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本日は医療検査体制の強化についてご報告します。
この間、緊急事態宣言が発令されてからこれまでの緊急事態措置に対する府民の皆様、事業者の皆様のご協力に対しまして心から感謝申し上げます。また、医療現場の第一線で感染リスクがある中でご奮闘いただいている全ての医療従事者の皆様に対しましても、改めて心から感謝申し上げます。
京都府の現在の感染状況ですが、1月5日から一昨日まで20日間連続して感染者が100名を超えています。昨日は91名で100名を切りましたが、月曜日はもともと感染者数が少なめに出る傾向があり油断できませんので、感染状況は高止まりが続いているという認識をしています。
また病床についても、すぐに使用できる病床の使用率が85%(281名/330床)で引き続き医療の状況はひっ迫しています。
そうした感染状況の中身について見てみますと、1月20日までの数値(感染者の割合)ですが、いわゆる家庭内感染について、年末年始の特徴かもしれませんが(同居家族と別居家族合わせて)50.9%です。それから、医療施設や高齢者施設ではクラスターが発生しており16.6%です。なお、感染経路不明者のうちの職業で見ますと勤労者の割合が約半数で、感染経路は色々あるかもしれませんが、不明の中でも勤労者の割合が半分ということについても問題意識を持っています。
なお、緊急事態措置の現在までの取組状況について、あくまでも目視ですが、飲食店への営業時間短縮の要請に対して(協力いただいている店舗)は約95%で、全部を見た訳ではないので一定の数にはなりますが、かなりの割合でご協力いただいております。そのことにつきましても感謝申し上げます。また、人出の状況については、夜間に注目して21時で見ますと、年末年始に入る前の12月24日と1月14日を比べますと京都駅で49%減、四条河原町で34%減、四条烏丸で22%減ですので、それなりの人出の抑制ができていますが、勤労者の感染経路不明の割合が多いこともありますので、1月17日に京都市長と京都経営者協会の小畑会長とで、改めて経営者の皆様に出勤者数の7割削減等の協力要請を行ったところです。
本日は、現状、感染者数が高止まりで横ばいという中で、適切な医療療養環境の確保と高齢者施設のクラスター対策として医療・検査体制の強化を3点挙げており、病床確保に向けた対策、自宅療養者に対する健康管理支援、高齢者施設等のPCR検査の集中検査です。
まず病床確保に向けた対策について、1点目は既に確保している病床の効率的な活用です。重症患者等が軽快した時になるべく迅速に転院していただくために、入院医療コントロールエンターで入院調整を行いますが、搬送手段としてタクシーや福祉タクシー等に対して京都府で運行業者と契約を結ぶことで円滑な搬送に繋げたいと思っています。業者との関係については、現在最終調整中です。下り搬送のイメージは、例えば中等症等の患者が軽快した場合、その方が引き続きコロナに感染している場合には、コロナ患者用のタクシーでより軽症者用の病院に転院させることによって中等症患者用(の病床)を空けることや、もう一つよくあるケースとしては、コロナについては回復して感染の恐れはないものの他の疾患がある場合に、転院が難しいという状況もありましたが、一般病床への転院をしていただく場合に疾患もありますので、ストレッチャーなどを備える福祉タクシーでの搬送も重要になってきます。こういうことによってそれぞれ重症(病院)から中等症なり軽症(病院)へ、またコロナが回復した方については一般病院へという流れをなるべくスムーズにすることによってコロナ専用病床の効率的な運用に繋げていきたいと考えています。
2点目は看護師の負担軽減です。これは従来から問題意識として持っていましたが、清掃等の業務について感染リスクがある中で業者が躊躇されるということもあり、看護師の方がそうした業務をされていることにより本来業務に割ける労力が少なくなり、そのことによる負担が相当重くなっているということもあり、この間ビルメンテナンス団体とも調整をし、受入側と業者側のマッチングをしてきましたが、2月からまずは6病院程度で新たに業務委託できないかという(協力を依頼する)ものです。なお、(受託)業者からも感染症のリスクがある中での業務になると社員への感染リスクもあり、様々な留意点もあるため、そうした研修も実施して欲しいということもありましたので、2月2日には業者や導入病院を増やすためにも研修を実施します。マンパワーによって受入病床の制限があるということもありますので、これによって少しでも看護師の負担軽減に繋げ、合わせて受入病床の増加に繋げていきたいと考えています。
3点目は受入病床の拡充です。この間様々な医療現場の逼迫状況、個別の病院等の実態も踏まえて、私立病院協会等をはじめとした関係団体の方へ新たな患者の受入の可能性やコロナからは回復しているけれども他の疾患がある患者の受入病院等について、協力依頼をしています。団体の方でそれぞれの各病院の意向調査等も含めた緊急的な調査を実施されているところですが、結果が出れば、我々の方と擦り合わせを行って、更なる受入病床の増加についての依頼をしたいと思っています。これによって受入病床の拡充を図ってまいりたいと考えています。
次に自宅療養者に対する支援について、これは予算の時にも説明していましたけれども、今般、健康管理という視点ではパルスオキシメーター、体温計の貸し出し、それから生活必需品では、マスク、トイレットペーパー、ビニール袋などの提供、それから食料品では、療養に必要な期間として、とりあえずは箱ごとにまとめていますが1箱当たり3食3日分で、中身については京都府の管理栄養士がチェックしたものを用意し、健康管理については自宅療養者全員、生活必需品と食料品については希望されない方もいらっしゃるかと思いますが、希望される方には全員に配布を始めたいと思っています。今週29日金曜日に第一便を発送いたします。これによって自宅療養者の健康管理について、毎日電話では保健所から健康観察をしておりますけれども、パルスオキシメーター等によりまして、常時、心配があればそれによって測定していただくことによって万全を期していきたいと思います。
最後にPCR検査の集中実施について、重症化リスクの高い高齢者施設等に従事するすべての職員に対してPCR検査を実施したいと思います。クラスターの複数発生等の感染拡大地域から始めることとして、まずは2月上旬に宇治市で先行実施したいと思います。これにつきましては、詳細が決まり次第お知らせしたいと思っていますけれども、今後は市町村からの要望を聞いた上で対象を拡大したいと思っています。万が一、検査の結果陽性の方が出た場合には、当然その方の積極的疫学調査を行いますし、更にはクラスター発生時に派遣していました施設内の感染専門サポートチームについて、お一人でも陽性者が出た場合には、すぐに派遣いたしまして、早い段階から更なる感染拡大を抑えることや、施設の改善点等も含めてサポートしていく体制を整えていきたいとと思っています。
次は学校におけるクラスター対策の強化についてです。これは1月に入りクラブ活動に端を発っした感染拡大が学校間で発生しています。これは14日付けで府の教育委員会から(府立学校あて)、19日付けで私立学校あてそれぞれ注意喚起をしている内容ですけれども、部活動については自校生徒のみ、校内、2時間以内に限ること、授業についても長時間、近距離で、密集・接触するものについては一時停止すること、修学旅行等につきましても宿泊を伴う教育活動は実施しないということで、これは改めてお願いしたいと思います。それから昨日、部活動の競技の特徴に合わせた留意事項というものを府の教育委員会と京都府文化スポーツ部の方から府立・私立学校へそれぞれ通知をしています。例えばバレーボール、バスケットボール、卓球、ラグビー、バドミントンなどそれぞれ競技によって異なりますが、例えば自分が使ったタオルで床を拭かない、靴の裏の埃を手で拭わないなどです。競技ごとに細かな留意事項を改めて通知していまして、特にこの間の部活動に伴うクラスターでかなりの感染者が出ていますので、その辺については改めて徹底をしたいと思っています。
京都府に緊急事態宣言が発出されたのが1月13日で、14日の0時から緊急事態措置を実施しています。首都圏1都3県ではその前週からですので、全国で見れば折り返し地点を過ぎたということです。(措置の内容は)ここに書いていますとおり、時間帯を問わず不要不急の外出自粛、特に20時以降は徹底していただくこと。飲食店等の20時以降の営業時間短縮。出勤者の7割削減を目標としたテレワークや休暇の分散。イベント開催は収容率50%以下、かつ人数上限5,000人以下にすること。大学における懇親会や感染リスクの高い部活動の自粛です。
緊急事態措置は、どれも府民の皆様、事業者の皆様に大きな負担をおかけしています。改めてご協力に感謝したいと思います。夜の人出につきましては、かなり減っていますし、飲食店の時短要請についてもご協力いただいていますけれども、昼間については引き続きお願いしたいと思います。特に若い年代層の方が自分たちが無症状・軽症という中で、知らず知らずのうちに感染を拡大し、それが最終的には高齢者など重症化リスクのある方に拡がるということがありますので、是非とも感染の連鎖を抑えていくためには若い方の協力が不可欠だと思っています。それが最終的にはご家族や高齢者の方を守っていくことになります。緊急事態措置はどれも大きな負担になりますけれども、なんとか2月7日までに感染の波を抑えて、コロナに打ち勝ち、医療現場への負荷をこれ以上かけないためにも、引き続きの府民の皆様、事業者の皆様のご協力ご理解を改めてお願いしたいと思います。
最後のページに緊急事態措置等についての問い合わせ、ホームページのFAQのことを掲載しています。参考までに是非ともお知らせいただきたいと思います。
私からは以上です。よろしくお願いします。
病床の拡充について、関係団体等に要請していくということで、私立病院協会の話も出ていたが、民間病院に対しても受入拡大を求めていくということか。
民間病院では当初から感染リスクや風評被害への心配や、比較的規模の小さい病院では例えば、エレベーターが一つしかないなどで動線分離が物理的に難しいといった個別の事情がありますが、私としては民間病院に対してもコロナ患者の受入を広げていただきたい。これは総論で「お願いします」ということではなく、マンパワーも含めて病院の個別の事情について団体から個別の病院に働きかけや意向の調査していただき、その中での可能性をまとめて聞かせていただいた上で、お願いをしていくというプロセスを経ていきたいと思っています。
コロナ患者を受け入れている病院について、どこの病院がどのように受け入れているのかは現段階では公表されていないが、医療機関同士の連携や報道機関による政策検証という意味からも公開した方がいいと思うが、知事の考えは。
当初からそうした話もありました。一方で、受け入れる側からは公開しないことを条件に春から受け入れていただいているところもあります。例えば重症病床の14機関の大病院については受け入れていることを公表されていますが、その他のところについては公表による病院への影響もありますし、かえって受け入れが進まないということも考えなければいけません。様々な論点で検討はしなければいけませんが、コロナ患者を受け入れている病院名を公表するのは現時点では難しいと思いますし、全国的にも公表していないところの方が主流ではないかと思っています。ただ、仰るように様々な判断において情報が必要だと思いますし、病院間の情報交換ついては守秘義務を守りながら共有されていると聞いています。医療の推進面については、十分意思疎通ができていると考えています。
PCR検査の集中実施について、市町村から要望があれば広げていくということだが、府として今の時点で計画を持つものではないのか。
陽性者が出た場合の受入やサポートチームを入れるなど対応がありますので、希望があれば全てやることにはなかなかいきません。希望があればそれを踏まえて、京都府で優先順位を決めて順番にやっていきたいと考えています。これまでは(集中実施を)行っていなかったのですが、宇治では複数のクラスターが発生したことや、人口当たりの新規陽性者数が高いことから、感染リスクを抑えるためにまず宇治市から行い、その結果も踏まえながら、次の対象を選んでいきたいと思っています。要望があれば必ずするものではありませんが、ベースは希望を聞かせていただきたいと思っています。
PCR検査をどの時点でするかについては、費用対効果で賛否両論あるが、それも踏まえて今回は宇治市で感染が流行してから行うという判断なのか。
PCR検査については、特に全員の感染状況をみるということであれば費用対効果の問題がありますが、今回の場合は地域を絞り、施設の従業員に絞って、費用対効果を考えて実施することとしました。
宇治では何施設、何人を対象にPCR検査を行う予定か。
対象施設は15施設程度を対象として調整しています。
(PCR検査結果の)陽性率が高まっていて約13%になっているが、これについて府としてはどのように評価をしているか。
陽性率には様々な捉え方があり、実際はクラスターが発生して濃厚接触者がたくさんいる場合、例えば学校の1クラス全員を調べると陽性率は高くなく、一方でかかりつけ医に症状がある方が来て調べた場合は陽性率が比較的高いと思います。陽性率が高いから感染拡大しているかどうかはわかりませんが、この目安が国の分科会のステージ判定でも10%のラインで切られていますので13%は高いと思います。ただ、どこで陽性が出ているかによりますし、クラスターが収まると濃厚接触者ではないので陽性率が高まりますので、どれだけの方がどのように検査に来られているかも合わせて分析しないといけないと思っています。低いほどいいということは間違いありませんが、今の13%については感染拡大との関係ではまだ分析しきれていません。
他県で手が回らなくて積極的疫学調査ができなくなっているという報道があるが、京都府では積極的疫学調査は機能している状態か。
京都市の保健所では患者数が非常に多く、急拡大の局面では急に手が回らなくなりますので、スピードが遅くなることはあると思いますが、積極的疫学調査をやめるということではなく、きっちり追いかけていく姿勢は変わりません。一定落ちつけば今のマンパワーで回っていきますが、拡大局面では追いかけるスピードは若干遅くなります。そうならないようにかなり人員補強をしています。その他の府域での京都府の保健所については、山城北保健所で感染者が多く大変だと聞いていますが、積極的疫学調査については追いかけられている状況だと報告を受けています。
受入病床の拡充について、依頼をしているのは私立病院協会か。
私立病院協会に依頼をしています。
それは、患者をどれだけ受け入れられるかという調査を依頼しているのか。
これは、専門家会議のメンバーにも入っていただいていますが、様々な議論の中でもう少し努力をしていこうという話もあり、我々も是非お願いしたいということで依頼し、協会の方が個別の会員の病院について緊急的に調査をしていただいています。
府としては、調査結果に基づき、改めて私立病院協会に協力を依頼するということか。
我々も様々な財政支援もありますし、こちらなりにも分析をしていますが、病院の意向を聞いていただくということでお願いしています。
緊急事態宣言が出て2週間ほど経つが、(緊急事態措置によって)どのように効果が出ているかについて、また、期限が2月7日だがその後についてはどのように考えているか。
1月に入ってから感染の拡大局面にありましたが、現在は高止まりしているとはいえ1週間の移動平均では微減していますので、緊急事態措置に一定のご協力をいただいていると思っていますし、特に飲食店の20時以降の時短要請についてはきちっと協力をいただいています。12月の昼間の人出も減っていることは確認しており、効果は出てきていると思います。ただ、それが新規陽性者数の推移にどこまで影響が出てくるかというのを見るには一定の期間が必要なので、しばらくはそこを一番注視していかなければいけないと思っています。
出口についてですが、今は緊急事態措置の効果を見極めることが一番重要ですし、できる限りその実施を促していくことが我々の役目だと思っています。今の段階では2月7日までに緊急事態措置の円滑かつ確実な実施をお願いしていくことに尽きます。出口については言及する段階ではないと思っています。
緊急事態宣言が始まって折り返し点だが、今のペースでは2月7日は厳しいと思うのか、今のペースでいけるのか。まだ府民に対して締めるところが必要と考えているのかどうか。
今のペースと言っても高止まりの状況であり、緊急事態宣言を発出された時と大きく改善しているわけではないという観点に立てば、まだまだ努力をしなければいけないと思います。2月7日の感染状況を予測するほど今の足元の状況を分析できる材料がないので、ここは注視していくしかないと思っています。我々は1月14日0時から始めて12日間となりますが、2月7日に向けて一層の協力要請をしていくことが私の役目だと思っています。
病床確保に向けた対策について、すぐに運用できる病床として330床がありますが、今回の対策によって、すぐに運用できる病床が具体的に何床確保できればいいと考えているか。
病床の効率的・効果的な運用については、既に確保している330床の回転をよくしていくことです。現に、今はコロナには感染していないが転院先がないために引き続き病床におられる方もいます。そうした方を早く円滑に(転院して空床確保の)流れを作るという意味では、330床の内数もかなりあります。一方、330床から積み増すことはそう簡単ではありません。私の気持ちとしては、1床でも2床でも協力いただける病院があれば是非お願いしたいと思っていますが、今の段階では調査結果も聞いていないこともありますし、総数、マクロとしての目標のベッド数を言うことはとてもできません。とにかく医療現場のことを考えて各病院に1床でも2床でも御協力いただきたいですし、現にどのような形なら協力できるかという各論の話も出てくると思いますので、そうしたことについてはきめ細かく調整して、1床ずつでも積み上げていきたいということです。
病床が足りないという状況は理解できるが、例えば府や市で新たにセンターを作るといった考えはないのか。
緊急事態宣言が出て、1月、2月という真冬のウイルスにとって感染しやすい時期を乗り切る上では、将来的にはパンデミックに備える意味でもそうしたことが必要になるという考えはありますが、今この段階においては、そのことよりも既存のしっかりした病院があるわけですから、そこに協力をお願いすることが即効性も含めて一番有効な手立てだと考えています。今の話は将来に向けた課題だと思っています。
ビルメンテナンス団体への協力依頼について、これは政府から示された団体か、それとも府内で独自に調整した団体か。もし後者の場合は、ホテル療養にも協力を依頼するのか。
政府から示される前から看護師が清掃業務をしていることは現場から聞いておりましたので、府からビルメンテナンス協会への働きかけは行っていました。一方、知事会等の場でも、私が全国団体からも全国に向けて発信したらいいのではないかと言っていまして、私としては政府が言う前にこの協会にお話をしたつもりです。
ホテル療養については、今、新しく確保しているところについてはホテル側が自ら学ばれてやっていただいており、外部委託というよりホテル側にきちっとやっていただいていることもあるので、当面6病院と言ったのは、看護師の業務軽減の観点から、今看護師が清掃業務をしている病院で協力をお願いするのが病床の効率的な運用には効果があるということで、まずは病院でと考えています。ビルメンテナンス協会からホテル療養もというような話があれば、次の段階で話をしたいと思います。
パルスオキシメーターの貸出について、専決処分で予算措置をされたが、それ以外のものについてはどういう予算措置をされたのか。
パルスオキシメーターの貸出も含めて、食料品等の自宅療養者への支援については同じようにこの予算の中に入っています。PCR検査については9月補正予算の中で、高齢者施設、障害者施設だけではありませんが、感染急拡大地域におけるPCR検査のための予算を措置しており、既決予算の中で対応できると考えています。
看護師の負担軽減のために、例えば大阪府のように他県や自衛隊から看護師の派遣というのは考えていないのか。
現段階では考えていません。ただ、旭川市のような状況になって、もし医療が自衛隊の派遣要請をしなければいけないような状況であれば、躊躇なく行いたいと思っていますが、現時点では、これは現場の医療関係者の声でもありますが、まず感染の拡大さえ抑え込んでいけば、医療現場はかなり習熟してきており、円滑にいくということなので、そちらに注力したいと思っています。ただ、必要な時があれば、躊躇なく行うという心づもりは常に持っています。
家庭内感染が増えてきているが、それに対する対策は何か考えているか。
我々もPRをしていかなければいけませんが、京都府のホームページ内にも家庭内感染を防ぐための注意事項を8つ掲載していますので、是非気をつけていただきたいです。
一方で、どこかから家庭内にウイルスが持ち込まれているという状況があります。感染経路不明の方の半数が勤労者と申し上げましたが、そうした方が家庭をお持ちで、もしPCR検査を受けずにそのまま感染者でしたら移されるわけですから、まずはそれぞれのところで感染リスクを減らしていただくことが一番重要だと思います。感染リスクを減らす方法は様々ありますが、決め手となるのは外から家庭内に持ち込まないことですので、このことに一番留意をしていただきたいというのが私からのお願いです。
もし陽性者が出た場合、無症状であれば自宅療養、軽症の場合は軽症者用のコロナ受入病院、中等症の場合は中等症者用の病床、重症の場合は重症者用の病床に入院するという段階のイメージでいいのか。
軽症も幅が広く、そのために入院医療コントロールセンターにも複数の医師を常時配置して、保健所から上がってくる患者情報を確認し、患者本人の希望もありますが、症状によって割り振っていくという過程です。今言われたような考え方が基本の考え方ではありますが、コロナについてはそういう状況であっても、基礎疾患の重い方や非常に高齢な方など患者一人一人の状況も把握した上で、センターにおいてきめ細かく調整をしております。命と健康を守るという観点で行っております。
最初に陽性が出た患者がすぐに中等症の症状が出た場合は、中等症者専門の病院すぐに入院するということか。
当然、今も自宅療養を経ずにすぐに入院されている方はいます。そうした方が第3波で非常に増えているということだと思っています。
病床確保に向けた対策について、看護師の負担を軽減してすぐに使用できる病床の回転をよくするということだが、コロナ病床で働く看護師の数を増やす考えはあるか。
看護師を増やすことについてはOB看護師の人材バンクや個別の病院でも努力をされており、我々も看護師を増やす努力したいと思います。ただ、全国で感染拡大する状況の中で、もともと看護師不足でこうした努力だけでは足りないということ、また、看護師の方が本来業務ではない清掃といった業務に時間を取られ、なおかつ負担になっていることもあったのでこうしたことを提案しています。ただ、画期的に数が増えるようなことは難しいと思っています。
自宅療養者への支援について、1月29日に第一便発送ということだが、何人分を予定しているか。
自宅療養者にはすぐに療養解除になる方もおられ、新陳代謝がありますので、現在調整しています。
病床数330床について、今後はこの数字を府民に示して行動変容を促すという話だったが、現在、政府が発表している分科会のモニタリング指標ではまだ30%台として出ているが、この示し方をどのように考えているか。30%と80%の両方があると府民が混乱し、ダブルスタンダードになると思うがどうか。
私自身は現状の医療体制や行動変容を促すにはすぐに使用できる病床の330床で判断し、発信もしていこうと思っています。国との関係では、いろんなところでお願いをして少しずつ330床の報道が出てくるようになりました。なるべくダブルスタンダードと言われないよう、医療の現状を表す数値としては330床がきちっと浸透していくよう努力したいと思います。とはいえ、私としては330床もなるべく増やしていきたいと思っていますので、それについて併せて懸命な努力を続けています。
政府の発表に330床を反映してもらえるよう要請することはしないのか
全国を見ていても様々なパターンがあるようですが、少なくとも京阪神や我々の状況を判断していく時には330床を使うようにお願いしており、引き続き申し入れていきたいと思います。
政策決定の過程の中でなぜ720床が出てきたのか、330床を事前に読めなかったのかというのは次に繋げるための検討しなければいけない課題だと思うが、この問題について検証して、府民に説明することについて何か考えているか。
720床については第1波、第2波の感染状況を踏まえて、感染者を隔離する観点から確保する必要があるということで積み上げていました。一方、第3波においては中等症の患者が非常に多く、また介護が必要な高齢者もおられるということで看護師の負担が2倍以上になっているという現場の声もあり、しかも感染の急拡大の中で改めて精査をさせていただき、病院関係者と一緒に330床を発表いたしました。ご指摘のとおり、こうしたマンパワーも含めた病床の確保や患者の構成比だけでなく、感染の急拡大に伴い全体が増えると割合が同じでも物理的に高齢者だけで埋まっていく状況については、春先には考えていなかったというのは正直なところですので、今回の新型コロナウイルス感染症の感染者の発生状況とそれを受け入れる病床なり医療体制がどうだったかについては、当然、全体として検証しなければいけないことは間違いありません。他にも検証しなければならないことはたくさんありますので、その中で検証していくことが必要だと思っています。
転院搬送について、重症者病床から軽快した後も空かないということだが、現状はどれくらいのボリュームなのか。また、確保病床数について、軽快後でも受け入れができない状況と言われるが、720床は隔離するための病床とのことであるが、軽快した人を転院させるのは隔離する目的に合致するので、受け入れできるのではないかと思うが、これができないとなると当初確保した720床は今も生きているのかという疑問があるがどうか。
物理的な隔離病床としては確保していただいています。相部屋だったが、感染リスクがあるので1人部屋として運用しているなど様々なものがあります。まさにそうした病床に軽症者や場合によっては軽快された方でも「感染リスクが残っているのではないか」ということで受け入れていない場合もあるので、そういう病床の活用などきめ細かいことも含めて我々はやろうとしております。
そうであるならば720床の数字にこだわる意味はないのではないか。今確保できている数は330床であり、それによって国と数字の乖離が起きていると思うがどうか。
330床は、医療現場の切実な運用やマンパワーも含めて精査して数字を出しました。本当にすぐに入れるかどうか精査をした数字です。720床については、動線を分離して、他の患者が入らないようにして物理的に確保している数字です。厚生労働省との関係や発表の関係でどのようにすればいいのかはご指摘を踏まえて検討したいです。
知事の情報発信について、確保病床のことや自宅療養のこと、また今回新たに対策を出されているけれども感染状況は高止まりしている。病床の数で象徴されているように数字で見た時に「京都は他都市よりまだ大丈夫ではないか」という面があったと思う。2回目の緊急事態宣言が発出された状況だが、情報発信の中で改善すべき点や課題について知事としてどのように感じているか。
病床の数が、感染状況の深刻さや医療のひっ迫度を一番表していると思います。一方で既に、年明けから人口10万人あたりの新規陽性者数や人口10万人あたりの全療養者数、前週比については全てステージ4.の数字に達しておりましたので、緊急事態宣言の発出についての十分な危機意識を持つ数字でもありました。なるべくそこを発信していくことは重要だと思っていますので、引き続き努力してまいります。
ただ、全体的にコロナの状況に「慣れる」ということはないですが、無症状・軽症で比較的年齢層の若い方が知らず知らずのうちに拡大している、ということは市中に感染者がかなりいるという前提で対応しなければいけません。そうした部分の発信はもっとしていくべきで、もちろん病床の発信は重要ですが病床は感染者が出た最後のところなので、それよりも感染状況についてターゲットとの関係で的確にこうしたことを注意したらいいということを発信できたらいいなという思いはずっと持っております。あとは、一番行動自粛につながるのは報道が7割ということで、京都府の発信よりも高くなっていますので、コロナへの対応や行動変容のことにも一緒になってご協力いただきたいですし、情報発信のあり方については引き続き報道機関の皆様のご指摘を踏まえて改善の努力を続けたいです。
お問い合わせ
京都府新型コロナウイルスガイドライン等コールセンター
TEL:075-414-5907(平日9時から17時)