ここから本文です。
知恵の経営、元気印、経営革新、チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業等を紹介するページです。
(掲載日:平成28年7月4日、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)
株式会社エーゲル(外部リンク)(京都市右京区)の伊豆田社長にお話をおうかがいしました。
―総合メディアサービス事業をされてる会社と言いながら、以前から、むしろ枠にはまらない、幅広い活動をされてらっしゃいます。
伊豆田) 地域の人、モノ、コトの魅力をアゲル(上げる)ということがしたいのです。そのアゲル(ageru)が会社名エーゲル(agelle)の由来でして、地域の魅力の発掘・発信や、地域と企業等を結び付けて商品開発をするとか、様々な活動をしています。従来はアウェー感もあったのですが、最近はおかげさまで、地域に目を向けてくださる企業様も増えてきました。
―理事長でらっしゃるNPO法人「子育ては親育て みのりのもり劇場(外部リンク)」とはどういう役割分担でしょうか?
伊豆田) エーゲルは、裏方として地域や企業をサポートする部門で、みのりのもりは、右京区で自ら実践する部門です。
―ではまず、商品開発について教えてください。最近はどんなものを開発さていますか?
伊豆田) 先日、ラスベガスで開催された「WORLD TEA EXPO 2016」に、「NAGI COFFEE(Tea Coffee)」を出展してきました。「Cool!!」との声を多数いただくなど大変な盛況ぶりでして、帰国後もサンプル提供の依頼が続いています。
―どういったものでしょうか?
伊豆田) コーヒーに宇治茶をフレーバーとして加えたもので、お茶のラインナップは、いずれも京都産のほうじ茶、番茶、煎茶、そして今回のWORLD TEA EXPOへの出展をきっかけに新たに開発した「オーガニックバージョン」があります。西陣のコーヒー焙煎職人さんと、宇治茶の銘茶をつないで生まれた、まったく新しいコーヒーで、製茶工場直送の宇治茶と、世界中から取り寄せた選りすぐりのコーヒー豆を丁寧にブレンドしています。
―珈琲のおいしさと、後味にお茶の香ばしさ、すっきり感があり、あっ、なんかはまりそうです。まさに「和コーヒー」ですが、ネーミングの由来は何ですか?
伊豆田) 和コーヒーの「和む」、それから、「京都府の鳥・オオミズナギドリ」を掛けています。現在、清水焼によるコーヒードリップも開発中で、「宇治茶×コーヒー×清水焼」のコラボレーションを、ラスベガスで世界にアピールしてきました。
―京都にとってもありがたい話です。
伊豆田) 西陣の関係では、「OBI・RE」と言って、「帯」をリサイクルし、ハンドバッグ、ワインボトルバッグ、三味線バッグにしたり、ということもしていますよ。
―また、NPO法人の事業では、地域の魅力の発見・発信では、嵐電パトトレインをプロモートされたり、フリーペーパー「右京じかん」の発行、インターネット放送局「右京コミュニTV」など、様々なことをされてますね。
伊豆田) 「右京じかん」だけでなく、各地域のNPO法人や有志のチームに発行元になってもらって「北区じかん」「下京じかん」「山科じかん」「南丹じかん」など他地域にも拡大しています。「右京じかん」の最新号でも紹介していますが、嵐電パトトレインオリジナルチョコから始まった、「わらしべ」で、ついに「土地付き家屋」にたどり着きました。地域の方々とこの物件をどう有効活用しようか一緒に考える会も立ち上がりました。
―すごいですね。
伊豆田) 最近では、大垣書店様のKotochika御池店に、本ではなく「雑貨」を置いていただくギャラリーBOXコーナー「KYOTO KURIBO」を設けて、作家さんらの展示販売をサポートするといったこともしています。
―どうやっておもしろい発想に至るのですか?
伊豆田) そうですねえ、梅小路公園の「市電カフェ」を設ける際には、「市電」の気持ちになりきって考えて、「長い眠りから覚めた懐かしの市電は、再び走り出したい気持ちが満々なはず。そうしたら、車内に植木鉢とかは、置いてほしくないはずやなあ」とか、かなり妄想モードに入りますかね(笑)
―みのりのもり劇場は、もともと本当に劇をされてらっしゃったのですね。
伊豆田) 子どもを幼稚園に通わせている時に、子育てに悩む親御さんたちを見て、劇で、笑いをとって何か「気づき」を与える機会が作れないかと思って始めたのがきっかけです。「もう」「もう」と怒りすぎて、やがて牛になってしまうお母さんとか、そういう劇などです。劇を作ったり演じたりするスタッフも、それを見る側お客さんも楽しい、そしてそれが事業となる、そういうことを目指し始めました。
―やがて、エーゲルを立ち上げられましたね。いつも感心するのが、スタッフの皆さまの感じの良さです。みなさん、忙しい中でも本当に元気がよいですね。
伊豆田) 私自身も、テレビ番組の制作会社でADをしたり、撮影所の録音部で整音を担当したり、忙しいのが当たり前の世界におりました。忙しいことを楽しむココロの柔軟さが、スタッフの元気の源かなと思います。
―さて、今後の展望はいかがでしょうか?
伊豆田) 「ローカル商社」になりたいと思っています。例えば、先ほどの「NAGI COFFEE」の海外展開をするに当たっても、商品説明の翻訳、FDA(米国食品医療品局)申請の対応など、一つひとつ壁を乗り越えなければなりません。大商社による、大ロットの対応ではなく、小ロットでも海外からほしいと言われる商品に対して、ワンストップでサポートし、地域や中小企業さんが「小さくても世界とつながれる」という状況を作り出していきたいと思うのです。
今後のますますの発展が楽しみです!
お問い合わせ