますが、昔はほとんどありませんでした。美山の風景には合わない電柵を将来的になくしたい、そのためにシカやイノシシを「一網打尽」にする、との思いで活動しています。

―「一網打尽」としての取組を教えてください。

岡本)基本的には、猟師さんからシカやイノシシを買い取り、精肉し、販売しています。現在は10名以上の猟師さんから買い取っていますが、鮮度命のため、猟師さんには狩猟後その場での血抜きをしていただくことをお願いし、その日中に解体をすることで臭みのないジビエに加工するようにしています。

 現在は、京都市内の他大阪や東京など、10箇所以上のレストランから購入いただいています。

―ちなみに、ご自身でもジビエ料理をお店で出されるのですか?
岡本)はい。自分で解体をすることで部位による特徴などが分かるため、調理する際に役立つだけでなく、お客様へご説明する際にも詳しく話すことができます。解体まで自分でしている料理人はあまりいないと思うので、貴重な体験をしていると感じています。

今後の展望

―最後に、今後の展望を教えてください。

岡本)今後は、お正月に向けたおせち料理の提供もしたいと考えています。お客様からもご要望があり、また京都市内で料理人をしていた頃の経験を活かしつつ、美山の食材を活用したオリジナルおせちをご提供したいです。

店内

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