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京都府立京都学・歴彩館では、2020年1月11日(土曜)から3月8日(日曜)の期間で、柔らかい陶−市川廣三・宮下善爾の心象風景−を開催します。
土や粘土を高温で焼き固めてつくる陶磁器は硬いというのが当たり前ですが、いかに柔らかさを表現し人々の心の奥深く印象づけることができるのかを追い求めた京都の二人の陶芸家、市川廣三と宮下善爾の作品を京都府所蔵品から紹介します。
市川廣三は昭和5年(1930年)に、宮下善爾は昭和14年(1939年)に京都に生まれました。共に若い頃は芸術院会員となった楠部(くすべ) 彌弌(やいち) の薫陶を受け、様々な陶芸手法に挑戦してきました。昭和28年に結成された若手陶芸家の研究団体青陶会に参加し、その後の活動は日展など国内展にとどまらず海外の展覧会でも紹介され、広く評価されてきました。
二人の作品は、見る人の琴線に触れる情感溢れるものですが、それぞれがつかみ取った手法や表現は全く異なっており、「柔らかい」の捉え方も同じではありません。市川は磁器ものを主に、蛙や魚などがいる具象的な近景の景色をピンポイントで表現し、泥の柔らかで自然な痕跡を残すことによって、懐かしくも温かい心の風景を浮かびあがらせます。
宮下は主として陶器を手がけ、多彩な色土で生み出したグラデーションが絶妙な作品は、ときに山々が織りなす広大な遠景として、またときに風や光という抽象的な心の景色として、見る人の心情にその捉え方を委ねながら迫ってきます。
本展では、戦後の昭和、平成の時代を駆け抜けた二人の陶芸家が生み出した、陶芸にみる心象風景の魅力をお楽しみいただきます。
2020年1月11日(土曜)〜3月8日(日曜)
【開室時間】平日 9時~18時 土日 9時~17時
【休 館 日】祝日、第2水曜日
京都学・歴彩館 1階展示室(京都市左京区下鴨半木町1-29)
無料
ギャラリートーク 2020年1月16日(木曜)、2月6日(木曜)、2月27日(木曜)
それぞれ14時30分より30分程度
市川廣三《閑日》1981年、京都府蔵(京都文化博物館管理)
市川廣三《白磁壼「夏の夢」》1996年、京都府蔵(京都文化博物館管理)
宮下善爾《はじまりとおわり》1983年、京都府蔵(京都文化博物館管理)
宮下善爾《海に立つ》2002年、京都府蔵(京都文化博物館管理) など
お問い合わせ
文化生活部文化政策室 京都学・歴彩館
京都市左京区下鴨半木町1-29
電話番号:075-723-4831
ファックス:075-791-9466