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本日は令和3年度当初予算案と令和2年度2月補正予算案についてご説明します。
昨日、国の第3次補正予算が可決、成立しておりますので、それを踏まえて令和2年度2月補正予算案を(令和3年度当初予算案と)合わせて、14ヶ月予算という形で編成を行っています。
まず全体の予算基本方針ですが、現在、緊急事態宣言が京都府にも発令されています。まずは、府民の皆様の命と健康を守る感染症対策を最優先に取り組むとともに、非常に大きな影響を受けている府民の生活と事業者の事業運営を支え、一丸となってこの危機を克服する決意をこの予算に表しています。合せて、時代の変化に適応した施策を展開することによって、POSTコロナの夢や希望が持てる新しい京都府の実現につなげるということで、ワンフレーズで言えば「コロナ危機克服・新しい京都実現予算」と銘打っています。予算は7本の柱で構成していますので、「命・健康・生活・事業を守るコロナ対策」以下、順次ご説明します。
1.命・健康・生活・事業を守るコロナ対策
「(1)医療提供体制等の確保と感染防止」、「(2)京都経済を支える対策」、「(3)生活・雇用の安心強化」ということで、合わせて2,412億円台です。
(3)生活・雇用の安心強化
ひとり親家庭等見守り・生活応援事業費(1.9億円規模)
ひとり親家庭等見守り・生活応援事業について、1.9億円規模です。
子ども食堂やこどもの居場所づくりについて、引き続き感染症対策経費として、感染症対策の費用や、こどもの城や子ども食堂から遠距離の子どもの送迎経費などを見守りとして、また、生活支援について、11月補正予算で心理カウンセラーを配置することし、12月から配置していますが、これを令和3年度も引き続き配置することで相談体制を強化するものです。
非正規雇用女性就労促進事業費(3.3億円規模)
それから、生活・雇用の安心強化の中では、3.3億円規模ですが、特に非正規の女性雇用者の方が非常に厳しい状況にあると聞きますので、女性の就労支援についての相談から就労までの一体的なサポートということで、京都ジョブパークで色々な相談を受けますが、女性になかなか声が届かないという話もありますので、アウトリーチということでそれぞれの市町村には様々な仕事と暮らしの相談窓口がありますので、そこに巡回に行くことによって、こちらからも困っている女性の声を積極的に拾って、就労に繋げていくということです。
また、就労支援として、職業訓練やスキルアップセミナーを実施するほか、個別の小さな企業説明会も70回程度実施し、就職機会の拡大につなげていきます。
STOP氷河期・学生就職応援事業費(5千万円規模)
STOP氷河期・学生就職応援事業について、5,000万円規模です。
第2の就職氷河期世代を生み出さないために、特に高校生については高校の先生方が持っておられる就職先の幅がそれほど広くないということで、先生を対象に企業経営者との交流会や企業見学会を積極的に実施します。高校生は先生からの影響が大きいので、高校と企業のつながりを強化することでなるべく選択肢を拡大したいと思っています。
大学生については、未内定者向けの合同説明会の開催や、大学入学時から卒業時まで切れ目なく段階的に就職支援をしていきます。
2.府民の暮らし安心強化
総合医師確保対策費の一部(3千万円規模)
医師確保対策の一環として、3,000万円規模です。
ずっと前から課題となっていました舞鶴地域で麻酔科医が1人くらいしかいないことについて、病院が結構ある中でどのように解決するかということで、舞鶴地域麻酔診療支援センター(仮称)を設置し、ここで医療情報の共有システムを作り、それに基づいて複数の病院を担当する麻酔科医のグループを作ることで、麻酔科医の不足という課題解決に繋げるものです。
生涯現役活躍人材育成支援プロジェクト事業費(9千万円規模)
次に、生涯現役クリエイティブセンターの開設として、9,000万円規模です。
京都経済センター内に開設を予定しています。これは総合計画の中にも盛り込んでおり、非常に平均寿命が延びており、サラリーマンの方もリタイアしてから仕事やボランティアなど様々ありますが、なるべくミドル・シニア層の幅広い社会参加をしていただこうということで、その拠点を様々な団体が入っている京都経済センター内に開設したいというものです。そこでは、リカレント教育など社会参加に必要な様々なスキルを学んでいただく大学や経済界を連携した拠点を形成します。
ひとり親家庭等あんしん生活支援事業費(一部再掲・20.2億円規模)
離職者再就職支援事業費(一部再掲13.7億円規模)
先ほど説明しましたひとり親家庭へのコロナ対策や女性の就労支援を含んでいますが、全体としてひとり親家庭のあんしん生活支援事業ですが、これは医療費等の助成もあります。離職者等についても相談から就労までの訓練、マッチングを行っていきます。
3.子育て環境日本一に向けた取組強化
令和2年度はコロナの影響もあり、予定していた事業を思い通りできていない部分もあるのですが、例えばPCR検査の妊婦への公費助成は昨年4月から全国で初めて行っていますし、免許更新やパスポート申請などにおける「きょうと子育て応援レーン」の設置や移動式授乳室のようなサービスを行っていますが、令和3年度は更に進化させていこうというものです。
子育て環境日本一推進会議(仮称)設置費(4百万円規模)
まずは、推進会議の設置ということで400万円規模です。
会議設置のねらいは、子育てに関する様々な団体は教育機関もあれば、経済団体、個別に京都府と包括連携協定を結んでいる企業などたくさんございますので、そうした方の参画を得て、「まちづくり」、「風土づくり」、「職場づくり」と部会を設けて、具体的な取組を全て行政がやるということではなくて、大きな運動としてやって行こうということです。その真ん中の「風土づくり」の取組としてサミットの開催を位置付けています。
子育てにやさしいまちづくり事業費(1.5億円規模)
その中の一つとして、令和2年度から取り組んでいますけれども、子育てにやさしいまちづくりということで、ある程度面的に子育てにやさしいポイントを作っていこうということで、令和2年度も4箇所で推進していますけれども、1.5億円規模、補助率3分の2です。今回は、子どもの居場所、子ども、親子の交流の場、子育て中のパパママの仕事場をテーマとして、ここに書いているような(廃校や公園等の整備による地域の子どもの居場所づくりなどの)イメージです。こうした子育てにやさしい地域を面的に構築していこうという事業です。最終的にはここに様々な施策の重点配分等をしていきたいというのが私の思いです。
妊産婦包括支援事業費(1.1億円規模)
子育てしやすいまちということで、妊産婦包括支援事業は新規で1.1億円規模です。
産後うつなど妊産婦の方には様々な困難な状況があります。産後ケア事業の利用促進や妊産婦に対する育児・家事支援の拡充等を図るものです。
不妊治療給付等事業費(11.8億円・一部補正)
不妊治療給付等事業については、国の方が一部拡充しており、これに伴い、京都府がこれまでも国の制度に上乗せして独自の支援を実施していますが、これについての拡充で、特に所得制限の撤廃を行いたいと思っています。
次世代型学力・学習状況調査研究事業費(1千万円規模)
最後はICT教育について、ペーパー(紙)ではなくて、コンピューター上でテストをすることによって(採点の)手間を省けるだけではなく、その後の分析など、埼玉県が先行してやっていますが、非常に学力の向上に繋がったという成果も出ています。それのとっかかりということで準備をしたいと思います。
子育てにやさしい風土づくり事業費(2千万円規模)
それから「きょうと子育て環境日本一サミット」というのは、先ほど申し上げました「風土づくり」部会の中で、オール京都で子育てにやさしい風土を作っていこうというものです。
子育てにやさしい職場づくり事業費(1.2億円規模)
子育てにやさしい職場づくりについては、私が就任以来徐々に理解を得まして、先進的な企業ではかなり様々なことをやっていただいています。例えば、子連れ出勤のスペースを設けることや在宅勤務、これは特にコロナ禍になり進んでいます。その他時間単位有給休暇の導入など様々ございますので、そこへの支援、更には子連れコワーキングということで複数の企業が協働して、子連れのサテライトオフィスのようなものを設けるなど、子育てにやさしい職場づくりを応援するものです。1.2億円規模です。
4.文化首都・京都から伝える文化の力
文化芸術発信強化事業費(4千万円規模)
令和4年度に文化庁がいよいよ京都に本格移転してきます。それに向けて国内外へ文化の発信ということで、例えば地域文化や伝統文化、既に実施しています障害者芸術、これは文化庁主催のイベントを先日京都でやっていただきましたので文化庁と連携して大きく広げていきたいと思います。
北山エリア整備推進事業費(1千万円規模)
それから北山エリアについては、基本計画に基づく事業スキーム等の検討に1,000万円規模です。
地域文化活性化推進事業費(1千万円規模)
日本博府域展開アートプロジェクト事業費(4千万円規模)
それから地域文化の活性化ということで、DMOに文化観光サポーターを配置することで文化観光を推進するもので1,000万円規模、文化庁の日本博を府内で展開するもので4,000万円規模です。
5.京都産業の強み再構築
昨年5月補正で危機克服会議を設置し、商店街・小売業、ものづくり、伝統産業、観光、食産業をテーマに、現在も検討していただいています。12月には中間とりまとめをしていただきましたので、これに基づいて以下5分野についてそれぞれご説明します。
新しい商店街づくり総合支援事業費(1.1億円規模)
商店街・小売業では1.1億円規模です。
改めて商店街が地域コミュニティの中核となるということもありましたので、そうした役割を担うための再整備です。
企業連携型ビジネス構築事業費(2.2億円規模)
ものづくりでは、コロナ禍での市場の変化に対応するために企業連携が必要だということが言われるようになりましたので、グループ形成のための技術紹介交流会や市場調査・技術開発等への資金支援です。
伝統産業産地再構築事業費(2千万円規模)
伝統産業では、これまでも様々な人手不足、細かな分業や商慣行の問題などございました。西陣、友禅、丹後の3つの産地の連携をより強化していこうということについて、それぞれの産地で機運が高まってきましたので、そのための「シルクテキスタイル・グローバル推進コンソーシアム」の設置など2,000万円規模です。
地域の魅力を活かした観光振興事業費(6千万円規模)
観光では、コロナ後は本物の観光が見直されるという様々な指摘をいただいています。データ分析をしながらの人材育成や新しいアイデアの公募を行います。
京ものブランド力向上総合戦略事業費(1.6億円規模)
最後に食産業では、中食がコロナで需要が高まり、「京都プレミアム中食」として、開発を支援していこうというもので、1.6億円規模です。
世界に伍するスタートアップ支援事業費(2千万円規模・府市協調)
次に、スタートアップについてです。昨年スタートアップエコシステムの戦略拠点都市に、大阪、京都、兵庫が選ばれました。これを具体的に進めていくための経費として、府市協調で2,000万円規模です。
スマートけいはんな活動強化事業費(4千万円規模)
けいはんなについては、4,000万円規模です。スマートけいはんなということでスマートシティーの実現を推進するものです。
集落連携100ha農場づくり事業費(8千万円規模)
農業関係では、京都は中山間地域が多くなかなか大規模化が進みませんが、100ha程度の農場があることが持続可能性のある農業の発展に繋がるということで、そうしたものを作るための支援チームや畦道、田畑の管理を共同化するなど、営農モデルを作ることに8,000万円規模です。
「京都ブランド米」新展開事業費(7千万円規模)
また、昨年命名して発表しました新しいお米の「京式部」をいよいよ10月頃から本格デビューさせますので、プロモーションなどを含めた経費で7,000万円規模です。
6.防災対策等の強化
水位・氾濫予測システム導入事業費(1.6億円規模)
「水位・氾濫予測システム」の導入で、1.6億円規模です。
最終的には令和5年度の運用開始を予定していますけれども、比較的中小規模の河川などいきなり水位が上がるという河川では、目視での観測では間に合わないので、あらかじめ一定の降雨量があればどれくらい水位が上がり、どういう場合に水が溢れるかという予測システムを作っていれば、降雨量と連動してより早く避難が可能になるのではないかということがあり、そのシステムを作るための作業に着手する経費です。
危機管理センター整備費(1千万円規模)
また、危機管理センターにつきましても、基本設計に入りたいと思います。1,000万円規模です。
安心・安全基盤、道路整備による強靱化(851.1億円規模)
それから、国の「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」があり、(国の)3次補正予算の中にも組み込まれていますけれども、これを最大限活用して安心・安全基盤等の整備を展開するものとして851.1億円規模です。
地球温暖化対策総合戦略事業費(16.0億円規模)
それから、地球温暖化対策総合戦略事業として16億円規模です。
再エネと省エネが柱です。再エネについては風力、バイオマス、小水力、太陽熱などがございますので、そうしたものを新たに総合化するということで総合補助金の創設です。
気候変動適応推進事業費(1千万円規模・府市協調)
また、気候変動適応推進事業については、「地域気候変動適応センター(仮称)」を設置するもので、府市懇談会でも合意したもので、そのための経費として1,000万円規模です。
7.魅力ある地域づくり・基盤整備
「海の京都」「森の京都」「お茶の京都」DMO推進事業費(2.0億円規模)
海の京都、森の京都、お茶の京都それぞれにDMOがあり、これまでからもDMOには非常に活躍していただいていますけれども、観光地域づくりの法人の役割に加え、更にまちづくりを支援する法人へと進化していただいという思いです。そのための専門人材をそれぞれのDMOに配置することによって、そうした役割を担っていただきたいと思います。
舞鶴国際ふ頭2期整備事業費(9.0億円規模)
また、舞鶴国際ふ頭の2期整備について、以前から計画の検討はしていましたけれども、このコロナ禍でも比較的荷扱いも順調ですし、交通インフラの整備によりかなり需要がありますので2期整備の土地造成に向けた護岸整備に着手するための経費として9.0億円規模です。
新生・府立大学構想策定費(1千万円規模)
府立医科大学機能整備計画検討費(5千万円規模)
府立大学の構想策定費、府立医科大学の機能整備計画検討費としてそれぞれ1,000万円規模、5,000万円規模です。
次にデジタル改革の推進です。
次世代型学力・学習状況調査研究事業費(再掲・1千万円規模)
行政手続利便性向上推進事業費(4千万円規模)
警察行政サービス・デジタライズ事業費(1千万円規模)
デジタル改革については、再掲もございますが、先ほど申し上げたコンピュータを活用したテストの実施や申請から支払いまで納税証明書の発行等のオンライン化、警察における免許更新の予約システムの導入等です。
スマートけいはんな活動強化事業費(再掲・4千万円規模)
地域の魅力を活かした観光振興事業費(再掲・6万円規模)
官民連携としては、どちらも再掲ですが、スマートけいはんなと観光のデータ分析についてです。
行財政改革の取組
最後は、持続可能な財政構造の確立について、コロナ禍で行財政は非常に厳しい状況です。人件費で約18億円減、事業の見直しで約47億円減、歳入確保として未利用地の売却等を含めて約10億円ということで、行財政改革についても努力しています。
予算案の規模(14か月予算)
予算案の規模について、令和2年度2月補正予算が636億円台、令和3年度当初予算が10,350億円台です。合計すると10,987億円台ということで、当初予算としては、過去最大規模です。前年度当初予算比で114.8%、14か月予算ベース比119.7%ということです。
私からの説明は以上です。よろしくお願いします。
令和3年度当初予算案の概要等について(PDF:2,541KB)
医療提供体制等の確保について、受入病床等の確保の358億円規模というのは、人手が足りないなど人に対する支援なのか、それとも従来通りの病床1床あたりに対する支援なのか、予算の使途はどういうものか。
基本的には、今までの病床確保に必要だったお金を一定の前提として積んでいます。これは包括支援交付金で全額国費ですので、厚生労働省の基準に従った積算に基づいています。空床確保分については、患者の数に関係なく一定額が必要ですので、基本的には病床ベースで考えています。
空床を増やすと言われるが、720床があっても、人手が足りないから330床しか使えないということであれば、病床が1,000床になっても2,000床になっても同じだと思うが、知事の考えは。
病床としては確保しておかなければいけないと思っており、(使えない病床を)更に増やすことは考えてなく、なるべくマンパワーを含めた実働を上げていくことが必要だと思っています。物理的な隔離病床の確保としては今のベースを前提に積算をしています。
330床しか使えない状況で、それは人手が足りないからと言われるが、そうであれば358億円の使い方についてもう少し丁寧に説明していただいた方がわかりやすいのではないか。
例えば、コロナ患者を受け入れた場合、国から病院に直接、1人当たり最大1,950万円の支給があります。これは全て経費込みだと思いますが、都道府県の役割の分と国直接の分がありますし、病床ではない、例えば医療従事者の特別勤務手当などは掛かったマンパワーに対して出すものです。そういう意味では、全体としてはなるべくマンパワーを確保して330床から増やしたいと思っていますが、その行為が予算によって制約されることはなく、できる限り(病床を)確保すればそれが使えるように予算上の準備をしています。ただ、この358億円については、病床の(確保のための)予算です。
それでは「720床あるが、実際に使用できるのは330床でした」ということをまた繰り返してしまう恐れがあるのではないか。人手が足りないから330床しか使えないということなので、人を確保しないと根本の解決にはならないと思うかどうか。
それについては、予算とは別にしても330床から1床でも2床でも増やしたいという努力は続けていきますし、今もしています。いずれ発表できる時期が来れば皆さんにもお知らせしますし、すぐに使用できる病床の確保については最大限努力します。ただ、今日の段階では折衝等調整を続けているところです。
100床以上の病院にお願いしているということだが、その分も含めた予算ということか。
330床については非常に重要な論点ですが、1床でも2床でもというのは非常に厳しい中での確保なので、それが予算上の制約でできないということではありません。総理もコロナ患者を受け入れることによって経営が傾くようなことはいけないと言われています。ただ、物理的にマンパワーがないという状況の中で、様々な工夫をしていこうということで病院側との調整を行っています。予算上の中で言えば、その分についても考えて措置をしています。
雇用関係について、女性に対するワンストップでの就労支援や大学生、高校生への就労支援があるが、今、女性の失業者に対しての新しいサポートは考えているか。
コロナ禍の中で女性が非正規の方も多く大変で、どうすればそうした方に手が届くのかということで、相談をいただければ様々な支援策がありますが、マザーズジョブカフェのあるジョブパークに来られないこともあって、PR不足もあるかもしれませんが、相談いただければ性別やコロナに関わらず手厚く就労支援をしていますので、こちらから出向いていって、いろんなところで相談されている声を拾って、相談に来ていただこうということで、施策へのアプローチをより強化しようというものです。制度の拡充もさることながら、我々が持っている様々な支援制度をなるべく活用してもらう工夫としての予算です。
新型コロナウイルスの影響を本格的に受けてから初めての当初予算案になるが、編成の過程でどういうことに心がけて編成したか。また、苦労した点はあるか。
まさに緊急事態宣言の発出下で最終的にまとめるということでしたので、新型コロナウイルス感染症から府民の命と健康を守ることを最優先にする一方で、事業者や府民の方が非常に影響を受けていますからこれを取り除くことを最優先で盛り込みました。ただ、コロナが完全に収束するかどうかは別にしても、ポストコロナの新しい京都づくりについて何も材料が無いということでは、停滞しているわけにはいきませんので、財政の厳しい中ですが、次のステップにいくための予算を計上することとしました。例えば、子育て環境です。また危機克服会議では、産業は連続していて厳しいけれども、それを克服してポストコロナの産業の姿を探りたいということで、様々な意見をいただいており、それを生かしていきたいと思います。コロナがいつからどうなるかは完全に見通せない中で編成をすることが一番大変でした。
それと、財政が厳しく財源に限りがあります。国の第3次補正予算が成立しましたが、今後どこまでコロナ対応の財政需要が必要になるのかということも見通しながら、これからも必要なことについては国に財源確保をお願いしていかなければいけないということを思いながらの編成となりました。その2点が苦労しました。
財源捻出について行革があるが、その中で人件費削減による給与カットとはどのような内容か。
私であれば、単年度で措置していますが、マイナス8%、副知事マイナス4%、管理職マイナス1.5%などの給与カット、超過勤務の単価の見直しなど、少しでも人件費を減らす措置です。
財政運営について、京都府は以前から財政調整基金を積み増さずに、使っていく方針だったが、このコロナ禍の中でどのように考えているか。
財政調整期金を積み増すほどの余裕はないのはまず間違いないです。今回も税収が相当減っていますが、国全体の地方財政の仕組みが地方一般財源を減らさないということで、交付税の増額や特例的な起債によってバランスをギリギリ取れているところです。財政調整基金を積み増すほどの余裕はないので、将来に備えるべきという考えもありますが、今は特にコロナということがあり、喫緊の必要な経費について何とかバランスを取って編成したということです。
歳出削減について、「府民ニーズに即した事業の見直し」について詳しく聞かせてほしい。
コロナで従来のような事業推進ができないということを前提に、細かいことの積み重ねではありますが、特にコロナの関係で、例えば人が集まることを前提としていた防災訓練などについて、やり方を工夫して分散させるとか、人が集まるイベントを廃止するといったものが多いです。不断の見直しはしていますが、今回はコロナ禍ですので、規模の縮小や休止による削減と考えてもらえたらと思います。
明日で、府内でコロナの感染者が見つかって1年になるが、この1年間を振り返って知事の考えを聞かせてほしい。
昨年の1月30日に武漢からの留学生の方の感染が判明しました。正直その時点で、今このように取り組んでいることは全く想定できていませんでした。そういう意味では、振り返れば大変な1年であったなというのが実感です。一方で京都府内では、1月は1人、2月も1人でした。最初はダイヤモンドプリンセス号や中国の一部の話でしたが、パンデミックというのは国境も都道府県境もなく、ウイルスの特性上、感染が拡大していきますので、皆で協力して対策を取らないと最終的には日常の生活に戻れないという意味では、人類にとっても我々にとっても非常に脅威だと感じています。その中で、感染拡大防止と社会経済活動の両立というのはずっと変わっていませんが、その軸足が、感染拡大した時には感染拡大防止に行き、感染が収束すれば少しでも日常を取り戻そうとなりますが、この舵取りもなかなか基準があるようで無く、難しいと思っています。私の仕事としては、その状況に合わせて、日々努力していくしかないという実感です。
緊急事態宣言の期限まであと1週間程に迫ってきたが、今の時点で解除ができると考えているか。また、一定の数値を設けて判断するのではないと言っているが、例えば病床使用率である程度の目安があれば教えてほしい。
昨日も関西広域連合の記者会見で3府県の知事から何度か答弁をしてからまだ1日しか経っていないので変わりませんが、全体的に感染が減少の傾向にありますが、新規陽性者数は高止まりをしています。医療の状況も引き続き逼迫していますので、まだしばらくは緊急事態措置の効果を含めて感染状況を注視させていただきたいし、できる限り緊急事態措置の効果を発揮するように呼びかけを続けたいというのが現状です。今医療のところは比較的中等症や高齢者の方が多く、治療が多いものですから、新規陽性者数からすぐに医療の状況に反映されるかどうかわかりませんので、そこは新規陽性者数と医療の逼迫状況を見ながら判断していくことなので、一つのカテゴリだけではなく総合的に判断する必要があると思っています。
コロナによる死者数について、昨年6月の厚労省の事務連絡で、PCR検査が陽性であれば厳密にはコロナが死因でなくてもコロナによる死とカウントするようにという指示が出ているが、それによって実際新型コロナとは別の死因で亡くなった方の数も含まれた数と聞いている。そうした数字が政策判断に役立てられる数字なのかどうかについて、知事の見解を伺いたい。
その6月の通知について私は詳細に承知しておりませんが、コロナに感染された方が亡くなられた数を基本的にカウントしています。病院の場合等は医師の方がそれぞれのところで判断をされていますので、もちろん複合的な要素がある場合もあるかもしれませんが、コロナの影響が否定できないということで、どう考えるかという一つの線として、今の段階では全国一律の考え方でカウントされています。厚労省の決める問題であり、そういうカウントの前提に立って政策判断をすればいいということなので、我々はそれを受けて判断すべき立場にあると考えています。
昨日の田村厚労大臣の答弁で、質問者は柳ヶ瀬議員だが、交通事故による死者はコロナ死に含まれるかという質問に対して、大臣は交通事故による死は多分含まれないだろうと言われていました。多分で済ます問題ではないと思うが、こういったことを踏まえて調査をしてもらうことは可能か。
京都府単独として調査をする気はありません。交通事故の話は私も国会を聞いておりませんが、陽性が判明して入院されて亡くなった方の死因と、亡くなられてから後でコロナが判明した場合というのはパターンが違うものだと思っていますので、交通事故で亡くなった方は含まないだろうという大臣の答弁は、私の推察では、後で判明したパターンだと思いますが、大臣の答弁の趣旨はわからないので私からお答えする立場にはありません。
そうした実態があるような数字であれば政策判断に使える数字ではないと色々な方が指摘しているが、これまでその数字について把握したことはないのか。
我々としては医療機関や病院の判断に基本的に従っているので、行政としてそれについてさらに突っ込んで調査をしたということはありませんし、すぐにそういうことをするつもりもありません。
財政運営について、今回府の借金にあたる府債残高はどれくらいになっているのか。過去最高か。また、当初予算案の規模が過去最大となり府の財政が厳しい中で苦慮された予算編成であったと思うが、知事の考えはどうか。
税収の減があり、国全体の地方財政対策の中で地方一般財源の総額の確保でなんとか編成できたという意味では、非常に厳しい状況です。当初予算案の規模が過去最大となりましたが、その中には融資制度に伴う金融機関に対する預託がありますので、これについては財源の構成上特殊な状況がありますので、かなり膨らんでいる要素もあります。それを除いても、相当厳しいことは間違いないと思っています。府債残高についても起債額が増えていますので、残高は増えています。
緊急事態宣言の期限が2月7日に来るが、吉村知事は国への意見もという発言があったが、西脇知事は国へ意見をするのに目途というのはあるか。
吉村知事と2人で話しているときには、そのような話はありませんでした。昨日の時点では井戸知事もそうでしたが、判断すること自体がなかなか難しいと言っていました。1月5日に関西広域連合のコロナ対策の会議の中で、3府県で連携しながら対応していこうという合意に基づいて1月9日に西村大臣に要請しましたので、国に意見をどうするかは別にしても、感染状況をもう少し見て、お互い連絡を取り合って調整をする必要があることについては、昨日も確認しております。国に要請する行為は、法律上ないのにやりましたが、春先の解除の時は、宣言よりも措置の中で細かく解除されていった経緯もあること、国の基本的対処方針がどうなるかということがあります。また今回の場合は、飲食店の時短要請の協力金については国の財政フレームの中でやっておりまして、これは独自にやれと言われてもとてもそんなことはできないわけで、宣言の時も同じですが、国との調整は一定必要になると思います。いずれ3府県との調整、国との調整は必要だと思っていますが、今の段階ではどうすべきか決めているわけではありません。
緊急事態宣言について、京都市内を歩いていても街中にかなり人がいて、テレワークで7割削減であったりそういうことも難しいのではないかと見えるが、知事は宣言の効果をどのように見ているか。また、飲食店の時短営業について、医療機関や高齢者施設からクラスターが出ているが、宣言発出の前後から飲食店のクラスターはあまり出ていないと見受けるが、時短要請についての効果をどのように見ているか。
飲食店に対する時短営業の要請については、サンプリングかつ目視の調査ですが、約95%の飲食店で協力をいただいていますので、協力要請に対する効果は出ていると思っています。全国的にも飲食店でのクラスターは足元減っていますし、この時短要請については京都の場合、京都市では12月21日から午後9時までの要請をしていますので、飲食店でのクラスターが減っているのは当然だと思います。ただ、私自身は飲食店での感染リスクは引き続き客観的にあると思っていますが、足元は時短営業をしてもらっていますから減っていると思います。
昼間については、確かに春先に比べれば減っていません。ただ、11都府県の地点調査では、京都駅は12月との比較では一番減っていましたので、効果がないということではなく、それなりの人の動きを止める効果は出ていると思いますが、感染経路不明の方の職業を見ると勤め人の方が約半分いるということですので、昼間の動きもできる限り止めていただきたいと思います。ただ、勤務は不要不急の外出ではありませんから、テレワーク等出勤者を削減する努力を少しでもしていただければありがたいと思っています。
税収の減収の規模について、法人税、地方消費税はそれぞれ減収かと思うが、どのような規模でこの予算になったのか。
府税収入は、令和3年度2,530億円と前年度比で260億円の減収を見込んでいます。法人2税の減収が大きいですが、それ以外にも地方譲与税、地方消費税の清算金の減があります。これは今の段階でどこまで令和3年度の景気が見通せるのかということですが、我々の足元の見込みとしてはそのようになっています。
その分、府民の生活がかなり苦しくなると思うが、その点についてはどうか。
今年度も非常に経済が厳しい中で、しかもコロナということで、単に経済面だけでなく生活が制限されていて、大変なご負担になっていると思っています。令和3年度はなるべくこれを解消することで、一番はコロナの収束をなるべく早く実現することだと思いますが、令和3年度予算の中でも苦しい立場の方、困っている立場の方になるべく寄り添う形で予算編成もしますし、執行もそうした観点で努力をしたいと考えています。税収がというよりも景気それから雇用、特に雇用については統計上遅れて出てきますので、予断を許さない状況が続くと思っています。
緊急事態宣言に係る国への要望について、スケジュールの調整等あるかと思うが、延長となると飲食店への影響が大きいので、どのくらいが判断のデッドラインと考えているか。
これは両論あって、緊急事態措置の効果が2週間程度経たないと出てこないこともありますので、なるべく判断のときに最新の傾向を見たいというのは国も同じです。一方で仰るように、措置によって影響を受ける様々な方にとってはなるべく早く決めてもらいたいということですが、もう平日で言えば来週しかないので、来週のどこかで国の動きもありますし、我々との兼ね合いもあります。デッドラインはあるわけではありませんが、当然来週の金曜までに決めないといけません。ただ、少しでも早くしたいという思いは国にもあると聞いています。それと数値との兼ね合いですので一概に言えません。我々もこの高止まりの状況で何か言えるのかというと厳しいものがあり、もう少し感染状況を見たいと思います。
感染症法の改正にあたり罰則規定が当初よりゆるくなったと思うが、このまま改正された場合、府のこれからのコロナ対策にどのような影響や難しさが生じると考えているか。
ペナルティの要素が今何もない中で、刑事罰が行政罰に変わったことの影響はすぐにないと思いますし、私は常々、刑事罰であろうと行政罰であろうとこれをかける規定を設けることは、それによって必要な保護法益との兼ね合いで慎重に検討すべきだと思っています。今回、刑事罰が行政罰になったり、過料の額が変わったことによる直接の影響はないと思います。それよりも何らかの措置が背後にあるということが、法律に書いている行為の実効性を高めるという意味では、全国知事会としても要望しておりましたが、今まさに審議が始まりましたが、法律改正がなされることについては歓迎したいです。一方で、これを運用する立場に立てば重い責任がかかってくるわけですから、非常に慎重に考えて運用していかなければいけないということは一般論として強く感じています。
これで対策はやりやすくなるか。
私というよりも、現場で実務を担っていて、例えば積極的疫学調査でも答えてもらえないなど、非常に苦労している方がいます。そうしたことが実際に行政罰を科すかどうかは別にしても、少しでもやりやすくなる方向になることを期待したいからこそ改正をお願いしたということです。私自身は現場で苦労している方のために、今回の改正を生かしていきたいと考えています。
大戸川ダムのことについて、昨日有識者の検討会の中で必要性が明確になり、緊急性が高まっているという提言案がまとめられたが、改めて知事の受け止めと府としての方針を示すスケジュール感を教えてほしい。
昨日は技術検討会で提言案の議論が行われ、今の気候変動の影響を考慮して河川整備の目標は定めていくべきではないか、また京都府内では桂川の治水安全度の向上が最大の課題であり、気候変動とこれまでの河川事業の進捗を踏まえれば、大戸川ダムの必要性・緊急性は高まっている、という提言案ということです。昨日出た意見を踏まえて、改めて提言としてまとめていただくことになっていますので、私としては提言を正式にいただければ、それを踏まえて府の対応を決めていきたいと思っております。
スケジュール感は、提言がいつまとまるかにもよりますが、提言をいただければ時間を掛けずに検討したいと思っています。大戸川ダムというよりも淀川の河川整備計画全体をどうするかについて、国から部長クラスで実務的にも今まで議論していますので、そこで我々がどのような意見を表明するかという手続きだと思います。
大戸川ダムだけでなく、淀川流域の河川整備計画について京都府でどう臨んでいくのかということです。その時の最大のポイントは府民の生命・財産をどのように守っていくかを考えるのが私の役目だと考えていますので、提言をいただければその観点でできるだけ早いうちに我々の考えはまとめたいと思います。スケジュールはもともと国の河川整備計画の改定のスケジュールに乗っていくということなので、改定する場合には法律的には法令上の手続きがありますが、どういう立場で、どのような形で私が自分の意見を表明するのか、今の段階では決めていませんが、提言をいただければそんなに時間をかけないで私自身の考え方は表明したいと思っています。
大戸川ダムについて、正式な提言を受けたら早い時期に表明するということだが、昨日の時点で提言案として出されたものの中身について、知事として納得できるものか。
それについては今のところ白紙です。
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