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知恵の経営、元気印、経営革新、チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業等を紹介するページです。
(令和3年7月1日、ものづくり振興課 牧、牧野)
食品製造業のソラアオ(外部リンク)(京都市)の福本代表にお話をお伺いしました。
―まず、御社の概要を教えてください。
福本)当社は、平成27年に京都市西京区にてイタリアンカフェレストランとして開業しましたが、それまでに、京都の洋菓子店をはじめ、レストランやベーカリーでパティシエとして勤務していました。その中で、私が求めている他にはないチーズケーキの味・食感を実現したいと思うようになり、平成29年からは、レストランの営業と平行して、チーズケーキの駅ナカでの期間限定販売や通信販売を開始しました。そこで、バイヤーやお客様から高い評価をいただき、平成30年には、チーズケーキを中心とした洋菓子の製造・販売へ事業を一本化しました。
-他にはないチーズケーキとは
福本)まず、素材は、鮮度や味わいを重視し、京都産の赤卵、北海道産薄力粉、クリームチーズ、バター、てんさい糖など1つ1つ厳選しています。例えば、北海道産のてんさい糖を用いることで、通常の砂糖よりスッキリした後味になります。
また、製法ですが、蒸気を用いた特殊なオーブンを用いて、温度・時間を独自に調整して焼き上げることで、ベイクドチーズケーキとレアチーズケーキの間の、他では味わえない食感を実現しています。
-地域の素材とのコラボにも取り組んでおられると伺いましたが。
福本)京都府内には、すばらしい素材や加工品がたくさんあります。そうした素材等とコラボレーションすることで、当社のチーズケーキを、より美味しく味わってもらえると思い、様々な方にご協力をいただいています。
-具体的には
福本)京都の老舗酒蔵 佐々木酒造様には、純米大吟醸「聚楽第」をご提供いただきました。当初は、上手く味を引き出すことに困難を極めましたが、アドバイスをいただきながら、何度も作り直して、ようやく素材を生かした納得いただける日本酒チーズケーキを完成することができました。
また、祇園辻利様には加工用の最高ランクの抹茶を、京都水尾農産様からは京都水尾の完熟した柚子を、京都のチョコレートブランドDari K様からは最高級チョコレートをご提供いただいているほか、わかさ生活様、丹波ワイン様ともコラボレーションさせていただいています。
この他、昨年には、丹波栗エルファーム大槻様の京都丹波和栗「栗峰」とのコラボ商品「丹波栗チーズケーキ」がテレビで取り上げられ、わずか2時間で予約が完売するなど好評を得ました。
-コロナの影響はいかがですか。
福本)京都駅では観光客が激減し、10分の1程度まで売上が落ち込んでおり、大きな影響を受けています。
また、これから迎える夏は、暑さなどからチーズケーキの需要が落ち込む時期で、更に厳しい状況となります。どうにかして、夏でもチーズケーキを味わってもらえる方法はないか、という課題がありました。
-そこで、『アイスチーズケーキ』なんですね。
福本)夏でもチーズケーキを楽しんでもらえるよう、2年ほど前から『アイスチーズケーキ』の構想を練りはじめ、試行錯誤を繰り返してきて、遂に完成しました。
-どのようなものですか。
福本)今回完成したのは、チーズケーキ味のアイスではなく、チーズケーキから作ったアイスです。
ただ、チーズケーキをそのまま冷凍するとカチカチになってしまいます。このため、一度火を通すなど特別な製法を一から開発しました。この製法により、溶けてもベチャッと液状にはならず、チーズケーキの食感を楽しんでいただけます。
-うーん、美味しい。更に、時間が経つにつれて、食感も変わって楽しさ倍増ですね。
福本)そうなんです。時間が経つにつれて、よりクリーミーで、なめらかな舌触りに変化します。
「出して直ぐ」「半解凍」「溶ける直前」の3つの美味しい食べ方を提案しており、お客様のお好みの食べ方を見つけていただきたい、と思います。
味は「プレーン」「抹茶」「チョコ」「苺」の4種類あり、一口サイズのキューブ型で、食べ比べもしていただけます。
-既に反響もあるそうですね。
福本)クラウドファンディングという形で先行予約を6月にはじめましたが、すぐに目標額に達成しました。7月中頃からは、当社オンライン等で一般の注文も受けることにしています。
-忙しくなりそうですね。
福本)そうなると嬉しいですね。
これまで、お客様からご注文いただいても、生産能力が追いつかず長い時間お待たせすることが多かったため、京都産業21の「小規模製造業設備投資等支援事業」を活用して、充填設備を新たに導入しました。製造能力を強化することにより、少しでも早く、お客様に商品をお届けしたいと考えています。
-今後の展望はいかがでしょうか。
福本)当社のこだわりや強みを大切にしながら、地域の食材を用いて新しい商品を今後も提供していきたいと考えています。少し大げさかもしれませんが、弊社のチーズケーキとのコラボを通じて、京都の食材等が、全国の多くの方に知っていただき、産地と一緒に元気になっていければ、と思っています。
次は、「野菜」とのコラボレーションに挑戦していますので、お楽しみに!
-今後がますます楽しみですね。
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