ここから本文です。
知恵の経営、元気印、経営革新、チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業を紹介するページです。
(令和3年9月15日更新、ものづくり振興課 足利)
株式会社伊藤軒(京都市)と若林株式会社(sousou) (京都市)が合同で、2020年9月15日、清水・産寧坂に新ショップオープン!
9月14日に行われた内覧会の様子
伊藤軒さんの「おいしさ」と、sousouさんの「デザイン」の融合
(京都府・京都産業21による2021年度新事業「企業連携型ビジネス創出支援補助金」を活用)
(掲載日:平成30年7月18日、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)
株式会社伊藤軒(京都市伏見区)の中井代表取締役にお話をおうかがいしました。
―初めておうかがいしたのですが、老舗和菓子屋さんのイメージとかけ離れた、とってもおしゃれな店舗ですね。しかも、平日の朝なのにすごい数のお客様!
中井) 3年前に本社工場併設ショップ&カフェとして「菓寮 伊藤軒」をオープンしました。ショップでは和菓子にとどまらず洋菓子の提供、カフェでは野菜ソムリエが提案する野菜ランチなど、地域の皆さまの憩いの場として使っていただけるよう、日々考え努力してまいりました。これまでの3年間で延20万人のお客様にご来店いただき、お隣の山科区の人口が13万人だとお聞きしておりますので、この有難さと重みを感じております。。
―このお客様の支持が全てを物語っていると思いますが、御社の特徴について、少し教えてください。
中井) そうですね。1つは、ラインナップの多さですね。年間1400品目、常時でも500品目のお菓子をご提供しており、このように和菓子全般を取り扱っているのは、業界でも大変珍しいと思います。
―どうして御社は、それだけの品数を扱えるのですか?
中井) それをお求めのお客様がいらっしゃるから、ということに尽きてしまうのですが、下請OEMを長くやってきた中で、スーパーさん、百貨店さんからもお声が掛かり、こうした様々なお客様層、マーケットに対応していく中で、結果としてラインナップが増えてきたというのが実態です。
―そうなのですね。
中井) 2つ目の特徴は、「手仕事」を大切にしているということです。
―手仕事ですか・・・
中井) たしかに、差別化要素ということでは、手仕事そのものは、当社だけが謳っていることではありませんね。しかし、手仕事の大切さについては、分かりやすい例で言いますと、焼肉を思い浮かべてください。コンビニ等で売られている焼肉弁当は、焦げもなく普通においしいです。しかし自分で焼くときには、自分の五感を活用して、焦げるか焦げないかなど、様々な要素をギリギリのところで判断して、焼きますよね。そうした方がおいしいですよね。それと同じことだと思っています。
―ぎりぎりで見分ける、ですか。
中井) はい、たとえば、かりんとう。かりんとうの生地は、小麦粉、砂糖、卵を混ぜ合わせて練るのですが、気温、湿度が多少違うだけで、練り方も変えていきます。そして190℃の油で揚げるのですが、職人はその間、熱い窯にじっと向かって、わずかな変化を見逃さず、こげないように、それでいて香ばしさを発揮する、ぎりぎりのところを見極めて油から上げるのです。
―なるほど。御社のホームページでもたくさんの「手仕事」をご紹介されてらっしゃいますね。豆せんべいの記事を素早く一定量を絞っていく作業も、慣れるまでに一年以上かかるのですね。
中井) そうなんです。鉄板をくるくる回転させていく作業も簡単そうに見えますが、この鉄板が実は5kgと重く大変なんですよ。
―この「八ツ橋どら」。これは、八ツ橋をどら焼きで挟む?!なんか突き抜けてますね(笑)
中井) 八ツ橋とどら焼きの出会いです(笑)。一見ハンバーガーのように、生地からちらっと顔をのぞかせる八ツ橋がとてもかわいいでしょう!
―では、今後の展望についてはいかがでしょう。
中井) 1864年に創業し、私で5代目になります。おかげさまで、従業員も130名を超えるまでになりましたが、時代はどんどん変化しています。つい先日も食品衛生法が国会で審議され、2020年の東京五輪までのHACCP対応について一定の方針が示されるなど、日本の食文化を海外へ展開させようという動きも進んできています。こうした変化もしっかり見据えながら、和菓子の良さを様々なお客様に伝えていきたいですね。
今後の展開から目が離せませんね。
お問い合わせ