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まず、京都府の感染状況についてご説明します。昨日、過去最多となる63人の新規感染者が発生しました。本日は75人ということで、感染者が拡大しているという状況には変わりないと思っています。この感染拡大について最初に申し上げますと、医療崩壊を防ぐことが急務と言っておりますが、全体の病床もさることながら重症患者用の病床について、現在86床確保しておりますが、利用率が5割を超えてきますと他の手術や救急の受入などの人の命を救うための通常の医療を止めざるを得ない状況になるということから、医療現場でも強い危機感を持っておられます。
また、急拡大していくと医療現場の準備が間に合わないということもありますので、特に重症患者が11月24日には4人だったのが12月3日以降は8人と短期間に倍増したという状況もあり、全体の感染者の増もありますが、改めて緊急要請を行うため、非常に強い危機感を持って、本日の本部会議を開催いたしました。あくまで医療の逼迫を防ぎ、医療崩壊を防ぐということからの対策ということでご理解いただきたいと思っています。
今回の緊急要請については4つのカテゴリーがあり、特に飲食と大学生、高齢者については、感染者が増加していること、特に大学生は急増していること、高齢者も増加していること、また大阪府の陽性者との接触者も増加傾向にあるということです。大学では特にクラスターも発生していることから、焦点を絞って緊急要請をしたいということで、以下順次ご説明します。
まず、感染拡大地域への不要不急の外出の自粛について、先週大阪府で赤信号が灯ったということで大阪府への不要不急の外出を控えるようにお願いしましたが、今回は大阪府も含めて、現在、飲食について時短要請などをされている、北海道、茨城県、東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県、愛知県、大阪府の8都道府県に対して、不要不急の外出自粛をお願いしたいということです。当然ですが、その他の地域に行くときも必要性について改めて十分ご検討いただいた上で、是非とも行動していただきたいと思っています。
飲食の機会について、従来から申し上げていますが、大声を出さない、2時間を目安にする、体調が悪いときは参加しないというものに加え、4人以下の単位でご利用いただきたいということです。これはすでにGo To Eat事業についてお願いしている措置ですが、一般的な会食についてもなるべく単位を少なくして、感染リスクを避けていただくためにこうした措置をお願いしたいと思っています。
大学生について、大学生の感染拡大が急に増えてきていまして、もちろん課外活動のクラスターもありますがそれだけでなく、市中で感染している中に大学生の方がたくさんおられます。是非ともお願いしたいのは、今回特に、学校内の授業もさることながら課外活動、アルバイト、飲食機会、しかも飲食機会も必ずしも外の飲食店でということでもなく、友人や知人からの感染も多いということは、おそらくは友人や知人と外食をしなくても会う機会など色々な機会がありますので、学生一人ひとりの方に自覚を持って行動をしていただきたいということについて、私からも直接お願いしますけれども、それだけでは遠いので、今回改めて各大学に対して、それぞれ大学が危機感を持って全学生に対し、移さない・移らない行動を徹底していただくようにということをお願いしたいと思っています。
大学については年明けから受験シーズンとなりますので、その前に大学としても感染予防をしていただかないと、非常に重要な入試に影響も出かねないと危惧していまして、ここは改めてお願いしたいと思っています。
それから大学に保健センターがありまして、従来から保健所と連携強化をしたいと思っていましたが、今回のようにクラスター等が発生しますと、大学の中の事情に詳しい保健センターと保健所の連携は必要不可欠になりますので、なるべくここを早く連携することによって2次感染・3次感染を防ぐことができますので、これについては改めてお願いしたいと思っています。
高齢者について、高齢者の方の感染も増えていますけれども、特に面会については原則自粛していただきたいこと。重症化リスクのある方については、人混みを回避すること。それから高齢者と会う時には、高齢者施設であるかどうかにかかわらず家の中で会う場合でも、同居別居を問わずに、体調が悪ければ会わないこと。会話するだけであればマスクをしていただくことなど、感染予防対策の徹底を特にお願いしたいと思っています。
医療検査体制について、11月1日に開設しました「きょうと新型コロナ医療相談センター」では、現在までに7,353件の相談を受けています。休日・夜間やかかりつけ医のない方等の相談の窓口です。引き続き機能を強化するべく対応していきたいと思っています。
それから、検査体制については、帰国者・接触者外来の数は変わっていませんが、検査実施可能な診療所として86箇所増えまして合計で718箇所となっています。医療提供体制についても、前回の本部会議時は650床でしたが、30床増えまして現在680床です。これは年内に750床確保の目標がありますので、目標に向かって努力していきたいと思っています。昨日時点の病床使用率は20.3%で、重症病床の使用率は9.3%ですが、先ほども言いましたように重症病床については、他の様々な医療提供体制を逼迫する可能性がありますので、早めの対策ということで、その逼迫を避けるためにも、是非とも行動自粛等にご協力いただきたいと思っています。
それからホテル療養・宿泊施設での療養は、現在2施設で338室確保していますが、3箇所目の宿泊施設の確保について調整中でして、できるだけ早く確保をしたいと思っています。
最後はGo To Eatについてです。京都府では全体で160万冊の(発行の)予定ですが、そのうちの半分の80万冊(の受付)が残っていまして、12月12日~14日の間WEBで受け付けて抽選し、抽選後は21日以降の販売の予定でしたが、これについては、抽選の受付を一時停止するということを決めさせていただきました。(再開時期については)いずれ感染状況を見てということになりますが、当面停止させていただきたいと思っています。
最後に改めて申し上げますが、ここのところの感染状況の拡大については、固まったクラスターだけで感染があるということではなくて、様々な感染経路があります。感染経路不明の数もかなりありますが、これは、かかりつけ医等での幅広い診療機関において検査ができる体制をとっていることがあるのと、症状のある方の中に、一定割合感染者がいるということが分かってきていますので、我々としてはなるべく感染者を減らすことによって、積極的疫学調査ができる体制を確保する等、医療への負担・負荷をなるべく減らしたいという思いから今回対策本部会議を開催させていただきました。是非ともご協力をお願いしたいと思います。
私からは以上です。よろしくお願いします。
最近の感染状況を踏まえた今後の対応について(PDF:601KB)
今回の要請について、期間はいつまでか決めているのか。
年末年始を穏やかに迎えたいという思いもありますので、年内を目途として考えております。
前回(11月27日)は「往来の自粛」という言い方だったが、今回は「外出の自粛」となっている。言葉の違いに意味はあるのか。
ありません。外出自粛と言うと、どこに行くのも全て家から出ることを自粛と言うことになりますが、我々としては感染拡大している地域へ行くことということですので、往来の自粛ということです。
国のモニタリング指標のステージ3にいろんな数値がかなり近づいている。例えばステージ3に近づいている地域での対策如何によっては大阪のようになってしまう恐れもあるが、今回の対策を見ると前回の対策の少し強化版というような印象で、これで果たして防げるのかという気もするがどのように考えるか。
4月・5月の緊急事態宣言のように人の動きを完全に止めればかなり感染は抑えられますが、なるべく社会経済活動の維持に影響を与えない中でやっていこうということと、もう一つはより強化策と言っても、この地域で、営業の時短をすれば感染が防げるという地域が京都にあまりないということ、それから特に今回わかったことは、大阪との行き来や大学等の感染状況を見て、ここをある程度抑えて全体の感染のボリュームを減らしていけば、積極的疫学調査の効果も出ますし、病床のひっ迫も防げるといったことから、今日発表した対策が徹底されれば一定の効果があると考えて、今回の本部会議を開催しました。当然予断は許さない状況ですが、こうした措置を府民の皆さま、事業者の皆さまにはご協力いただきたいと思います。
680床と病床が増えるのはいいが、それに対応できる人は足りているのか。病床が増えても対応できる人がいないと意味がないと思うが、知事の考えはいかがか。
例えば、宿泊療養施設でも看護師の方の一定の配置をしておりますので、そういうことも含めて調整しておりますが、(目標)病床の750床までについては、(人員の)体制も含めて何とか対応できると考えています。ただ、重症病床については、人工呼吸器やECMOを入れた場合に非常にたくさんの人数が24時間で必要になります。しかも、そうした方が常時待機されているわけではないので、徐々に体制を作っていかないといけませんから、特に重症患者への対応については、まだ病床の使用率は少ないですが、早めにメッセージを出して、抑えていきたいと思っています。750床については、医療関係者からも対応できると聞いています。
Go To Eatの再開は感染状況を見てということだが、具体的にこのような状況になれば再開するという基準のようなものはあるか。
数字的な目安はありませんが、少なくとも感染が収束局面に来ることが必要なのと、Go To Eatは農林水産省の事業で、たまたま京都は12月12日からですが、かなりの府県において新規発行が停止されており、しかも京都は抽選するくらい人気が高いので、感染状況と他府県の状況を見ながらということです。少なくとも、ある程度感染が落ちついてからとなります。
収束というと、1日あたりの新規感染者が3~4人のイメージになるが、そこまで待つのか。
そこまではいかないです。一定の数字の目安というより、状況を総合的に判断してということでご理解ください。
Go To Eatについて、新規の予約・販売の一時停止ということだが、この他に追加の対応は検討しているか。
感染拡大防止の観点から様々な取り得る方法を検討しておりますが、感染状況次第だと思っております。今日は、まずはこの感染拡大の状況について、我々は非常に危機感を持って受け止めているということをご理解いただくと共に、行動自粛をお願いしたいということです。それ以上の措置については常に検討しておりますが、今日の段階ではそこまでございません。
既に発行しているクーポンについては、どのような扱いになるのか。飲食店に対してどのような要求をするのか。
今回は160万枚のうち残りの半分の80万枚の新規発行を停止するのですが、人気のある券を停止しますので、かなり重たい決断だと思っています。既に申し込みを受けている分はかなり発行をしていますので、それについては既に使われている方とのバランスなども考えて特段のお願いすることはしないことにいたしました。
先日(12月4日)、大阪府への不要不急の外出の自粛を呼び掛けられた際に、飲食目的よりもニュアンスが劣ると言われていたが、今回のニュアンスは飲食目的と同じようなニュアンスで強く呼び掛けるものか。
強く呼び掛けるものです。あのとき(12月4日)は本部会議に諮ることではなく、大阪府で赤信号が点灯したことを受けて緊急にお願いしました。今回は大阪ではないところも含めて、不要不急の外出の自粛をお願いしているので、飲食目的のときと全く同じで是非強く求めたいと思っています。
今は他府県への移動についてであるが、府内でのこのような外出自粛を要請するのは、どのような段階に達した場合になるか。
全国的にもそうした措置をしているのは大阪府だけだと思います。一つはステージ3が目安ですが、ステージ3も様々な指標があり、今も前週増加比では既にステージ3の基準に達していますが、これが大部分もしくは重要な項目が該当するなどステージ3を一つの目安にしていることは間違いありません。ステージ4になったら緊急事態宣言と言われているので、ステージ3で抑えるということで、次の段階として、府内の中での外出自粛要請というのは、ステージ3の(基準の)到達状況が一つの目安になると思っています。
これだけ感染が広がっている理由や背景について、知事はどのようにお考えか。2週間程前には観光客が非常に多く、ピークの時期だったが、このあたりも含めて、知事の考えを聞きたい。
実際は感染経路不明の方の割合も多く、かかりつけ医で確認されてもいるので、完全な分析は難しいのと、先週までどうして京都は少ないのかと聞かれていた立場でもありますが、観光客との関係では、屋外で観光するだけであれば感染リスクは低いと思いますが、会食や一つの空間にいることで起こると思っています。ただ、今の感染状況を見ると無症状や軽症の方が多くて、しかも感染経路不明の方がかなり出てきています。ということは一定の感染者の方、特に若い層の方で自覚がなくて感染していて、その人たちの行動によって感染が拡大している可能性は否定できません。これだというのはわかりませんが、京都では学生について、明確に感染の拡大が広まっていますので、まずは学生の感染を抑えるのがターゲットとしてもはっきりしていますし、効果もあります。東京・大阪の感染者がこれだけ多いというのは一体どこで感染拡大しているのか我々もよくわかりませんが、無症状の感染者が移動することによって感染が拡大している可能性は否定できないと思います。
不要不急について、以前にも人それぞれ捉え方が違うという話をされたが、知事は不要不急をどのようなものと考えるか。府民にとっても例示がないとわかりにくいと思うが、知事の考えはどうか。
春先も同じ話がありましたが、例えば通勤・通学、通院、日常生活に必須な買い物といったことは、不要不急ではないと思っています。もし考えるなら行くかどうか迷って、行かないと決められるものであれば、不要不急であると思います。これも個人によって違いますし、一律ではないと思います。ただ、今申し上げた通勤・通学、通院、日常生活に必須な買い物とかは、当然ながら生活に必要なものと考えています。
今は府民への呼び掛けであるが、他府県から京都府に来る人に対して何か呼び掛ける考えはあるか。
大阪府は、大阪府の方に不要不急の外出の自粛を呼び掛けられています。これは京都に行こうが、どこに行こうが同じなので、今外の方に対して京都府ができることではないので、まずは府民の方に感染リスクを下げていただくということのお願いに絞らせていただいています。
今回の要請は年内を目途に、正月を穏やかに迎えられるようにということだったが、京都には初詣にも府外から多くの方が来られ、府民の方も外出することが多いと思うが、初詣について知事から自粛等何か呼び掛ける考えはあるか。
年末年始は自粛というよりも休暇の分散もありますし、初詣についてもそれぞれの神社やお寺から注意事項などをお願いされていますので、まずは分散して行っていただきたいというのが我々のお願いです。鉄道会社が終夜運転をやめることを決めたり、社会全体で初詣における3密回避の動きが出ているので、皆さんで協力してできるだけ分散していただくようお願いしたいと思います。
宿泊療養施設を一つ増やすことによって、どれくらい室数や主要人数が増えるのか。
宿泊療養施設については、はじめに確保するときに、提供できる施設を公募しましたので、その中から選ぶことになりますが、施設の部屋数はまちまちです。この時は、施設を特定せずに900室の確保を目標として出しましたが、ホテルも4~5月のお客さんが全く無いときのご意向でしたので、今は状況が違います。また、そこに入る看護協会の看護師の方との立地の関係など総合的に考えなければいけません。1施設増えれば何室増えるのかは今のところわかりません。
調整を進めている中で目標として何室増やす予定か。
最大900室までの一定の予算措置もありますが、実際に900室いるのかどうかということもありますし、費用も掛かることや、相手もあることです。一方最初は平安ホテルで行いましたが、ケアする人からはなるべく大きな塊の方が効率がいいと言われていますので、そうした両面から考えたいと思います。
病床使用率について、他府県で確保している病室のうち実際に使用できる数が違うことがあるが、昨日時点など直近でいいので、680床のうち使える病床はどれだけか。また、重症病床86床のうち使える病床はどれだけか。実際に使える病床に対する占有率を教えていただきたい。
全体として680床については使えます。ただ、ずっと隔離して人を張り付けて待っているわけではなく、(患者が)入ってくれば人の配置をしていくということです。基本的には徐々に(患者が)増えても680床までは大丈夫ですし、重症病床についても同じ考え方です。ただ、今何人増えたら何床まで使えるかということまでは、たくさんの病院の個別の積み上げなので把握していません。徐々に増えていくことを前提に準備していただくことになります。
帰省について、行く方・来る方双方に対してどのような呼び掛けを行うか。
帰省については旅行と同じですが、体調と相談して無理はしないということと、帰省というと高齢者の方に会うことなので、基本的に移さないし、自分も感染しない行動を徹底していただきたいということです。また、帰省の必要性も考えて、この年末年始ではなく例えば3~4月にするなど色々な形があると思いますので、分散についてはご協力いただきたいと思います。
帰省を控えてくださいとは出さないということか。
京都の場合、帰省して来る方か、行く方かどちらが多いのかわかりませんが、帰省を控えてくださいというのは、個別の事情もありますので、一般論としては言いません。ただ、できる限り必要性を考えて決めていただきたいということです。
これから忘年会シーズンとなるが、今年は皆さん自粛されるだろうが飲食店としては期待する部分もあると思う。この点についてどのように考えるか。
忘年会・新年会シーズンとなりますが、企業の方に聞いても今回はかなり自粛されるようですので、必要性を考えてやっていただきたいです。万が一行う場合にも、飲食機会の感染防止のルールを守っていただければ感染リスクは相当低いと思いますので、そのご協力はお願いしたいと思っています。忘年会・新年会といいますが、飲食・会食機会に占める忘年会・新年会の割合はそれほど多いと思えないので、飲食・会食全般について是非とも感染予防措置を徹底していただきたいと思っています。
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