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有限会社中井製茶場(京都企業紹介)

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日本茶で世界をつなぐ ー有限会社 中井製茶場

(令和6年1月17日更新、ものづくり振興課 恩地・御厨)

会社外観

 有限会社 中井製茶場(外部リンク)(和束町)の川端様にお話を伺いました。

 

350年続く老舗製茶場の有機無農薬栽培への挑戦

―まず、会社の概要を教えてください。

当社は元禄時代から350年7代にわたって「和束茶」の生産をしており、現在では生産から加工・販売までを一貫しておこなっている会社です。社員は15名で、当社が製造している茶園は約20ha、サッカー場でいうと約20個分の面積を有しています。

―御社のお茶の特徴は“有機無農薬栽培”にあると伺いました。

はい。現在、お茶の海外需要は拡大しており、海外へ輸出していくためには有機や無農薬であるということが重要であり、特にEUでは輸出規制をクリアする上ではほぼマストとなっています。当社は350年前に創業し、有機無農薬栽培は約40年前から取り組んできました。

―40年前からですか!まだ有機や無農薬ということにあまり馴染みがなかった頃なのでは、と思うのですが、なぜ有機無農薬栽培を始められたのですか?

現在の会長が、ある日畑で作業をした後に体調が悪くなったことがあり病院へ行ったところ「残留農薬」が原因という診断を受けました。その際にこのままでは同じように作業をしている家族やお茶を飲んでいただいている購入者の方にも同じように農薬の影響がでるかもしれない、と考え有機無農薬に移行することとなりました。

―なるほど、美味しく安全なお茶を届けたいという思いからなのですね。ただ有機無農薬でのお茶の栽培は今でも難しいというお話を聞きますが、当時、反対等はなかったのでしょうか。

最初はなかなか難しく周囲からの反対もすごかったと聞いています。有機無農薬栽培は害虫被害に加え、隣の農薬を使用している畑と4メートルの間隔をあけることなどの制約もあり、通常の農薬使用のお茶を栽培するより作業効率も落ちてしまいます。しかし、いつか有機無農薬のお茶が求められる日がくる、ということを信じ作り続けたところ、40年経ち肥料等のノウハウも蓄積され、今の美味しく安全なお茶を生産することが可能となりました。

 ネットの下の茶畑 茶葉 

お茶をきっかけに和束を世界に

―現在は有機無農薬のお茶を海外にも輸出されていると伺っていますが。

はい。現在は北米・ヨーロッパ・東南アジアなど24カ国へ輸出をしております。

―24カ国とはすごいですね。営業などはどうされているのでしょうか。

実はこちらから営業をかけているわけではなく、インスタグラム等のSNSを通じて当社の茶畑やお茶の情報を発信しています。すると海外のバイヤーからお声がかかり和束まで買い付けに来てくれるんです。

―和束までですか!?それは海外からの需要の高まりを感じますね。

和束町は人口3,400人ほどですが、茶農家が約300件ほどあり谷のようになった地形に茶畑が広がりお茶作りに適した奇跡のような村(集落)だと感じています。海外のバイヤーもこの景色を見て感動し、そしてさらにお茶を飲んでいただくことで美味しさをより感じていただいているのではと思います。

ドローンと茶畑   夕日と茶畑

―なるほど。御社のお茶を飲ませていただきましたが、とても濃いですが苦みが少ないですよね。

はい、特に抹茶は濃ければ濃いほど苦みが出てしまいます。ですが、当社の抹茶は濃くても苦みが出ないのが特徴です。また、ホワイトチョコのような滑らかさがあり、少し焙じたようなくりっぽい香りがするという表現をされるお客様もいらっしゃいます。

―抹茶と言えばお菓子と一緒に食べて苦みを和らげるようなイメージだったのですが、日本人の私でもイメージが変わり驚きです!

お茶 お茶缶

―たくさんのお話、ありがとうございました。最後に、今後の展望をお聞かせください。

お茶は日本文化の中心にあるものだと感じています。なので引き続き海外へ輸出の拡大もしつつ、この和束という地域へのインバウンド観光というところにも力を入れていきたいですね。もちろん当社だけでは難しい部分もあるので、地域一体となってなにかができないか、ということを考えていきたいと考えています。また、今後はお茶の製造においても脱プラスチックや省エネといった環境へ配慮した手法が考えられないかということを模索しているところです。

―脱プラスチックや省エネ等についても考えられているとは驚きました。今回お伺いして、美味しいお茶をつくられているだけでなく、お茶のもつストーリー等、背景をとても大事にされているのだという印象をうけました。

これからもぜひ美味しいお茶を世界へ届けていただきたいです、御社のこれからの活躍を期待しております!

カフェ

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商工労働観光部産業振興課

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