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株式会社ユーサイド(京都企業紹介)

知恵の経営元気印経営革新チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業を紹介するページです。

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京都品質

無添加で美味しい調味料の専門メーカー

(掲載日:平成28年12月6日、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)

平成27年度元気印企業、株式会社ユーサイド(外部リンク)(宇治市)の久保田代表取締役会長様にお話をおうかがいしました。

無添加・品質本位で人にやさしく、美味しい調味料

まず、事業概要から教えてください

久保田) マヨネーズ、ドレッシング、炒め油、ぽん酢など各種調味料の卸業と、自らメーカーとしての製造とを行っています。研究部門、製造部門、ウェブ販売部門「優菜堂」など、総勢26名体制です。もともとスタートは卸業でしたが、研究開発を重ねてメーカーとしても事業を展開してきました。一部アイテムは共同研究先に製造を外注しているものありますが、自社ブランド品が約60アイテム、その他OEM品を含めると、約100アイテムに上ります。

―御社の調味料にはどういった特徴がありますか?

久保田) 素材の味と素材の醗酵より生まれる味を大切に、化学調味料や添加物に頼らない安全安心な品質本位の製品を開発してきまして、主に百貨店や高級スーパー等で取り扱っていただいております。例えば、友好企業と共同開発した当社オリジナルドレッシング第1作の「胡麻ドレッシング」は、素材を厳選し、ブレンドを重ね、71回目のブレンドでできあがりました。

―すごいですね。

久保田) まず、素材の卵については、厳選して、独自の手法で強健な鶏と安全な餌による養鶏を実践し、創業以来サルモネラ菌フリーの実績を続けている「セイアグリー健康卵」を使用しています。しかも、これを製造日に合わせて生産者から生卵を送ってもらい、鮮度を維持する為、製造直前に割卵し、黄身だけ使います。ちなみに残りの新鮮な白身は近くのケーキショップでおいしいお菓子作りに使っていただいていますよ。

―なるほど。

久保田) また、製法については、真空乳化機を用いることで乳化の大敵である酸化を完全シャットアウトし、一窯ずつ丁寧に製造しています。このように、美味しく安全でそして何よりも私どもの心がこもっているマヨネーズ、ドレッシングでして、「野菜嫌いのこどもが食べられるようになった」と、御購入いただいたお母様方からお手紙を頂戴したこともあり、大変うれしく思っています。その他のドレッシングやマヨネーズなどについても同様で、材料や製法にこだわって作っています。

小ロット多品種生産で、「こだわりの品」に応える

―高付加価値品ですね。

久保田) はい。大量生産大量消費の商品とは一線を画しています。OEMの御依頼についても、「差別化を図りたい」と願うメーカー様からお声掛けをいただき、その「こだわり」にお応えしています。しかし、安全と品質を最重視しており、洗浄、検査工程その他品質管理マネジメント上の判断から、一日の生産量に制限を設けておりまして、残念ながら発注のご依頼があってもお断りすることもあり申し訳ない限りです。

―「こだわりの商品」ということですから、必然的に小ロット多品種の分野であるわけですね。対応が大変だと思いますが。

久保田) そのために、割卵機も、真空乳化機も、撹拌機も特別に小ロット対応のものを揃えていますし、こだわり商品のために、小ロット多品種に特化し、連続式ではなくバッジ式の生産体制としています。商品が変わるたびにライン全てを洗浄し直し、コンタミネーションを徹底的に排除するなど、小ロットのこだわり品を作っていくには様々な手間と苦労がありますので、卸先様には売仕(売れた分だけの仕入計上)ではなく買い取りでお願いしていますし、OEM先様にはラベルシールの支給をお願いするなど、お互いに協力し合える、こだわり商品への思いを共有できるパートナーの皆様とお仕事をさせていただいています。

酒屋仲間のためから、世の中の健康と安全安心のためへ

―こうした無添加調味料、小ロットのこだわり品を志向された経過はどういったものだったのですか?

久保田) もともと実家の家業が「よろず屋」でして、父は紳士服、母は呉服、兄は制服を、そして私はお酒を扱っておりました。気の合った酒屋の仲間での勉強会で、「いずれ酒類製造免許が緩和されるぞ」という話になり、お酒だけでなく調味料も品質の良い物を売ろうということになりました。こうしてお酒屋の仲間のために、全国から良い調味料を集めて卸す会社としてスタートしたのが当社なのです。

―そうなのですか。久保田社長に白羽の矢が立ったのは何故ですか?

久保田) 私が、化学や生物が好きで、原料素材や化学に強かったということでしょうね。京都だけでなく他府県の酒屋仲間の会合でも講師に行きました。当時は今ほど高速道路網が整備されていませんでしたから、よく妻に帰りが遅いと心配をかけたものです(笑)。

―なるほど。「ところが」ですね。

久保田) はい。当時のものは、「○○の味」と謳っていても、素材というより化学調味料と着色料、果糖ブドウ糖液糖、香料、増粘剤等の添加物を多く使っている物が多く、そういうことならと自らメーカーとなって、無添加で安全安心なものを自分で作ろうということとしたわけです。最初は共同研究で外注先に依頼し、やがて自ら製造を始めました。おかげさまでこうして少しずつ大きくなってまいりました。有名人がSNSで紹介されたり、料理対決のテレビ番組で紹介されたりということもありました。テレビの時には、その後1年間くらいは生産が追い付かない程でした。

―課題や行政に期待することは何でしょうか?

久保田) そうですね。業界の事情として、当社の主要顧客である百貨店、高級スーパーなどの流通業が、今厳しい時代です。そういうことからも、販路開拓や、京都の商品を紹介するような展示会等の機会づくりなど、ぜひとも期待したいですね。海外との取引も増加してきているのですが、国によって規制も違いますし、そうしたご相談も含め、京都府の山城広域振興局には、いつも困ったことがあれば気軽に何でも相談させていただいており、とても助かっています。

 

現在、さらに驚くべき新技術の開発を進めてらっしゃる同社。今後の展開がますます楽しみです。

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商工労働観光部産業振興課

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