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まずは6月補正予算案の概要についてご説明を申し上げます。先日開催いたしました6月臨時会においても補正予算を提案してご議決いただいたところでございます。この間、非常にコロナ禍が長く続いておりまして、厳しい状況にあります中小企業への支援をはじめとする支援強化ということで予算を組んでおります。特に中小企業の事業者の方です。緊急事態宣言が長引いていることもありますので、それを含めて、府民の安心・安全の確保のために必要となる予算を計上しております。なお、(この予算案は)6月17日から開催されます府議会定例会に提案する予定でございます。
まず1番目が「中小企業等への支援強化」についてです。中小企業のレベルアップと販路開拓等をパッケージで支援ということで6.0億円規模です。「事業者への個別支援」といたしましては、一つは組合による中小企業へのレベルアップ支援でございますけれども、例えば専門家を活用してより大きな国の補助金を取りに行くこととか、POSTコロナに向けた経営改善計画の策定等への支援、それから中小企業が行う販路開拓や生産性向上等の取組を支援ということで、ライブコマースと呼ばれる動画を使った商品販売を実施するための決済システムですとか、新事業展開のための店舗改装や設備導入等への支援です。
それから「事業者連携への支援」ということで、これは複数の企業の連携を支援することを前提としておりますけれども、販路開拓、新事業展開等への支援ということで、これは上限が500万円でございます。例えば食品の製造事業者が共同で通販をやるとか、酒蔵と和菓子屋が共同で酒米を用いた新商品を開発するなどの事業例を掲げております。それから、伝統産業の海外販路開拓に向けた商品開発等への支援ということで、デザイナーと連携して海外で受けるような新商品を開発し、それをWEBでテストマーケティングするとか、新しいライフスタイルに適応した新商品づくりへの支援でございます。いずれにしても危機克服会議での議論を踏まえた支援でございます。会議に参加していただいております委員をアドバイザリーボードに据えまして、それぞれの取組について支援をしていただきたいと思っております。
次に、「府民の安心確保等」についてです。1つ目は、「医療・療養体制確保のための支援強化」8千万円規模です。これは下り搬送で老健施設等を活用すると申しておりましたけれども、患者受け入れに対する協力金の支給のための予算です。2つ目は「新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金(仮称)の給付」(6千万円規模)です。これは国の特例貸付制度で、緊急小口資金の貸付限度額に達している困窮世帯への支援ということで、単身で6万円/月、2人世帯で8万円/月、3人以上世帯で10万円/月の支給です。市については直接国からいきますけれども、町村分については府経由ということで、京都府の予算を計上しております。3つ目は、「地域公共交通の安心確保に対する支援」(8千万円規模)です。これもコロナ禍で非常に苦しい地域公共交通に対しまして感染防止等に必要な経費、あと、京都丹後鉄道に対する運行支援です。4つ目は、「府指定文化財等の所有者に対する支援」(2千万円規模)ということで、収入が減少した所有者に対して保存修理を行う場合に支援を行うものであります。その他、「入院医療費等の公費負担費用の積み増し」(14.9億円規模)ということで、入院医療やPCR検査等の費用が積み増している分の要求です。それから、「無利子融資の利子補給費用の積み増し」(15億円規模)です。これも融資の(申込み)期間増に伴う積み増しでございます。それぞれこうした規模でございます。
合計いたしますと6月補正予算案は38億円台ということで、現計予算が11,658億円で足しますと、11.696億円台ということで、昨年の6月補正予算後のべースと比べますと、5.7%の増ということです。いずれにしても昨年(の予算規模)も大きかったのですが、それよりも更に増える予算ということです。
予算については以上です。
令和3年度6月補正予算案の概要について(PDF:314KB)
次に、京都府特別功労表彰等の受賞者の決定について申し上げます。長年にわたり京都府の発展に多大な貢献をいただきまして、府民福祉の向上に寄与された方に対し、功績をたたえ特別に表彰する特別功労表彰を1名、功績をたたえ感謝の意を表する特別感謝状を1名の方に贈呈することに決定いたしました。
特別功労表彰は、京都銀行名誉顧問の柏原康夫様です。柏原様は、多年にわたり、京都府の産業・観光振興や経済の活性化に、先導的な役割を果たされますとともに、学術・文化の振興の分野でも、京都府の発展に多大な貢献をしていただきました。その功績を称えまして、特別功労表彰を贈呈することを決定いたしました。具体的に申し上げますと、長きにわたり(公社)京都府観光連盟会長を務められ、観光地のネットワーク化やスケールメリットを活かした広域プロモーションなどに尽力されるとともに、(公財)関西文化学術研究都市推進機構理事長として、KICK(けいはんなオープンイノベーションセンター)を核とした最先端技術の研究開発の促進やスマートシティづくりなどに貢献いただきました。また、我が国初のモデルフォレスト運動を展開する、(公社)京都モデルフォレスト協会初代理事長として、モデルフォレスト運動の先頭に立ち、自ら、府民参加の森づくり運動を牽引されるなど、京都府の産業振興や経済の活性化に大きく貢献されたところでございます。
特別感謝状は、渡邉隆夫様です。京都府中小企業団体中央会会長や西陣織工業組合理事長を務められるなど、多年にわたり、京都産業の発展に大きく力を尽くされるとともに、京都の文化・伝統工芸の振興などを通じて、京都府の発展と府民福祉の向上に大きく寄与されました。
その他にも、「行政委員会等委員功労表彰」で個人86名、「市町村・地域自治功労者表彰」で個人19名と10団体、「京都夢実現プラン」推進特別賞で4団体、「篤志者表彰」で個人28名と78団体を表彰いたします。
また、京都で勉学に励んでおられる留学生の方々15名を、京都府と世界各地域との友好の架け橋になってくださることを願って「京都府名誉友好大使」に任命させていただきます。コロナ禍でなかなか活動を制限されておりますけれども、任命させていただきたいと思っております。
なお、例年であれば、京都府の開庁記念日に表彰状の贈呈等を執り行っているところですが、今年度については、現在どういう形で開くのかも含めて検討しておりますので、このことにつきましては、改めて私の方からお知らせをさせていただきます。
京都府特別功労表彰等の受章者の決定について(PDF:449KB)
次に、3点目の新型コロナウイルス感染症について申し上げます。まず、宿泊療養施設の緊急改善策についてです。京都府の宿泊施設で療養中の方がお亡くなりになりましたことに対しまして、改めまして心からお悔やみを申し上げますとともに、ご遺族の方に対しまして衷心よりお見舞いを申し上げます。昨年の1月30日に初めて府内で感染者を確認して以降、府民の皆様の命と健康を守るために全力で取り組んできただけに、今回の出来事は痛恨の極みでございます。こうしたことが再び起きないよう、課題を抽出し、専門家のご意見もお伺いして、緊急の改善策をとりまとめさせていただきました。
まず1点目は、今回の検証課程において課題として浮かび上がりましたのが、パルスオキシメーターの操作についてでございます。パルスオキシメーターというのは、脈拍数とSPO2(酸素飽和度)の2つの数値が表示されるわけですが、機種によっては、どちらの向きから見ても見やすいように、ボタンを押すと数値の上下が入れ替わるものがあると分かりました。今回の事案につきましても、数値の読み誤りが発生し、脈拍数をSPO2の数値と認識したことによって、実際には数値が低かったということが判明しました。実際には一番極端な例で言いますと、(SPO2が)50%台であったものが、90%台だと認識した事例がありました。これは本来であれば、適切な健康観察を行うべきところが、十分な対応を講じることができなかったということで、誠に遺憾でございまして、心からお詫び申し上げます。なお、ご遺族には、こうした一連の対応をご説明いたしますとともに、引き続き、寄り添って、適切に対応してまいりたいと考えております。これが1点目の課題です。
それから、2点目ですが、これは発生当初からもご指摘いただいておりましたが、電話等による健康観察におきまして、連絡がつかなかった入所者の部屋に緊急で立ち入る際の基準が必ずしも明らかでなかったということです。今回、経過時間の基準を1時間と定めまして、異変の有無を速やかに確認するよう、安全確認の手順を改めさせていただきました。
それから、3点目は、必要な方が必要な医療に繋がるように、高熱が続いたり、酸素飽和度が一定値を下回る場合に、その入所者の情報を入院コントロールセンターと共有するようにということでルール化しました。今回の事例でも入院コントロールセンターとの情報共有が課題になっていましたので、一定の数値になれば、入院コントロールセンターに対して、その情報を共有するようにということをルール化しました。
いずれにしても、変異株は従来株よりも非常に感染力が強く、全国的にも症状・病状が急変する事例が散見されています。今回の事例を教訓にしまして、このような事例に迅速に対応できるよう、これらの改善策を緊急に講じたところです。今も宿泊療養施設で療養されている方がおられますので、できることはなるべく早めに対応した方が良いということで、まずはできることを緊急にまとめさせていただきました。いずれにしても、府民の皆様の命と健康を守るために、入院、宿泊療養、自宅療養、これら全体を機能させることにより、府民の皆様の安心・安全の確保に努めてまいりたいと考えておりますので、改めて、ご理解ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
最後に、新型コロナウイルス感染症の現在の状況等についてご説明させていただきます。まず、新規陽性者数について、減少してまいりましたけれども、6月に入るころから、減少傾向にはありますが、減少のスピードが鈍化してまいりまして、下げ止まりの傾向にあります。昨日の足元の数値ですと、新規陽性者数は10名、7日間移動平均は41.29名、前週比は0.77倍となっておりますが、第4波の初期の頃(増え方)は第3波よりも早かったのですが、(新規陽性者数)50名くらいからの第4波の下がり方(減り方)は明らかに第3波の頃よりも鈍化しており、下げ止まりになっているのではないかということ、いずれ、ここをしっかりと抑え込まないとリバウンドの時に、より大きな波がやってくるということです。いずれにしても、感染を抑えていくためには、今緊急事態措置で実施しております、外出・移動の自粛、休業・営業時間短縮を守っていただくというお一人おひとりの感染予防の行動が最後は最も重要だと思っています。
ここ(資料)には、「正しくマスクを着用」と書かせていただきました。最近の感染事例を見ても、親しい友人・家族とのキャンプで全員が感染したり、10人を超えるようなホームパーティーで大半が感染したという例もあります。(左上の絵は)くしゃみをする際に、恐らく(マスクをしていると)気持ち悪いということで、マスクを外す方がおられます。これは特に飛沫が飛ぶので外すことがないようにお願いします。これ(右上の絵)は、マスクから鼻が出ている事例です。それから、(真ん中下の絵は)飲酒だけでなく、昼間にコーヒーやお茶を飲む機会においても、飲みながらお話しされるということは絶対にやめていただいて、お話しする際には、是非正しくマスクを着用していただきたいという意味で書かせていただきました。
これも以前から申し上げていますが、やはり最近の感染事例では、少し前から体調が悪かったということが見られます。約8割の方が何らかの症状を持っておられたということで、のどの痛みや熱があれば、まずは職場や学校を休む。その上で新型コロナ医療相談センターにお電話の上、かかりつけ医やPCR検査に繋げていくということで、症状がある時にはまずは休む、それぞれの職場や学校においては、そうした方が休みやすい環境づくりを是非ともお願いします。
それから、ワクチンについてです。昨日も話題になっていましたが、職域接種が6月21日から始まりますが、本日から受付を開始するということです。京都府でもワクチン接種対策室の中に「職域接種プロジェクトチーム」を立ち上げまして、相談を受け付けさせていただきたいと思います。我々、様々な立場がありますが、一つは自治体が行う接種について影響が出ないように国からも言われていますので、そうしたチェックを行うのですが、その前に、職域接種という話が出てきて、様々な企業・団体等から相談の電話がございましたので、今の状況や具体的な手続きについて、そうしたご相談に乗るためのチームを立ち上げます。これは一般接種の方ではないですけれども、電話も多いので、専用の番号を設置させていただきます。それから、京都府の大規模接種会場の予約が本日から始まりました。本日12時時点の速報値ですが、サンガスタジアムで1,915人、けいはんなプラザ1,863人ということで、合計して3,778人の予約がありました。地域や市町村別の内訳は分かりませんが、速報値として把握しております。これからしばらくは予約が続きますが、なるべく多くの方に利用していただいて、市町村が個別に行っている接種に加え、少しでも底上げして、高齢者の方の接種が円滑に進むように、我々も支援していきますので、よろしくお願いします。
最後になりますけれども、この間、府民の皆様、事業者の皆様に対して、緊急事態措置として、外出・移動の自粛、休業・営業時間短縮ということで大きなご負担をお掛けしてまいりました。ようやくそうした効果も出てきており、新規感染者数も減少局面にありますが、下げ止まりを懸念しております。6月20日までの間、もう一段、皆様のお力を借りしまして、感染者数のより一層の低減に努めてまいりたいと思います。それから、医療従事者の皆様には、特に第4波のピーク時から非常に大きなご負担をお掛けし、ご奮闘いただいております。ただ、入院の状況を見ますと、感染者数の減少程、負担が減っている訳ではありません。引き続きご負担をお掛けしておりますけれども、感謝申し上げますとともに、尚府民の命と健康を守るため、ご理解・ご協力を賜りますことを改めてお願い申し上げたいと思います。
私からは以上です。よろしくお願いします。
<宿泊療養施設の緊急改善策>
宿泊療養施設の緊急改善策について、現在検証中かもしれないが、この事案(宿泊療養施設での死亡事例)は防げた事案と考えているか。あるいは様々な要因があってやむを得ない事案と考えているのか。
防げたかどうかという意味においては、先ほど言いましたそれぞれの改善策があれば、その時には違う対応が取られた可能性があることは間違いないと思います。例えば、早めに入院をさせるだとか、連絡が取れなかった際に、緊急入室をしていればその段階でその時の病状が分かったと思います。同じことが二度と起こらないようにするための対応ですので、仮定の話はなかなかできませんが、対応としてはやむを得ないということではなく、あくまで改善策が必要だった事案だと考えています。
この件について検証することは先に発表があったが、今回の発表は本件からの改善策だが、この件だけに係る検証結果を発表する予定はあるか。
今も宿泊療養されている方がいるので早くできることからやるべきだという議論もありましたので今回発表いたしましたが、これが(対策の)全てという訳ではないですし、宿泊療養なり自宅療養なり、病院も含めて例えば第5波に備えて、もう一度再構築すべきだという議論もあります。とりあえず緊急のものはまとめましたが、これ以外にも今回の事案に関連して改善すべきところがないか引き続き検討してまいります。
現状では3つの課題が出ていますが、これがあったから死亡につながったという主原因はわかっていないのか。
亡くなられたのは新型コロナウイルス感染症が原因ですが、直接の因果関係を問うための検証というよりも、どういう課題があって、それを改善することが宿泊療養の安心安全につながるのかという観点で検証しました。様々な要素があると思っておりますが、それを一つ一つ検討の中で、解明というよりも、より改善策を模索する必要があると考えております。
こうした事案が準公共の施設で起こっている以上、解明が必要だと思うが、実態解明も考えているということでよいか。
前回ある程度詳細に健康福祉部長から経過は説明させていただきました。前回の発表時に我々は把握しておりませんでしたが、つい最近になってパルスオキシメーターの操作についての事柄がわかり、それも含めて更に検討する必要があると思いますが、宿泊療養の仕組み自体は、どういうものがより安心・安全につながるかということは検討していかなければいけないと思います。
パルスオキシメーターの表示が上下入れ替わって分りにくいこともあると思うが、医療従事者が注意すべきだったという気もするが、チェックをどのようにされていたのか。看護師1人が見間違えたまま進んだのか、それとも二重三重のチェックがあったのに全て漏れてしまったのか。その辺りの検証はどうなっているのか。
もともとパルスオキシメーター(の数値)について二重三重にチェックするようになっていませんでした。通常のパターンは患者が自ら計測をして電話なり口頭で伝えることになっているので、機器そのものを直接見る場合、見ない場合など様々なパターンはありますが、二重三重にチェックするようになっていないので、今回の件についても本来二重三重にチェックしていたものがされていなかったというものではないと思っております。実際問題は、体温や脈拍と同じで、本人が計測した上で(看護師に)お知らせいただくのが基本的なパターンです。
パルスオキシメーターを読み誤るということがあったということだが、このことと死亡との因果関係を京都府としてどう捉えているか。
全ての新型コロナウイルス感染者とその死亡との関係について、因果関係という意味においては厳密に検証することは難しいと思っております。数値自体は全て読み誤っていた訳でなく、その場面、場面がありますし、たとえ入院されていたとしてもどうなったかはわかりません。厳密な因果関係を我々が判断することはできないと思います。もしその数値が正しく読み取れていれば、適切な健康観察に繋げられたのではないかということは推測できますが、それと直接死亡との因果関係まで私どもの方で検証する能力はないと思っております。
今回は緊急改善策という形だが、第三者を交えて検証されることは今も続いている状態なのか。
今回まとめるにあたり専門家の方にご意見を伺いました。今日一旦、発表をしましたので、新しい事実に基づくことや、もう少し足の長い対応策で改善策があれば、専門家にご相談してアドバイスをもらってまとめていきたいと思います。
今日、府の専門家会議があったが、この件について何か意見は出たのか。
一つは、専門家会議で全体のコロナ対策を常に議論していただいておりますので、宿泊療養施設、自宅療養、入院とあって、この全体を入院コントロールセンターを中心としながらより安心・安全なシステムにするために日々改良していくべきではないかということ。また昨年に比べると、圧倒的に宿泊療養、自宅療養に様々な仕組みを入れておりますが、それをより改善していくべきだという意見がありました。様々な立場があり、病院を重症や中等症の方のためにより機能させるためには宿泊療養や自宅療養である程度経過を見ながら、症状が悪化すれば病院に来てもらった方がベッドが早く埋まらないので全体としては助かるという話もありましたし、一方で、なるべく早く入院させた方がいいという意見もあります。いろんな議論がありますが、全体としてコロナ患者を、特に感染が急拡大した時にどう受け止めていくのかは常に改善をしていくべきではないかということで、この中身についてということではありませんでしたが、第5波に向けてそういう議論をするべきだという話がありました。
宿泊療養施設の関係で、緊急改善ということだが、人員体制の変更については緊急に改善すべきという意見にはならなかったのか。
この時には人員が大変だったと言っていましたが、今の宿泊療養施設の利用者は100人を切っています。今おられる方のためにということで「緊急」となりましたが、当然、感染拡大時はその人員でよいのかという話はしなければいけないと思っております。緊急という意味においては、昨日時点で95人が宿泊療養におられますので、今おられるその方たちの安心のためにすぐできることをやろうということにしました。仰るように人員体制についても改善の余地があるかもしれません。この案件の教訓というよりも宿泊療養施設全体の機能強化をどうしていくかということの一環かもしれないですし、当然、検討課題になると思います。
遠隔で健康観察を行って、医師の診療が行われ、直接顔を合わせていなかったというところも改善の余地があると思うが、その辺りについて現時点でどう考えているのか。
それも人員の話とも関連しますが、一方では、全て対面するとなると費用の問題もあるので、酸素飽和濃度といった数値を見ながら必要に応じて対面にするとか、対面診療を望まれている方にするなど全てできるかどうかについては病院ではないので、難しいかもしれません。仰るように、対面診療をよりきめ細かくするとか、密度を濃くすることは十分あり得ると思います。
宿泊療養施設での事案について、課題イコールミスという認識か。
見誤った可能性があることは間違いありませんが、ミスという言葉の定義によりますが、操作がわかりにくい機械であったことによって見誤ったことは間違いないと思います。ミスかどうかはわかりませんが、見誤ったことは間違いないと思います。
それは説明不足ということか。
どういう風に説明したかはわかりませんが、もちろん説明不足の可能性もありますし、ただ、表示をよく見れば数字は書いてあるので、説明しなくても分かったかも知れません。因果関係は分かりません。
私は昨年12月にパルスオキシメーターを初めて見ましたが何もわからなかった。そういう意味では説明がなかったのかなという気がします。
私自身もそうですが、パルスオキシメーターというものの存在さえも、今回のコロナ禍になって初めて知った方も多いと思います。そういう意味では、施設療養、自宅療養の方に対し、使い方も含めてきちっと説明することも当然重要なことだと思います。健康観察の中で十分やっていただいていることになっていますが、その辺りもご指摘を踏まえて指示したいと思います。
この緊急改善策は、既に改善されているのか。
そうです。これは(既に実施)しました。
<ワクチンの職域接種等>
職域接種プロジェクトチームについて、本日からの申請開始だが、京都でも大学や企業で申請しているケースや、すぐには申請しないもののやるつもりで手を挙げられているところを把握しているか。
これは京都府に申し込みのシートが届きますが、我々が企業名を出していいのか分かりません。少なくとも2社程度がやりたいという意向を示しているという情報は聞いていますが、はっきりは分かりません。
まだ申請はどこからも来ていないのか。
今の時点では来ていないと思います。しかも、今日1日で締め切りではなく、21日からやろうと思えば今日申請しなければフリーザーやワクチンの関係で間に合わないということなので、その後、増えるのだと思います。意向を示されているところがあることは把握しております。
他の都道府県で64歳以下についても大規模接種会場を設ける考えを示されているところもあるようだが、京都府は現時点でそうした考えはないのか。
もともとワクチン接種は市町村の仕事で、特に今、高齢者の接種を7月末に終えることを努力されているので、市町村の接種を妨げない中で、なおかつ、それをお助けしていく立場なので、当面は65歳以上の接種をお手伝いするということです。ご指摘のように、基礎疾患や施設の方、そして一般接種に移る過程で京都府がどれくらいカバーするのか決めなければいけないと思います。人口が1万人を切るような町村は別ですが、市町村が65歳以上の方が終わった後、どのように進めるのかということとも関連しますので、高齢者接種が終わる前に、京都府がやりますということは、打ち出さない方がいいと思います。市町村からも様々な相談を受けております。京都府が大規模接種をやったのも、市町村にヒアリングをして会場の確保と打ち手となる医療関係者の確保に支援をと言われたので、市町村の支援もするし、自ら設営することになりました。全てできる限りやっていくということになればどうするのかということになりますが、まだ我々として乗り出すということを言うのは時期尚早かなと思います。
職域接種の企業や大学について、市町村の接種に影響しないように医療従事者等を自前で用意するというのが前提ではあるが、一方で、大規模な接種を行おうとすると支援が欲しいという考えもあると思うが、府として大学や企業に対して独自支援をする考えはあるか。
都道府県経由で提出をする職域接種申請の際の一番のポイントは自治体接種に影響を与えないようにチェックするように国から明確に言われています。最初に職域接種が出てくるところは、それなりの規模があって実力のあるところだと思うので、それが自治体への影響がないことをチェックするのが第一だと思います。その次に支援ですが、支援する内容はおそらく市町村支援と同じで、会場の確保まで必要か分かりませんが、医療関係者の確保です。そうなると京都府がやろうと思っても市町村の接種に影響を与えないようにやれるかというと今の段階ではなかなか難しいと思うので、いずれ医療関係者の斡旋や調整については京都府の役割として出てくるとか思いますが、当面は市町村に影響を与えないように自前でしっかり確保してくださいと(職域接種に)乗り出される方にお願いすることだと思います。いずれは支援もやらなければいけないと思いますが、当面はないです。
大規模接種会場の2会場で3,778人が予約されたが、この人数の受け止めはどうか。
細かく分析しないといけないと思っていますが、最初の予約可能な市町村の範囲は限っています。一方で予約日は全ての期間について予約して良いので、何日にどう入っているかによって想定したとおりになっているかわかりませんが、私自身は4,000人近い一定のニーズがあることについてはそれだけ市町村の接種への負担を減らすということなので、貢献できるのでないかという感じを持っていますが、全体を見てみないと個別の評価はできないです。
京都府の一部地域で12歳から15歳のワクチン接種が始まっているが、一部批判が役場に届いているということであるが、接種は各市町村の判断が基本だが、12歳以上の接種について、どのような見解か。
安全性については既に公式見解が発表されていますので、12歳以上はどうとか16歳はどうかということを私自身に評価できる知識はないので、しかるべき方が専門的な知識に基づいて安全性を言われているので、感染のリスクはある訳ですから、希望されれば接種されて何ら問題ないと思います。
専門家会議で、今年の1月30日から5月までの「死亡者の状況」について資料にまとめられているが、この会見の場にこの資料が出されなかったのは何か理由があるのか。
専門家会議の資料が公表されるということだったので、そのままにしたということです。
専門家会議資料の配付と会見資料の配付と整理したものです。
ホームページ上でも会見資料はまとめて公表されているので、府民の方が会見の内容を見たいと思えばこの資料に当たれると思うので、これは出すべきではないかと思います。
これについては前からご指摘がありましたし、他の都道府県でもたくさん(公表)例がある訳ではなかったので、どういう形でまとめるか悩みましたが、年代別と基礎疾患の有無と宿泊・自宅療養のところは第1波のはじめから5月で区切り、ある程度のボリュームがないと遺族の方の関係があるのでできる限りまとめました。会見資料として出すことにします。
全体像が見えたことは、これまでに比べて情報が明らかになって、府民にとってもどれくらいの方がどうなっているのか分かったと思う。その中で宿泊療養施設での死者だというのがわかるが、一方で、第4波以降に亡くなられた2人については説明があったが、例えば年末年始に亡くなった方について公式に説明はないのか。
どの時点でもご遺族の方から公表についてのご了解が得られた範囲でしか公表してないものですから、今回のお2人については私たちがやりたいからやったというよりも、ご遺族の方の一定のご理解があって出すことができたもので、昔のものを遡って今の時点で出すことはなかなか難しいことだと思っております。
今回のお2人についても、概要がわかったからこそ、教訓が生かせたり、今後どうするべきかという話が広くできると思う。個人の動向に関わらないところでお答えいただければと思う。
常に私もできる限り出したいと思っていますので工夫したいと思います。
<緊急事態措置関連>
時短休業要請について、大阪府では命令まで行く動きがあるが、京都府では現状協力してもらえない店舗に対してどのような対応をしているのか。
京都府の場合、ベースとして99%以上の方にご協力をいただいておりまして、かなり協力の度合いは高いと思っています。守られていない店については、電話だけでなく文書を送付し、直接出向いて要請をしております。そうすると少しずつ効果が出て閉まるところも出ています。目的は時短や酒類提供の禁止なので、当面はそれを粘り強く続けさせていただき、それでもだめな場合は、法律に基づく文書の要請も視野に入れていますが、今のところはそれぞれの個別店舗に対する働きかけを強力に行うことで、できる限り守っていただく努力を続けたいと思います。
新規感染者数が減少傾向にあるが下げ止まっているということで、宣言の再延長の要請の可能性はないのか。新しい措置に移行された場合に酒類提供の禁止は続けるという認識か。
そこまでまだ考えていませんが、下げ止まりの状況の中で、明らかに第3波との違いは、今の感染の主流が英国株だということが関係しているのではないかと思われます。一方で、デルタ株(インド株)を想定するとなるべく下げたいという思いの中で決めていかなければいけません。4月25日から緊急事態措置をやっていますが、人の流れの状況を見ても、緊急事態措置自体の効果が薄れることを非常に心配していますし、もともとメリハリをつけた形で運用すべきだと思っています。第3波の時も2週間だけでしたが、営業時間短縮要請をやらなかった時期がありましたが、一定のメリハリが必要だと思っているところです。長く伸ばしても行動自粛につながらなければ意味がないと思っておりますので、そうした観点も踏まえて考えていきたいと思っております。どういうことをするのかは白紙の状態です。
<その他>
デルタ株のL452R検査については、京都府ではまだやっていないということか。
スクリーニングは来週にも始めたいということです。これは京都だけではないと思います。ただ、ゲノム解析するには国立感染症研究所に送らないといけないので、そういうことが地方でもできるように全国知事会でもお願いしておりまして、今月中に習熟して、ゲノム解析もできればいいなと思っています。とりあえずスクリーニングは来週から行います。
今N501Yで行っているのと同じようにPCR検査でそれだけを検出できるようにするのか。
昨日大臣も、4割ほどやってほしいと言われていましたが、早く予兆を掴みたいということなので、今と同じ形でやるということです。
徳島や滋賀は今週からやっているようであるが、京都はどうして遅いのか。
今、国立感染症研究所の指導を受けながら鋭意進めていますが、課題も出てくるので、解決しながら進めています。
聖火リレーについて、京都スタジアムで報道車の轍が残っているということが確認されたが、知事は補修費の負担に関しては府が負担するべきと考えているか。
負担の前に、今、(中継)車が回ったことで予想した以上に圧力が掛かったという話と、聖火リレー実施日前後の気象が芝に強いストレスを与えたのではないかと言う人もいて、轍ができているので走行車両が影響しているのは分かると思いますが、どういう原因かを専門家に検証していただいています。当面Jリーグに迷惑をかけてはいけないので、応急的な対応をしていますし、今週も応急的な対応になると思います。張り替えとなると10日以上掛かりますので、どれくらいの日程でというのはサンガと詰めないといけないと思います。
費用負担については、もともと聖火リレーは組織委員会と京都府の共同開催ということになっていますが、役割分担の中で京都府は会場の手配と設営になっています。そういうことから京都府と組織委員会の共同開催なのでどこかで誰かが負担しないといけないのですが、組織委員会とも協議しながらですが、京都府に責任がないということはないので、いずれ費用負担についても組織委員会との話し合いの後に決めたいと思います。どういう原因なのか、2度と起らないようにしないといけないですし、コンサートをやるような大きな機械を入れるためのトラックが入ることを前提で板を敷いて、それと同様の想定でやったのですが、違うということであれば今後のスタジアムの使い方にも関係しますので板の使い方も含めた形で検証した上で対応したいと思います。費用負担については何らかの対応をせざるを得ないと思っていますが、あくまで予算、財政負担の話なので府民の皆様や多くの方のご理解を得た上で支出すべきものだと考えております。
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