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発表項目の前に、ひと言申し上げます。
30年前の午前5時46分、阪神・淡路大震災が発生いたしました。
この震災では、震災関連死を含めて6,400人余りの方がお亡くなりになりました。震災により多くの方の尊い命が失われたことに心からご冥福をお祈りいたします。
また、ご家族やご親族、ご友人を失われた方々に、改めて、衷心より哀悼の意をささげますとともに、被災された全ての方々に、心からお見舞いを申し上げます。
阪神・淡路大震災は、社会経済機能が高度に集積する都市を直撃した初めての直下型地震であり、甚大な人的被害のほか、行政機関等の中枢機能が被災するとともに道路、港湾施設などのインフラ施設や水道、通信、電気等のライフライン施設等の人々の生活を支える重要な都市機能が著しく損壊した災害でした。
この災害を契機に、京都府では、災害発生時に災害対策本部の初動業務に関わる職員を指定する制度を創設し、毎年1月に緊急参集訓練を実施しておりまして、本日も職員約100名を対象に訓練を実施したところです。
近年、令和6年能登半島地震をはじめ、全国各地で地震が頻発しているほか、今年1月13日には日向灘を震源とする最大震度5弱の地震の発生に伴い、南海トラフ地震臨時情報(調査中)が発表されたところです。
結果的には、南海トラフ地震の発生可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる現象ではないと評価されましたが、その後開催された政府の地震調査委員会において、南海トラフ地震が今後30年以内に発生する確率について、これまでの「70%から80%」を「80%程度」に引き上げられたところであり、いつ発生してもおかしくないことから、家具の固定の確認や、非常用持ち出し袋の準備など、普段からの備えの再確認をお願いします。
京都府では、戦略的地震防災対策指針及び同推進プランの見直しを行っているところでありますが、これまでの災害の教訓を活かし、防災対策における実践力の向上と関係機関との連携の強化に努め、いずれ起こるであろう南海トラフ地震や直下型地震などの際に府民の皆様の命と生活を守るため、できる限りの備えをしてまいります。
本日の発表項目は「ZET-summit 2025」の開催についてです。
京都府では、「産業創造リーディングゾーン」の一つとして、「脱炭素テクノロジー」をテーマに、EV・バッテリー・バイオものづくりなど、京都産業が世界的に競争力を有する分野をターゲットとして、国内外の企業や研究者との共創や、技術実装等を推進する拠点「ZET-valley」の形成に取り組んでいます。
その一環として、世界の脱炭素関連の関係者が一堂に集う国際カンファレンス「ZET-summit」を、2月4日と5日に向日市の永守重信市民会館において開催します。
第3回目となる今回のサミットでは、これまでの取組の成果として、府内の企業による共創プロジェクト初の実装化事例となります「リユース・バッテリー付きの急速充電器」を、4日のオープニングでお披露目をさせていただきます。
また、2日目の5日13時からは、私も登壇し、リチウムイオン二次電池の発明で、2019年にノーベル化学賞を受賞されました旭化成株式会社名誉フェローの吉野彰様と、「京都から日本のGAFAを」をテーマに対談を行う予定です。
このカンファレンスを通じまして、脱炭素テクノロジー関係者のビジネスマッチングによりますコミュニティ形成の促進や、マッチングから生まれた共創プロジェクトの実装化支援に取り組んでまいりたいと考えていますので、事前の周知、また当日の取材についてご協力をよろしくお願いします。
私からは以上です。
ZET-summitについて、過去2回開催されており、3回目に向けての手応えと、脱炭素に向けて技術面の課題はどうか。
今回で3回目になりましたが、昨年は2日間で12ヶ国、延べ約3,000名の方の参加がありました。第1回目は、まだコロナの影響もありましたが、オンラインでは結構な数の参加者がいました。この脱炭素というテーマに対する国内外の関心は非常に高いのではないかと考えています。
昨年のことを言いますと、スタートアップ32社がピッチに登壇しました他、商談ブースも20社以上が出展し、100件以上のマッチングがあり、具体的な取引や投資に繋がったものもあったと聞いています。
今年度もスタートアップピッチの開催や、商談ブースも設ける予定ですが、新規の参加希望のスタートアップも非常に多いと聞いており、高い期待があるのではないかと感じています。
脱炭素について言えば、社会課題のテーマということで、最近の地球温暖化の影響を見ても関心が非常に高いです。技術もありますが、それを社会実装していくということは、採算性の問題ももちろんありますし、持続可能な形で社会にその技術を受け入れるためには、投資可能であり、採算性がとれないといけません。実験の段階では皆さんいいなと言うけれども、その社会実装をやるというハードルを飛び越えるといいますか、それを社会一般に広めていくということが一番のポイントだと思っています。過去の様々な事例の中でも、古い例で言えば、自動車の省エネ基準や排ガス規制などもそうですけれども、最初は非常にハードルが高いと言われていましたが、今となっては当たり前になっています。そういう形で脱炭素についても社会実装を進めていくということです。ただ、最初のステップの段階では、我々やいろいろな公的支援というものも必要だと考えていますし、そこが一番重要だと思います。
府内の温室効果ガスの排出量について、ここ数年足踏みが続いている。2030年度を削減目標の年度とされているが、どのように考えているか。
これは非常に高いハードルだと考えています。産業分野は順調ですが、交通と、意外と家庭での取組がなかなか進みません。だからこそ、府民運動といいますか国民運動によって、一人ひとりが脱炭素についてやれることはいろいろあると思いますので、そういう意識の改革をしていくということと、先ほど言いましたように関連の技術はどんどんできてきていますが、それを社会に広めていく社会実装の部分を我々も頑張っていきたいと考えています。なかなか道のりは厳しいですが、全力で取り組んで参りたいと考えています。
冒頭に阪神・淡路大震災について発言されたが、犠牲者の方の大半が住宅倒壊に伴う窒息死や圧死が死因となっている。京都府内の住宅の耐震率を見ると、2020年度で88%となっている。これを来年度までに95%に上げるという目標を掲げているが、この取組状況はどうか。
現状の足元はその数字ですが、おっしゃるように令和7年度に95%という目標を総合計画で掲げていますので、この達成のための努力をするということです。
昨年の能登半島地震でもかなり住宅の倒壊がありましたので、耐震化の支援制度について緊急的に令和6年度と令和7年度の2ヵ年に限って、府民の皆さんの負担をできる限り軽減する措置を講じることとしていますので、是非この制度を活用して耐震化を行っていただきたいです。現時点においても、耐震診断や耐震改修の実績が、やはりこの制度の効果だと思いますが、前年比で大幅に増加していると聞いています。緊急的に予算化しましたので、是非これを活用していただいて耐震化に弾みをつけたいと考えています。
特に丹後地方や南部の過疎地域などで耐震化率が低いと思うが、どのように対応するのか。
地域的にばらつきがあるということは分かっていますので、逆に言えばそういうところに対して積極的に啓発するということです。別に意識が薄いという訳ではないですが、制度を御存じない方もまだおられるかもしれません。当然市町村との連携が極めて重要ですので、振興局も使いながら地域的なばらつきをなくしていくと、全体としては当然平均値が上がっていくと思いますので、より効果があると考えています。
先程おっしゃった木造住宅等耐震診断・改修の臨時的な補助の拡充について、実績はどうか。
12月末現在の受付ベースでは、診断件数が1,104件、対前年比が約2.4倍。改修件数が360件で、前年比で約3.1倍です。受付ベースですが、これは工事が行われると思いますので、令和5年に比べてそれだけ増えているということは、やはり対策の拡充による効果が出てきていると考えています。
昨年末からインフルエンザの流行が続いているが、府内の状況はどうか。また、治療薬の不足についての状況はどうか。
昨年の52週(12月23日~29日)に過去最多となり、その後は減少し第1週(12月30日~1月5日)が30.24、それから第2週(1月6日~1月12日)が少し増えて31.85となっております。ただ、注意しなればいけないのは、第1週の数値は、一部の定点医療機関の休業により、報告数が少ないのではないかということもあるので、もう少し傾向は見ていかなければいけないと考えています。
過去最多の数値から若干減少したと言っても、依然として府内全ての保健所管内で警報レベルでありますし、毎年インフルエンザは1月、2月に流行のピークを迎えますので、流行はしばらく継続する可能性があります。府民の皆さまには、手洗い、場面に応じたマスクの着用、小まめな換気、適度な湿度保持といった基本的な感染予防対策を行っていただき、体調が悪いと思った時には無理せずに休養いただき、具合が悪ければ早めに医療機関を受診していただきたいです。また、高齢者や基礎疾患のある方と会うときには、より注意をしていただきたいです。過去最多だった週に比べて報告数は減っていますけれども、そういった点を引き続きお願いしたいです。
治療薬については、一部製造メーカーで在庫不足や供給停止が生じており、限定出荷となっている状況はありますが、国がそれぞれの医療機関や薬局に対して、あまり過剰の発注をしないことや吸入薬が使用可能な5歳以上の方には吸入薬の使用を検討することなどを求める事務連絡を出されています。我々も、その国の事務連絡を受けて医療関係団体や医薬品卸協会に通知をしており、偏在が生じないような適正な供給を依頼しています。現時点では医療機関から抗インフルエンザ薬の不足に関する相談等はないと聞いていますし、保健所の方からも治療薬が不足している状況ではないと聞いています。こうした通知の効果もあるのかもしれませんが、現在のところは適正な使用によって対応できているというふうに聞いています。
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