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令和3年度9月補正予算案(追加提案)
令和3年度9月補正予算案の追加提案分の概要についてご説明いたします。
予算編成の基本方針としましては、緊急事態措置等が長期化したということで、その影響によって厳しい状況にあります小売・サービス業、稲作農家等への緊急支援、医療現場を支えていただいている医療従事者等への支援に必要となる経費を追加で計上しています。
事業者緊急支援等
まず、事業者緊急支援等についてです。幅広い中小事業者を支える「京の小売・サービス応援クーポン(仮称)」の発行で、10億円規模です。幅広い事業者を対象といたしまして、府内の経済を温めたいと考えていまして、具体的な仕組みとしては、1万2千円のクーポン券を1万円で販売予定、府民の方限定です。利用可能店舗を募集し、公表してまいります。対象の店舗については、中小企業者が運営する府内の小売・サービス等の店舗を対象としています。当然ですけれども、業種別のガイドラインに基づく感染防止対策を実施していただいている店舗を対象と考えています。飲食店も時短・休業等で非常にご迷惑をおかけしているところですが、それに伴って、飲食店以外にも幅広く影響が出ています。きめ細かな支援ということでの予算です。
これに関連して、6月補正予算で既に予算措置しているものですが、感染リスクの低減を図りながら、社会経済活動の回復を図る必要がありますので、感染状況に応じた段階的な需要喚起策を実施するということで、一つは、「きょうと魅力再発見旅プロジェクト」ということで、府民に対する府内観光の割引等の販売として、本日から参加いただける宿泊事業者・旅行業者等の募集を開始いたします。府民向けの販売開始日については改めてお知らせしたいと考えています。
もう一つは、こちらも6月補正予算として既に成立していますが、「安心・安全な京の飲食店応援クーポン」ということで、これは既に一部募集をして、かなりの応募があって人気がありました。10月12日から(利用開始)ということですが、今回の感染状況を踏まえまして、テイクアウト・デリバリーだけではなくて、ランチ利用にも拡大をすることといたします。なお、この2つについての実施方法等詳細については、本日改めて記者発表(資料の投げ込み)をさせていただきたいと思います。
それから、もう一つ関連して、GoToEatキャンペーンについて、既に発行しているクーポンについて利用自粛をお願いしており、新規のクーポンの発行も停止しています。これについても、今回の感染状況に鑑みて、今検討しています。既発行クーポンの利用自粛を解いた再開と、新規のクーポンの発行を検討していますので、これについても近々お知らせすることを考えておりますが、これは京都府内の方の利用だけではなくて、府外の方の利用もありますので、全体的な感染状況を踏まえながら、更に検討を深めていきたいと考えています。いずれにしても、飲食、宿泊等につきましても、徐々に段階的な需要喚起策を講じてまいりたいと考えております。
次に、米の関係についてです。ご承知のように、コロナ禍において米の価格が下落しています。外食需要の減による低下もありますが、元々全体的に米需要が低下傾向にあるという両方(の要因が)あると思いますけれども、JAの買取価格で2割程度の下落ということで、今後民間による取引についてもやはり一定の価格低下は避けられないということで、稲作農家による販路開拓、流通事業者による販売先確保の支援を行います。自家売りの場合については、資材、加工品の開発、輸送費等の支援です。小さなところについては、直接の販売促進ができないので、流通事業者を支援することによって、商談会や商品の紹介資料作製、サンプル作製等への支援を行いたいと考えています。1.0億円規模です。
もう一つは、伝統産業についてです。伝統産業も元々宿泊、飲食等において需要があったのですが、それがあまり無い状況です。それからインバウンドも無いということで、非常に苦しい状況にありますので、ここにつきまして、産地組合や事業者が行う新規ビジネスモデル構築や需要開拓についての支援で3千万円規模です。例示としては、サブスクリプションビジネスとして、例えば陶器も買い取りではなくて、借りることによっていろんな陶器を使うことができるといったことがかなり行われつつあり、食器、インテリア等いろんな場面で応用範囲がありますので、いろんな新商品の試作などについて支援してまいりたいと考えています。
それから、今回の府独自の営業時間短縮要請等に伴って必要になります協力金等の支給で126.7億円規模です。
医療従事者等支援
医療従事者等の支援についてです。これまでに1,243件、約5億円のご寄附を、新型コロナウイルス感染症対策応援寄附金として受け入れています。非常に多くの方の心温まるご支援に対して、改めて心から感謝を申し上げます。新たに医療従事者等への支援に活用させていただきたいと考えていまして、2.0億円規模です。コロナ患者の受入病院に対して応援金を支給したいと考えています。応援金の支援の想定例としては、医療従事職員への慰労金であったり、休憩室の備品やリフレッシュ環境の整備等も含めて、医療従事者の方の何らかのお役に立てるように、応援金を支給したいと考えています。
予算案の規模
以上、合わせまして、今回の追加提案分が140億円台、これまでの現計予算が13,116億円ですので、追加提案後の補正予算額としては、13,256億円台ということで、昨年度の9月補正後予算と比較しますと11.6%の増となっています。
令和3年度9月補正予算案(追加提案)について(PDF:488KB)
私からは以上です。よろしくお願いします。
京の小売・サービス応援クーポン(仮称)について、1万円で販売予定とのことだが、何セットくらいの販売を想定しているのか。
これから実施に向けて様々な交渉が必要ですが、35万セット、発行額42億円を予定しています。1万2,000円のクーポン券を1万円で販売ということですので、うち2,000円が府の財政的な支援で、約7億円規模ということになります。これに発行手数料や事務経費等がかかります。
販売開始時期や(利用可能店舗の)募集はいつからいつまでになるのか。
まずは予算の議決をいただかないといけません。それから様々な準備がありますので、おそらく10月下旬から利用可能店舗の募集と、クーポン券購入の申込を行いまして、抽選等の手続きもございますので、クーポン券の利用開始は12月に入るのではないかと考えています。
医療従事者への支援について、1,243件、5億円の寄附は、昨年度からの金額か、今年度だけの金額か。
昨年度からです。
昨年度の寄附金については、3月にも使い道について発表があったが。
昨年度の使い道としては、医療従事者への支援金と、年末年始に開けていただいた医療施設への支援金、それから一人親世帯に対して5,000円分の図書カードを配っています。合計3億4,000万円程度の支援をさせていただいています。全体として5億円ですが、まだこれから年度内に寄附いただくものもあります。元々、様々な給与カット等の財源を基金に積立ていますので、今回の(受入病院への応援金)2億円を使うと、全体として5億4,000万円程度について、この基金を活用して医療従事者と、既に行った一人親世帯への支援に充当させていただく形になります。
既に3億4,000万円は使っていて、これから寄附される分も含めて、今回新たに2億円の支援をするということか。
はい。全体のフレームとしてはそうなります。
技術実証について、その後国からの発表がないが、どういった状況なのか。
京都府では飲食店において行いたいと手を挙げています。京都府が対象となるということは聞いていますが、実際にどういうことをいつからやるのか詳細は示されていません。先日の全国知事会でも申し上げましたが、ワクチン検査パッケージ自体も、どういう場面で適用されるのかということもありますし、技術実証をするにしても、国もどういうことを調べればいいのか試行錯誤されているようです。ワクチン接種証明をどのように確認するか、万が一感染者が出た場合、どうフォローするのかといったオペレーションを調べたいとは言われています。なるべく早く教えてほしいとは言っていますが、(技術実証について)具体的にどのように行うのか、まだ国から話を聞いていません。
府の独自の時短要請等が10月21日までだが、最近の感染状況を見ているとかなり落ち着きつつある印象を受ける。知事としては21日まで完走してそこから次の措置を考えるのか。それとも、今後感染者数が1桁台になるなど激減すれば、21日を待たずに何らかの動きがあるのか。
(措置の期間は)3週間ですので、しかも当然ながら検討は終了間際にする訳ではなく、一定程度間隔を置いて行いますので、私としては前倒しをして、新しい措置に移行する可能性は少ないと考えています。昨日はたまたま月曜日で、この間、連休等も挟んでいたこともあります。順行ベースで、どれくらいの感染者が市中にいるかはよく見なければいけないと思っています。私自身としては21日に向けて事前にしっかりと今後の方向は検討したいと考えていますので、バタバタと前倒しで何らかの措置を変更することは、今のところ想定していないです。
先日、時短要請等に応じない飲食店に命令を発出された。行政が営業に対して強い権限を持ってこうした命令をする仕組みについて、改めてどのような認識を持っていて、今後の課題やこうあるべきと考えていることはあるか。
行政がいわゆる民間事業者や国民に対して一定の制限をかけることは、極めて限定的でかつ慎重に行うべきであるということは基本的なスタンスです。要請することの目的は感染拡大防止なので、(時短要請を)守っていただくことが大前提です。例えば粘り強くお願いするといった手段で目的を達成するのが本筋だと思っています。今回、命令を出したのは、堂々と要請を守らないことをホームページ上も含めて明らかにして集客されている、現場の状況が極めて密で、非常に感染リスクが高そうな現場である、再三お願いしても聞いていただけないといったことから総合的に判断しました。もう一つは長い間きちんと(要請を)守っていただいている方から不公平でないか、というご意見もありました。全国的には、命令を出したのは大都市を含む都道府県の中では、(京都府が)ほとんど最後の方でしたが、やむなく出しました。基本的なスタンスは限定的であるべきだと考えています。
もう一つは、今の特措法の構成の中で、厳しい権利制限をすることは勇気のいることなので、本来であれば要件などをよりはっきりと法令上示されると、より円滑に法適用ができるのでないかと考えています。そういう意味では、今回は感染が拡大している中での法適用でしたので、時間的な余裕ができればそうしたことも含めて法制的な仕組みについても政府において再検討していただく必要があるのではないかと考えています。
命令を発出したにもかかわらず、実際に従っておらず過料を科す手続きを始める対象の店舗は何店舗あるのか。
命令と過料(を科す)には、相当なハードルがありますので、命令したら過料を当然に行うということではなく、全国の例を見てもそれぞれの段階で判断をしてします。しかも今回の場合緊急事態措置が終わっております。過料は過去の命令行為についての一定のアクションなので、緊急事態宣言が出てなくてもできるのですが、どういう現場の状況なのか確認していないので、そこを踏まえて判断したいと考えています。必ず過料につなげるかどうかも含めて現在検討中です。
9月30日で緊急事態措置の期限が終わっているが、まだ確認が必要なのか。
その時にどういった形で営業されておられたかということです。
医療体制について、感染拡大の局面でコロナ専用病床を増やした一方で、一般医療を圧迫することがあったと思うが、感染者数がかなり減っている中、今後どのようにする考えか。
医療全体については、細かく指示は来ていませんが、厚生労働省から医療提供体制について計画をきちんと作成するように指示がきております。10月中に方針を決め11月中には整えるということなので、まずはその方針に則って今後のことは決めたいと考えています。
今のご指摘は重要な指摘で、実際に病床を動かす時にはマンパワーが必要で、今回は最終局面で708床まで増やすために相当無理をして、他の診療科等にも影響が出ている形で病床を確保いただきましたが、現在、新規感染者数が減っている時に通常医療に影響を与えていいのかと言えば、人繰りとしては徐々に通常医療に影響がないように戻さなければいけません。
ただ、大事なのは、いつまた第6波に向けての感染拡大があるかもしれないので、その時には迅速にコロナ体制にしなければいけません。物理的な病床は今のところ減らすつもりはありませんし、国も「きちっと確保することが安心につながる」と言われています。ただ、無理をして人繰りをしているところは徐々に通常医療に影響が出ないような形での運用を是非ともお願いしたいと思います。
GoToEatの食事券について、再開時期はいつごろの目途を考えているか。
感染状況次第なのですが、かなり落ち着いてきています。GoToEat食事券は、京都の飲食店が非常に人気があって、京都府民以外の方も買っておられたので、そうした状況も踏まえて近々判断したいと考えています。
第三者認証店舗は営業時間や酒類提供時間が長くなることについて、府議会でも、なかなか申込ができなくて、(措置の内容が)発表されてから申し込んでも21日までに審査が受けられないので、何らかの特例措置は考えられないかという指摘もあったが、今のところ制度を緩める考えはないか。
かなり以前から申請は受け付けていましたが、今回相当たくさん申請が出てきていますので、訪問調査体制(の強化)もやっていますし、今までは1週間分まとめて認証していましたが、今は随時認証するようにしてできる限り、申請いただいている分は迅速に処理をしています。何かの対応を変えるということは考えておりません。
昨日、岸田内閣が組閣された。顔ぶれを見て知事の印象はどうか。
人事のことなので、私から評価をすることは避けたいと思いますが、13人の方が新たに入閣されたということにおいては、「フレッシュ」と言いますか、新しい顔ぶれなので清新さを感じます。ただ一方で、例えば、外務大臣と防衛大臣が留任をされていますが、今、インド・太平洋の話や中国をめぐる様々な動きがある中ですし、アフガニスタンの話もありますし、そうしたことについては一定、国際的な関係の中では継続性・安定性も求められたのかなということで、いろいろよく考えられた人事だという印象です。
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