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本日の発表項目は、「きょうとまるごとお茶の博覧会」のプレイベントの開催についてです。
京都府では、来年開催される大阪・関西万博を契機として、京都の魅力を世界に発信し、人や投資を呼び込むことで、経済の活性化や地域振興につなげるために、オール京都の体制で大阪・関西万博きょうと推進委員会を組織して、誘客促進や機運醸成に取り組んでいます。
そのフラッグシップ・アクションの1つとして、来年度、万博開催期間中に府内各地で「きょうとまるごとお茶の博覧会」を開催することとしております。
このたび、そのプレイベントを11月10日(日曜日)に、かつて豊臣秀吉により、北野大茶湯が催された地である北野天満宮で開催することとなりました。
当日は、多種多様な特徴をもつ煎茶の飲み比べや、抹茶の体験、川のそばで詩歌を詠じる「曲水の宴」などを実施しますほか、セレモニーには万博公式キャラクターの「ミャクミャク」も登場しまして、ダンスパフォーマンスや祝舞、和太鼓などで会場を盛り上げてまいります。
多くの皆様に御参加いただけますよう、周知いただきますとともに、当日の取材についても御協力をよろしくお願いいたします。
また、11月23日には、あやべ・日東精工アリーナでもお茶の魅力や文化、歴史を再認識できるプレイベントを開催する予定です。こちらにつきましては、詳細が決まり次第、別途お知らせさせていただきます。
「きょうとまるごとお茶の博覧会」やそのプレイベントを通じて、お茶文化の魅力を国内外に発信するとのことだが、知事自身お茶文化の魅力をどのように感じていて、お茶の博覧会を通して海外の方にどのように感じて欲しいと考えているのか。
お茶については、単にお茶ということだけではなく、地域ブランドの冠になるということが「もう一つの京都」の中の「お茶の京都」の取組によっても証明されています。
実は、華道、書道、香道、料理、お菓子、美術、工芸、建築、造園などお茶に関係する文化は非常にたくさんあり、様々な文化の中でも、お茶という一つの文化に親しむことで、非常にたくさんの文化に触れられます。
総合芸術を構成する多様な文化ということで、お茶のことを知っていただきたいというのが、今回の一連の取組であり、万博の際には、お茶の博覧会として府内各地で大々的に開催します。
現に、インバウンドの方もお土産として高級なお茶を買っておられるということもあり、お茶を京都の文化として受け入れられていると思いますので、それをより広く発信するために、今回プレイベントを開催させていただくものです。
15日に衆議院選挙が公示されるが、知事としてどういった論戦を期待するか。
石破総理も、選挙期間中も含めて国民の皆様に判断いただける材料を提供していくと話しておられますので、いずれにしても、選挙戦を通じて国民の皆さんに理解していただくことが一番重要だと考えています。
政治資金の問題については、国民の政治不信を生んでいるところもありますので、国民の政治不信が払拭できるように、選挙中も含めて説明責任を果たしていただきたいです。
そして何よりも重要なことは、我が国が抱えている様々な課題、当面はやはり物価の高騰等が続いていますので、今年の春の春闘では物価高騰を上回る賃上げによって、賃金と経済の好循環を図ろうということでしたが、それを持続的にしていくためには、総理は経済対策にも言及されていますけれども、やはり経済状況を足腰の強いものにしていくこと、特に中小企業にとってみれば、人手不足対策や賃上げのためには経営基盤を強化しないといけないということで課題があります。
それから、構造的な課題では、何といっても少子高齢化・人口減少です。これはそのトレンドに歯止めがかかっていませんので、これを受けてどうやって国の活性化や地域の振興をしていくのかということです。その中で、東京一極集中是正については大きな課題ですので、是非とも国土政策も含めて様々な議論をしてもらいたいと考えています。
それから国際情勢です。今総理は東アジアサミットに行っておられますが、ロシアのウクライナへの侵攻や中東情勢、それからアメリカの大統領選挙は世界の経済に大きな影響を与えると思いますので、その中で日本をどういうふうに舵取りしていくのかということもあります。
かなり幅広い課題を抱えていますので、そういうことについて有権者の方が判断できる材料を提供するような論戦が戦わされることを期待しています。
今回の衆議院選挙においては、京都府民から何が問われていると考えているか。
有権者は、それぞれ色々な立場や現状に置かれているので、興味には濃淡があると思います。例えば、働いている方であれば雇用環境に注目しますし、中小企業の経営者であれば人手不足や賃上げの原資のことに注目します。
繰り返しにはなりますが、物価の上昇が続いていますが、それを上回る賃金の上昇があってはじめて好循環ができてきますので、そうした景気の問題は、一つの大きな課題だと考えています。
マクロな視点で私は人口減少と言いましたが、それぞれの地域、特に人口の少ないところでは地域のコミュニティが維持できるかが重要です。公共交通などはその典型ですが、今までの住民サービスが機能するのかなどについては関心が高いと思いますので、(衆議院選挙では)そうしたことを言ってもらいたいです。
その大きな流れの一つが、東京一極集中是正による国土構造の改変が行われることだと考えています。
それから、ウクライナや、イスラエルと中東との関係、アメリカ大統領選挙などもかなり報道されていますので、国際情勢における日本の立ち位置やあり方に関心を持っている方も多いと思いますので、投票にあたって判断の材料にされるのではないかと私は思っています。
選挙の投票率について、小選挙区制になってから全国的に低下傾向にあるが、知事としては現状の投票率についてどのように考えているか。また、京都府として今後の選挙における投票率の向上に向けてどういった取組をされるのか。
選挙の投票は、民主主義において国民主権の下に国民の皆さんが政治に関与する最も根幹的な制度ですので、出来る限り投票していただきたいですし、その投票についても、政策の訴えなどを通じて地方や国の針路に関心を持った上で投票していただくために、有権者の関心を政策論争で高めていただきたいというのが私の希望です。
私が立候補した知事選挙の時も(投票率について)聞かれましたが、衆議院選挙はまだ投票率が(他の選挙と比べても)高い方です。それでも下がってはきていますが、出来る限り投票していただきたいという思いです。
取組については選挙管理委員会の仕事で私が直接実施している訳ではないですが、ポスターや看板は当然ですが、ラジオCM、最近はSNSや街中のデジタルサイネージ、サンガスタジアムの大型ビジョンなども使っているということで、幅広い世代の方に、まずは選挙があるということの周知を含めて広報しているということですので、そこは選挙管理委員会にもぜひとも御努力いただきたいです。
それから、最近増加傾向にある期日前投票について、投票日当日もさることながら、期日前投票を活用すれば投票日当日にたまたま都合が悪くなったとしても投票できます。期日前投票が完全に周知されているかというと、意外とまだそうでもないので、期日前投票についても是非活用いただくということも広報する必要があると考えています。
もう一点、京都の特徴で言えば学生さんが多いですが、実は住民票を地元に置いたまま来られている方も多いです。なかなか大変かもしれないですが、出来る限り不在者投票制度も活用して、地元に住民票を置いている学生さんにも是非とも投票していただきたいと思います。
知事は前回の知事選で、自民党や立憲民主党からの支援を受けたが、今回の衆議院選挙では、どのように候補者に対する支援に入る予定なのか。
前の衆議院選挙の時も同じでしたが、特定の政党や候補を応援することは予定していません。
その理由はどうか。
小選挙区制ということもあり、1人しか当選しないことが前提なので、衆議院選挙で言えば、私が複数の人を応援することは難しいと思っています。
安倍政権が「地方創生」を掲げて10年となる。石破さんは初代の地方創生担当大臣だったが、この10年は、自治体による交付金の争奪戦になっている節もあるように見える。知事としてこの10年間の地方創生をどのように見ているか。
地方創生については様々な論評が出ていて、効果がなかったのではないかという声もありますが、一方で、京都という立場に立てば、明治以来で初めて中央省庁の移転が文化庁の京都移転により実現しました。それはまさに石破総理が地方創生担当大臣の時に御決定いただきました。その意味では、一部ではありますが、中央省庁の移転が実現していることは評価したいです。
それから、この間、特に地方創生については、交付金が創設されまして、地方はその交付金を活用して、ある程度自由度が高い政策を構築していました。
コロナ対策もありましたが、子育て環境や文化の都・京都づくり、産業政策等に地方創生の交付金を活用させていただき、きめ細かな対策をしてきました。その意味では、地方の自主的な財源確保についてはそれなりの効果があったと考えています。
ただ、私が地方創生で足りないと思うのは、地方での政策もありますが、結局は国土政策として、東京一極集中是正も含めた国土構造をどうしていこうかという議論は自治体レベルでは限界があるので、それは国として、国土政策として取り組んでいただきたいです。その部分については、この10年間の地方創生においても若干取組が足りなかったと考えています。
自主的な財源を確保することにより、京都でどのような成果が生まれたのか。
物価上昇対策においては、中小企業の事業継続や雇用維持などにおけるベーシックなところは国が対応しましたが、それぞれ地方の実情に合わせた対策も必要なので、きめ細かい部分は、地方が交付金を活用して対応してきました。我々も、例えば伝統産業に対する支援や京都独自の産業施策については、交付金を活用させていただきました。
それから、子育て環境についても、最終的には少子化の流れを止めるには国を挙げて対応しなければいけませんが、そのためのアイデア、新しい施策や問題意識を国に投げかけるための施策は、ある程度、我々でも独自のことをしていますので、そうした意味において、地方創生交付金は役に立っていると考えています。
京都府警察本部長のパワハラ問題について、知事の考えはどうか。
まず、パワハラに限らずハラスメントは、個人の人格や尊厳を傷つける人権に関わる非常に深刻な問題であり、決して許されるものではないというのが基本的な認識です。
そうした中で、京都府警察のトップである本部長が不適切な発言を行い、長官訓戒の処分となり、本部長交代という人事異動に繋がったことは誠に遺憾です。
京都府警察は、府民の皆さまの安心・安全を第一線で守るのが使命なので、今回の件によって職員の方が動揺されて、任務に支障が生じることがないよう組織のケアに努めていただきたいです。
新しい本部長には、ぜひ組織の先頭に立って府民の皆様に対する信頼の回復と組織内のケアを通じて、府民の皆さまの安心・安全を守ることに全力を尽くしていただきたいです。
京都府警は京都府から独立している組織だが、同じ府内の行政組織ではある。事実関係の調査や再発防止について、京都府として取り組む考えはあるか。
京都府警察の組織内での再発防止について、新しい本部長が来られた場合に、直接我々が手を出すということはありませんが、きちんとやっていただきたいという意思はお伝えしたいと考えています。
ただ、こうしたハラスメントの事案は警察組織に限ったことではなく、どの組織でも起こり得る問題です。ハラスメント防止は日頃から上司と部下、職員同士のコミュニケーションが非常に大切であり、職員が互いに信頼し合って安心して働ける職場環境づくりが重要なので、そこについては警察だけでなく、組織全体の問題として、誰もが安心して働ける職場環境づくりに努力をしていきたいです。
石破総理は所信表明演説で、防災庁の設置や地方創生交付金の倍増、地方創生本部の設置などを挙げられたが、知事の考えはどうか。
地方創生について言えば、地方に目を向けていただき、地方の声を聞いていただくという意味では、地方創生について言及されるとともに、それに対応する組織を作ることは歓迎したいです。
地方創生交付金や地方の財源確保だけでなく、新しい地方経済・生活環境創生本部を作ると仰っていますので、まだ中身を把握していませんが、この中で、ぜひとも国土政策としての東京一極集中是正など、国でしかできないことについても議論していただきたいです。
防災庁については、関西広域連合では防災庁の設置を要望していますので、それが検討の俎上に上がることについては歓迎します。ただ、アメリカのFEMA(アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁)のような組織を作るという話はずいぶん昔からあって、私も仕事として何度も検討したことがあります。それから、復興庁にいる時には、熊本地震の復興も復興庁でやるべきではないかという議論がありました。このように防災・減災についてどういう組織でやるかということは常に議論されています。
防災については10年前より気候が荒くなっているので、防災対策に力点を置く姿勢は極めて歓迎したいです。
ただ、組織を作ることだけを目的にするのではなく、今の組織や仕組みであれば、今起こっている自然災害に対応するには何が足りないのかをきちんと議論していただいて、有効な組織になるように議論してもらいたいです。
防災に関係する組織はたくさんあり、消防も警察もありますが、これらと一緒にするのかというと、そういうことはできません。具体的に検討しようと思うと、このように、かなりたくさんの論点が出てきます。
ただ、防災・減災に力を入れることは絶対に必要なので、どういうふうに機能させるのかをぜひ検討していただきたいです。
知事と石破総理は、今までどういう関わりがあったのか。
一つは、文化庁の京都移転を決めた時の地方創生担当大臣が石破総理でした。その後、どういう立場の時だったか定かではありませんが、移転を決められた後のことはフォローされてなかった部分もあったので、京都に来られた時やお会いした時に文化庁の京都移転について、進捗状況等について何度かお話をしたことがあります。
また、党の要職におられましたので、国土交通省の法案の中身については鳥取県庁に私の後輩が出向していたこともあり、鳥取が地元の石破総理に説明に行ったことはありますが、関わりを持った特定のテーマというと、やはり地方創生になります。
石破総理は、日米地位協定の改定に着実に取り組むと就任演説で言われていたが、知事の考えはどうか。また、憲法の改正についてはどう考えているのか。
日米地位協定は色々な場面で話が出てくるものであり、沖縄が中心ですが、京都にも経ヶ岬通信所がありまして、基地所在地の自治体の知事が集まった渉外知事会や、全国知事会として要望書を出しています。合理的な形での見直しは、具体にどこがというのはそれぞれ問題意識は違いますが、今の時代にふさわしい形で見直すことは必要だと考えています。
ただ、これはかなり外交防衛上の様々な利害関係も絡んでいるので、慎重に進めなければいけない案件であることは間違いなく、相手があることですので、そこはアメリカの理解と協力を得ながら現実的な形で検討していただくのが良いと思います。
憲法については、もともと憲法を改正するための手続きは法的な枠組みがあり、改正されることを前提に枠組みができています。しかも各党にも憲法調査会の枠組みができていますので、まずはそこで議論して、国民の皆さんが納得する形でなければ改正できない訳なので、論点を明確にして各党で議論をしていただくことが必要だと思います。
石破総理は山陰新幹線を実現する国会議員の会の会長をされており、京都府北部でも期待があると思うが、どうか。
もともと総理の立場と関係なく、山陰側の有力な政治家として「山陰新幹線を実現する国会議員の会」の代表をされている立場が、総理になられたからといって変わることはないと思います。
ただ、先ほど言いました地方創生や国土政策の観点において、石破総理がどう考えるかということはあります。
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