ここから本文です。
令和2年度11月補正予算の概要がまとまりましたので、ご説明します。
基本方針ですが、これまで数次にわたり補正予算を編成してきました。引き続きですが、なかなか新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中ですので、感染状況、府内の経済状況、雇用情勢、府民生活にも目配りしながら、必要な対策を講じることにより、感染拡大の防止と経済の回復の両立に努めていきます。
今回の補正予算では、年末年始の対策をはじめ、引き続き、府民生活の安心の確保、雇用情勢等を踏まえた緊急的な対策に必要な経費を計上することとしています。
コロナの影響を受けているこども等に対する支援(0.1億円規模)
まずは、年末年始におけるこども・ひとり親家庭支援です。0.1億円規模です。
これは相談体制を拡充するもので、特に生活不安に対する相談など心理面を支える専門カウンセラーを新たに配置することと、年末年始に入りますので、相談窓口の開設時間を延長するということで従来17時までのものを22時まで、また土日の開設、ただし12月29日から1月3日は電話・オンライン相談での対応とさせていただきます。
それからこども食堂等での催し開催の支援です。こどもの居場所づくりということもありますので、感染症防止対策を講じた上で実施される年末年始の催しに対して支援をします。
京都未来塾(第3期)の実施(0.7億円規模)
雇用対策については、0.7億円規模です。
京都未来塾を過去第1期、第2期と実施しておりますが、第3期について定員60名で募集をし、再就職の後押しをします。この仕組みは、収入を得ながら雇用型の職業訓練を行い、それをできる限り正規の雇用に結びつけていくもので、第1期と第2期の方については現在実施中ですが、更に後押しをするということで、第3期の募集をするのに必要な経費です。
冬の観光閑散期における観光事業等支援(0.9億円規模)
府内観光の推進については、0.9億円規模です。
従来から冬の観光閑散期がありますが、近年はインバウンドの観光需要により閑散期もかなり埋められてきたのですが、今はそういうこともなく、しかもインバウンドがないことで平日と土日・祝日の差が非常に大きく出ていますので、平日対策として、抽選で3,000円分のクーポン券を贈呈するものです。このクーポン券は府内の土産物屋や飲食店で利用可能です。京都市と府市強調で実施します。
もうひとつは、中小事業者の貸切バスによる団体旅行商品の造成支援です。コロナ対応保険の保険料やフェイスガード、企画の内容やバス旅行の安全性を告知する広報宣伝費等に使っていただくものです。
緊急応援補助金等の増額(18.0億円規模)
それから、緊急応援補助金等の増額です。これは過去に中小企業等緊急応援補助金は4月補正、中小企業等事業再出発支援補助金は5月補正で取り組んでおりますけれども、非常に需要が多いということで、現在88億円規模の補助申請があり、それに必要な経費として18億円規模です。現在までに予算措置としては70億円規模を措置しておりますので、必要な増額の措置です。
生活福祉資金の貸付(40億円規模)
それから、府民生活の安全確保です。生活福祉資金については国にはもちろん延長等はお願いしておりましたけれども、非常に需要がありますので、必要な原資の積み増しに40億円規模です。
入院患者受入のための病床確保等に対する助成(94億円)
それから入院患者受入のための病床確保等に対する助成です。国の方から病床確保等の単価見直しがありましたので、それに合わせた予算の増額ということで94億円規模です。
予算案の規模
今回の11月補正予算153億円台で、補正後予算の合計が1兆2,032億円台ということです。これは令和元年度の12月補正後と比べますと33.6%の増となっております。
令和2年11月定例会提案予定の主な条例の概要
それから、主な条例についてご説明しますと、「京都府地球温暖化対策条例及び京都府再生可能エネルギーの導入等の促進に関する条例」の改正を行います。ひとつは、2050年に温室効果ガス排出量実質ゼロを宣言しておりますけれども、それを条例上明記することと、当面の目標として、2030年度までに2013年度比40%以上削減を目標としております。主な取り組みの強化策としては、再エネ設備の導入を義務付ける建築物について面積要件の引き下げによって対象を拡大したり、大規模事業者に対する新たな報告制度を創設することにより、再エネ設備の導入状況や代替フロンの使用状況を報告することになります。また、税の優遇措置は期限がまいりますので5年間延長するものです。条例上2050年の温室効果ガス排出量実質ゼロを明記するのは、長野県に次いで2例目となっております。
私からは以上です。よろしくお願いします。
令和2年度11月補正予算案等の概要について(PDF:587KB)
「コロナの影響を受けている子ども等に対する支援」のカウンセラーを配置した相談体制について、現状は何という名前の相談窓口なのか。また、「平日の観光消費の推進」のクーポン券について、どういったところが府市協調なのか。中身はどうなのか。
現行体制の窓口は「京都府ひとり親家庭自立支援センター」があります。南部センターとして京都テルサ内に、北部センターとして北京都ジョブパーク内に設置しております。そこだけではなく、巡回や電話相談、オンライン相談をしております。今はキャリアカウンセラー等4名がいますが、そこに心理面のカウンセラーを設置するものです。
府市協調については、必要な財源を持ち寄るということと、窓口として事務センターを共同で設置する形を想定しております。京都市を含めた京都府域で同じ形の制度として運用していこうとするもので、事務的に細かなところは予算が通ってから詰めていきたいと思っています。
政府はGo To Eatについて、一定人数以上は対象外とするように都道府県知事に要請し、5人以上の飲食は対象外にするかどうかということだが、現状、京都は感染の増加傾向が顕著な都道府県には入っていないが、知事の考えと、今後検討なり、制限の実施の予定はあるのか。
昨夜、農林水産省のGo To Eatの事務局から食事券やポイントの利用を原則として4人以下の単位とするという対応について、これは子どもは除くということですが、各地域における感染状況等踏まえて都道府県知事に早急に検討してほしいという連絡がありました。19日までに検討結果については回答いただきたいということで、検討を開始したところです。各都道府県も同様の状況だと思います。
今のところ京都府では、大声での会話、歌唱を避けると言っていますが、人数の制限等は掛けていません。これを掛ける場合は、それなりの感染状況を踏まえることやそれによる効果も考えないといけません。ただ連絡が来たところで検討中ですので、私としてやるやらないの結論を得ているわけではありませんが、感染状況と効果とを踏まえて至急検討したいと思っています。
「連絡」というのは事実上の要請が来ているということか。
検討の要請ということです。19日までに回答を求められています。
全国的には感染拡大期で、大阪、兵庫でも過去最多という数字が出ているが、京都では感染者数を比較的抑え込めているように見えるが、具体的な人数制限を設ける可能性を前提に検討するのか。
導入前提で検討することはないと思います。Go To Eatという国の後押しまでしてやるものについての制限ですが、実際の会食は他でも行われています。人数制限の全体としての効果のようなこともあわせて考えないといけないのではないかと思っておりまして、そこも踏まえてということ、また飲食店でのクラスターや感染の発生状況もよく見てみないと導入効果が測れないと思っております。国からの通知にはもし制限を入れる場合はテーブルを4人用に分けるといった措置もあわせてしてほしいといったこともあったので、Go To Eatの人数制限だけではなく、全体としてそういった感染拡大防止が京都府の感染状況に照らして効果的かどうかということを合わせて考えたいと思っていますので、少なくとも導入前提で考えているわけではありません。
菅総理からは、そうした人数制限も含めて都道府県に対してお願いしたいと完全に球が投げられているようにも見えるが知事の考えは。
4月、5月の緊急事態宣言のときは全体で人の動きを止めようということでしたが、今起こっている感染状況は地域によってもかなり状況が違いますので、逆に完全に一律で決められた場合は地域の感染状況とうまく整合しないかもしれないので、私自身としては、そういうことをある程度地方に判断を委ねられるというのは合理性があると思います。ただ、2日しかないので短いと思いますが。別段押しつけられたというより合理的な判断をしたいと思っています。
一部の都道府県知事の議論の中で、Go Toトラベルに関しても、一定の感染状況が来れば、制限を知事側から言っていくべきだという意見もあるが知事はどう考えるか。
Go To EatとGo Toトラベルは若干違うものと思っています。Go Toトラベルは人の移動をある程度促す効果があると思います。それを止めるということをやろうと思えば、行く方も来る方もありますので、特定の地域だけでいいのかどうか、国において全体を止めるといったような話をできるかどうかというのは、私は感染状況にかかっていると思っています。もう一つは、Go Toトラベルは促進策としてされている措置なので、Go Toトラベルはやらないが、移動はどうぞご自由にとなるのか、例えば北海道で札幌市と札幌市以外の移動をある程度自粛されているのは、助成措置と関係なく感染予防としての自粛措置ですので、助成措置と感染予防を合わせて考えるというのは、最後は感染状況次第だと思っています。Go Toトラベルのありなしだけで感染拡大を抑えるのは違うと思っています。
現段階で京都に関しては、Go Toトラベルは止めてくれと言うことは当面ないのか。
それはないです。前から言っていますように、観光目的の人の移動だけでだけで感染拡大するわけではありませんし、現に観光客の方にも動画を出したり、「旅のエチケット」というメッセージを出したりして感染予防してもらいたいと呼び掛けています。受け入れ側の事業者にも相当感染拡大防止措置を取っていただいております。
修学旅行に来ていただいた学生さん達からは、非常に安心した形で旅行できたという声も多くいただいています。今の状況では、原則、(観光客と事業者の)両方がきちっと注意して安心・安全な京都観光を楽しんでいただきたいというのが私の考えです。ただ、これもすべて感染状況次第ですからそこはきちっと注視をしていきたいと思っています。
足元では京都府内でも特別警戒基準に達するかどうかのギリギリのラインに来ているが、今の感染状況の認識と今後、対応策として具体的に取り組む予定があるものはあるか。
11月16日の新規陽性者数は11名、7日の平均陽性率が5.1%です。7日間の移動平均で新規陽性者数が19名で特別警戒基準に近づいています。私の認識としては、ただ近づいているだけでなく、全国で過去最多を全体で更新し、なおかつ都道府県も過去最多を更新しているところもあり、感染の拡大期に入っているということで、京都も全国、特に関西圏との交流がありますので、非常に警戒を強めなければいけない段階にきていると思っています。最大限注意を払うということですが、このような状況の中で、前週比を見ても京都府でも拡大傾向にありますので、特別警戒基準を超えるかどうかは別にして、明後日の19日に対策本部会議を開催する予定で準備を進めております。
対策の内容については、対策本部会議で決めて発表したいと思いますが、全国の感染状況と最新の京都府内の感染状況を踏まえた対策をしていきたいと思います。
ただ、国の分科会でも言われていますが、一人一人の感染予防措置として、マスクをする、手洗いをすること、ソーシャルディスタンスを取ること、3密を避けること。10月23日には「5つの場面」として感染するところが言われていますので、府民一人一人に感染しない・感染させないという予防の措置を改めて是非ともお願いしたいと思います。それをすることが感染予防と社会経済活動の両立につながると思っています。具体的な中身については、19日の対策本部に向けてさらに検討を詰めているところです。
補正予算について、緊急応援補助金を増額するということだが、申請の数の勢いがあって追いつかない状況に対応するために、補正を行うということか。
申請の受付は終わっています。この約4万事業者の申請で一区切りつけたと思っています。追いつかないというより、もともと一定の申請者のニーズを前提として予算化したものですが、(申請期限を)1カ月延ばした直前の状況では、まだまだ申請したいという声がありましたので、(申請期限を)延ばしました。府内における需要は今回の補正予算で一定対応できるということでの予算化と考えていただければと思います。
特に再出発支援補助金については、感染予防措置を取ると補助金の交付がありますので、それぞれのところで感染予防措置を相当工夫していただいている証左かなと思います。お金は非常に掛かっていますが、我々としては感染予防に相当効果を発揮しているものと思っています。申請に対する必要な額として計上いたしました。
観光支援について、クーポン券の抽選は、具体的にどのような形での抽選を想定しているのか。旅行に来る時にそのクーポン券が当選しているかどうかわかるのか。
仕組みについては検討中です。来る前というより、来られてから何割かの確率で当たるくじを引いてもらうというのが、一番手間がかからないかなと思います。あまり手間がかかる形で行うと事業者や観光客の方にも負担になりますので、なるべく負担のかからない形でやりたいと思っています。抽選は(宿泊施設を)利用された後を想定しています。
知事としては、どのような考えでこの事業を創設したのか。
抽選なしで出せればいいのですが、財政上の制約がありますので一定の方に出すということで、来ていただくインセンティブにもなりますし、その分は消費につながります。この(クーポン券の)抽選は京都市内で過去にも一部、京都市の事業としてされたこともあるので、消費喚起や観光促進に効果があると思います。抽選の方法はまだ検討中ですが、全員に行き渡らないが、一定の割合で当たることを理解していただいて利用いただきたいと思います。抽選はやむを得ないものです。
京都市の予算と合わせて、全体で何人にクーポン券は当たるのか
この予算は、京都府分が7,000万円、京都市分が7,000万円で計1億4,000万円です。このうち個別店舗へお金を振り込む手数料が掛かりますが、この手数料が約2,000万円掛かりますので、残り1億2,000万円がクーポンに替わります。一人あたり3,000円のクーポンなので、4万人分のクーポン券になるということです。クーポンを考えた理由は、知事が申し上げたことに加えて、日銀短観でも出ていますが、宿泊は回転していますが、お土産屋さんなど周辺への波及効果が少し遅れていることがありまして、宿泊された方々が地域でものを買っていただく需要喚起をしたい、しかも密を避けることも含めて平日の宿泊でというものです。
補正予算案の額の規模についての考えと、これだけ予算規模が膨らむと負担も大きいが、それについての知事の考えはどうか。府内観光の推進における中小の事業者支援について、貸切バスの運行は密を避けるという点で利用者に安心を与えられるのかという懸念もある。効果についてどのように考えているか。
確かに予算規模は非常に膨らんでいますが、今回の補正についてはほとんど全てが国庫前提で組んでいますし、特に単価の見直しや生活福祉資金の貸付は、全額国庫負担となります。今回の補正予算については、京都府の財政状況に大きな影響を与えるものではないと思っています。ただ、地方財政の全般の状況を言えば、税収の落ち込みも含めて今年度も来年度も非常に厳しい状況になると思いますので、ここについては、国に対しても地方財政措置をしっかりやっていくようにお願いしていきたいと思っておりますし、なるべく税金を投入しないで効果的な施策をやりたいと思いますが、コロナの時ですから必要なものについては、できる限り国の財政措置をお願いし、だめな場合は我々の自助努力で対応していくことが基本的な考え方だと思っています。
貸切バスについては、今回の支援内容の中に、フェイスガードのような感染拡大予防措置の支援もありますし、バス旅行の安全性告知については、今も現に修学旅行で使用していますし、観光バスの観光がゼロになっているわけではなく、感染予防措置を取っておられます。そういうことを利用者の方にきちんと告知をして、納得していただいた上で利用していただく。そのために掛かり増しの経費がありますので、そうしたことに対して支援したいと思います。観光バスは、初期の頃に感染がありましたが、その後それほど大きな感染は起こっていないので、予防措置に万全を期した上で安心して来ていただける環境整備のための支援と考えていただいたらいいと思います。
安全性のPRに対しても寄与したいということか。
安全性告知の広報経費です。安全性を告知するためには安全性を確保する措置も必要なので、これは事業者の方にも感染予防措置を万全にしてもらいたいという思いもありますし、そうしたことを知らせるための経費の両方です。
現在、病床が非常に逼迫している都道府県もあると聞くが、京都府の現在の準備している病床は十分足りているという認識か。
11月16日現在で病床の利用率は17.6%です。ここのところ感染者数は増えていますが、逼迫している状況にはないと考えています。現在569床の病床を確保しており、年内に750床の目標を掲げておりますので、そこに向けての努力も並行してやっていきたいと思います。重症者が3人で、重症者用の病床を86床確保しているので、それほど高い重症病床の利用率ではないと思っていますので、現在の医療提供体制については心配ないという状況だと思います。ただ、感染状況をみていかなければいけないという立場には変わりません。
お問い合わせ