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対策本部会議でも感染状況のお話をいたしましたが、8月(7月29日に到達)に入ってから「特別警戒基準」を超え、なおかつ20人から30人の新規の感染者が出ておりましたが、現在はかなり落ち着いています。改めましてこの間の府民の皆様、事業者の皆様のご協力や医療関係の皆様のご奮闘に対しまして、心から感謝を申し上げたいと思います。
今後の対応をまとめたところですが、まず9月の感染状況は23日、24日は「警戒基準」を下回りました。ただ中学校、高校、高齢者施設での集団感染が発生しており、また高齢者の割合について、6月中旬から拡大し始め、6月16日から7月30日の感染者数の上昇局面の時には12%くらいであったものが、9月に入ってからは27.6%となり、高齢者の割合が増えているということです。
また府内では飲食機会でのクラスターはありませんが、全国を見ると、飲食機会に伴う感染が継続しており、飲食というのは感染リスクが高い場面であると認識しています。
次に対策本部会議で決定いたしました項目についてご説明いたします。
今後の方向性としましては、新しいライフスタイルの実践とターゲットを絞った対策の継続ということで、二つの柱でございます。
まずは新しいライフスタイルについて、大前提として感染拡大防止と社会経済活動の両立と言っていますが、社会経済活動を取り戻していく上で、いわゆる一般的な感染予防策をきちんととらないとできませんし、なおかつ、今、感染者が落ち着いた状況になっているのは、府民の皆様の多くが新しい生活様式なり、これに沿って感染予防策をとられている成果だと思っていますので、これについては改めて5点にまとめています。
一つ目は基本としてソーシャルディスタンスの確保とマスク着用、手洗いの励行、二つ目は3密を避けること、三つ目の「発熱したら自宅で療養」については、これは京都だけではなく、全国の事例を見ても、症状があるが無理をして出てきた人が感染の起点になって、集団感染が発生した事例も起こっていますので、まず症状があれば自宅で療養していただくということです。四つ目のステッカー及び「こことろ」については、飲食だけではなく全ての事業所で行っておりますし、五つ目の「差別は絶対にダメ」については、感染者、感染者の関係者、場合によっては感染ではないけれども医療従事者の方とか、この関係の方に対する差別や誹謗中傷がありますので、当然人格や人間の尊厳を傷つけますが、一方こういうことがあることによって感染したことを言わなくなるとか、これがさらに新たな感染につながるということもありますので、決してこういうことは行わないことを改めて徹底したいということで、5点に絞って、今回は新しいライフスタイルの実践という形でまとめさせていただきました。
それからターゲットを絞った対策の中では、飲食の機会は感染リスクが今でも高いと思っていますので、ステッカー掲示の徹底について、京都では「Go To Eatキャンペーン」はステッカーの掲示を要件の一つにするといったことも含めてさらに普及促進を図っていきたいと思っています。飲食機会における感染防止対策というのは、ガイドラインを遵守していない店舗の利用の自粛や大人数での大声の会話・歌唱を伴う宴会・飲み会を控えるということで、引き続きここは守っていただきたいところです。あとは「こことろ」等の登録店舗及び利用者の拡大ということです。
二つ目のターゲットの大学生、中高生について、安心して学生生活を送るということで、大学生については新しい措置をとったということではありませんが、大学生が本格的にかなりの人数で活動を再開するのは後期授業が始まるこれからです。大学側もこの週末明けとか、9月が本番となるので感染防止対策の徹底ということ、今は議会中で予算の審議をいただいていますが、これが認められれば直ちに対策を打ちたいと思っています。
中高生については、この間の感染状況を踏まえて、京都大学iPS細胞研究所長の山中先生のメッセージ動画による啓発や府立学校や私立学校等への注意喚起をさせていただきたいと思っています。
最後に医療・検査体制について、季節性インフルエンザの流行に備える体制をとるということですが、具体的な措置については整った段階で改めてご説明したいと思いますが、今、国の方でも様々な検討が進められていますので、方向性について4点まとめました。
一つは身近な医療機関において、相談・受診できる体制整備です。京都では全国に先駆けて、かかりつけ医から検査センターにいくルートや帰国者・接触者相談センターを通じてということですが、かかりつけ医での唾液検査の体制を整えてきましたが、これについては国でも全体として、身近な医療機関で相談・受診できる体制を整備すると言っているところです。
それから検査可能な診療所の拡充と抗原検査キットの活用です。抗原検査キットは1日当たり20万件と言われていますが、これを使える医療的な知見がどれくらい進むかによりますが、こうしたものの活用に対する対応です。
それから医療提供体制について、国でも高齢者等を含めた重症化リスクのある方を優先的に入院させるといった話がありますが、入院措置を含めてどういう形でこれに合わせていくのかということがあります。ただいずれにしても一定程度の入院患者はありますので、引き続き医療提供体制は維持したいと思いますが、ここのところの見直しということです。
それから保健所について、この間、保健所に対する負荷が強かったですが、集団感染が発生したときにどれだけ早く、積極的疫学調査によってその範囲を特定し、二次感染を防ぐかということが感染拡大防止に非常に重要な部分であったのですが、例としてお示しした9月の集団感染も、全てが素早い対応で感染の範囲を抑えて、拡がりを止めたということもありますので、逆に言えば、保健所が積極的疫学調査等の本来の業務に専念できるように、保健所におけるその他の業務の負荷を減らしていくことも考えないといけません。いずれにしても、医療・検査体制につきましては、国の方針等を踏まえ、また医師会や病院・医療機関等との調整を行い、改めてご報告申し上げたいと思っています。
今後の対応策について~新しいライフスタイルの定着を目指して~(PDF:684KB)
「新しいライフスタイル」について、「5ルール」からどう変化したのか。
もともと「5ルール」は、対策本部会議で決定した一定の行動を我々がピックアップし、特に飲み会・宴会について分かりやすいように5点にまとめたものです。今後は「5ルール」ではなく、この「新しいライフスタイル」をまず基本として守っていただいて、その上で宴会・飲み会については、今後は、前から言っております「ガイドラインを遵守していない店舗の利用自粛」と「大人数での大声の会話・歌唱を伴う宴会・飲み会は控える」のルールに基づいてご協力をお願いします。「5ルール」がなくなったわけではないのですが、「5ルール」に代えて新しいルールでお願いしたいという意味です。
その形は継承して、新しいルールを課していくということか。
対策本部会議で決定し、このルールでお願いしたいということです。
全体として減少傾向の中でも、特別なところで集団感染が発生している。京都府内の感染状況についての知事の認識をお伺いしたい。
京都府内の感染状況については、折れ線グラフで見ると一定の集団感染が出ており、濃厚接触者が多いとどうしても波が出ますが、一定落ち着いた状況にはあると思います。ただし、感染者が出るということは、それなりに感染リスクが市中にあるわけですから、油断してはいけない状況だと思っています。感染経路不明の方の比率も徐々に減ってきておりますし、PCR検査の陽性率も減ってきておりますので、そういう意味では全体としては落ち着いた感染状況だと思っています。ただ、これは決してゼロになっているわけではないので、感染リスクはあると思っています。
今日決定した対策は、減少傾向にある中での緩和なのか。あるいは改めて「5ルール」から「新しいライフスタイル」に変えての再決定なのか、どのように認識しているのか。
緩和のつもりは全くなく、新しいルールに従って、是非とも感染予防に努めていただきたいということです。緊急事態宣言の頃から比べれば当然緩和されていますが、感染が落ち着いた状況の中ではこの新しいルールに従って行動していただきたいという思いで申し上げました。
繰り返しになりますが、やはり基本的な感染予防のルールを守っていただいていることが、今の感染の落ち着きに繋がり、社会経済活動を徐々に取り戻していける大本になっていると思うので、そこは引き続きお願いしたいということです。
対策本部会議でも「5ルール」に関する検証は特になかったが、「5ルール」が厳し過ぎるから緩和するのかとか、「5ルール」では甘いから「新しいライフスタイル」にするのかとかその辺りが少し分かりにくい。「5ルール」自体の総括はされているのか。
「5ルール」はあくまでお願いで、府民の皆様の自主的なご協力を要請するものでしたから、定量的に総括するものではないと思っています。ただ、日常の社会経済活動に比べれば制約をはめることになり、今回は新しいルールに従ってくださいということです。
「5ルール」を決めた時も、対策本部会議の決定としてどういう行動をしていただきたいかを決めた中で、分かりやすいように宴会・飲み会について5つのルールをつくったというのは、あの時は、全国的にも京都府内でも飲食機会、特に若者世代における感染が非常に多く起こっていたので、感染状況に合わせた行動をお願いしたもので、今回もまさにそういうことです。
「5ルール」には「2時間以内」「10人程度」など分かりやすい数字があったが、例えば「5ルール」よりこういう面で優れているので「新しいライフスタイル」になりますとかもなく、いきなり「新しいライフスタイル」に変えると言っても府民に分かりにくいのではないか。
もともと「5ルール」は宴会・飲み会のルールとして決めていましたので、そういう意味では、「新しいライフスタイル」にこれからの宴会・飲み会でのルールが集約されていますので、ここに読み替えていただくものと考えています。
ライフスタイルに関しては、今感染状況が収まっているのは、府民の皆様がちゃんと感染症を考えて慎重な行動をされているからだということが分かってきたので、そういうことに対して、もう必要がないという誤ったメッセージを出さないようにということで特にお願いしています。
ご質問の宴会・飲み会については、大前提として「大人数での大声の会話・歌唱を伴う宴会・飲み会を控える」ことと「ガイドラインを遵守していない店舗の利用を自粛する」こと。この2点に集約されていると考えていただいたらいいと思います。
2時間以上の宴会や深夜の飲食店の利用について、これまで府民はかなり意識してきたと思いますが、この2点について、今後どのように行動したらいいのか。
7月、8月の感染拡大期には、2時間以上の宴会や深夜の飲食店の利用を控えることについてお願いしておりましたけれども、今回は「新しいライフスタイル」に置き換えるということですから、単純に比較すれば、その部分はなくなっていると考えていただければいいと思います。
今日をもって「2時間でお開き」と「深夜の利用を控える」という要請はしないという理解でよいか。
そういうことです。
「入院措置見直しを踏まえた医療提供体制の運用見直し」の中で、リスクのある方の感染を防ぐといったことがあったが、運用のどの辺りを見直すかについて具体的に決まっていることがあれば教えていただきたい。
国において、例えば高齢者や基礎疾患のある方など重症化リスクのある方を優先して入院させる、軽症や無症状の方は施設療養や自宅療養を原則とする、また地域によって、知事の判断で柔軟に対応するといった方向が今示されており、ここはそのことを意味しています。国が方針として正式に決定すれば、それに合わせて我々がどうしていくのかを決めていくということです。
ただ、現状を申し上げますと、京都は全国に先駆けて入院医療コントロールセンターを府庁内に設け、本来これは保健所の業務だったのですが、この段階から症状と空いているベッドを見ながら、ドクターが責任を持って割り振りを行い、入院の優先順位付けを行ってきたので、入院措置の考え方はあまり変わらないと思います。
この見直しは感染症法との兼ね合いにより方向性だけ出ていて、まだ正式には決まっていませんが、国において入院措置が見直されれば、それを踏まえてこちらも運用を見直すということです。
「Go To Eatキャンペーン」について、京都府内では10月20日から食事券の利用が始まることが発表されたが、開始時期についての知事の受け止めと「Go To Eatキャンペーン」に対するお考えを聞きたい。
もともとこれは国がGo Toキャンペーンの一環として、非常に経営の苦しい飲食店に対して、その需要喚起策として実施するもので、国で制度化もされているので、基本的には最大限活用して京都府内の飲食店の利用拡大につながるように運用していくことを期待しています。
京都府では、商工会連合会と商店街振興組合連合会とJTBがコンソーシアムを組んで、そこが事務局になって運用します。私としては、より円滑にこの業務が進むこと、そして、非常に経営の厳しい飲食店の支援に少しでも繋がることを期待したいと思っています。
10月20日から始めるという時期について、何かご意見はあるか。
Go Toキャンペーン事業は、最初は全て経済産業省が事務局となって実施するはずであったものがキャンペーンごとに振り分けられ、「Go To Eatキャンペーン」は農林水産省に振られたもので、プレミアム付き食事券の発行などの仕組みの構築もかなり大変だったと思います。国もなるべく早く実施したいと思っていたかもしれませんが、申し込みの受け付けはもう始まっていますので、始める時期については努力をされた結果だと思っています。準備に一定の時間がかかったのはやむを得ないことかなと思っています。
この4連休、京都は大変な人出で賑わった。人の流れについて現状どのように考え、今後どのように臨まれるのか伺いたい。
4連休の人出について、その内訳を見ますと、例えば京都駅発着の足の長い旅行などは比較的少なく、マイカーのナンバーを見ても比較的近隣の方が多い。鉄道では北近畿タンゴ鉄道(KTR)とか京都丹後鉄道はそれほど多くなく、それより京都縦貫道の利用が前年並みになったということなので、まずはマイカーを利用した、しかも比較的オープンな屋外での、近隣からの観光がそれなりに回復したと思っています。
前から言っていますように、移動だけで感染のリスクが増えるわけではなく、それぞれの方がきちんと感染予防措置をとれば感染のリスクを防げると思います。ただし、人が多い分感染の可能性は高まりますから、この4連休の人の動きの影響が感染にどのように反映されてくるかについては、相当注意深く見守っていかなければいけないと思っていますが、まだ結果が出てきていないので分からないというところです。
今、感染者数が減少傾向にある中でも油断はできないという点について、もう少し詳しくお考えを聞かせていただきたい。
春の第1波に続いて、6月中旬の次の波が今収まっています。どういうメカニズムで拡大してまた収まっていくのか完全に解明されているわけではないと思うのですが、6月中旬の時からも感染がじわじわと増えて、今もゼロにはなっていない。しかも、東京は引き続き3桁の感染者が出ているので、感染リスクがゼロになっているということはないというのがまず基本的な認識です。
一方でこの間、感染症に対する様々な知識を得て、予防措置が講じられており、それが感染の拡大を抑えているという事実があります。皆さんが予防措置をきちんと行えば爆発的な感染には繋がらず、たとえ感染が少々増えても、また収まっていくのではないかと私自身は思っていますが、全く予測はできないので、兆候を早めに捉えて必要な対策はしていかなければなりません。
もう一つ申し上げますと、クラスターが発生した時に素早く囲い込んで二次感染を防いでいくことは我々の努力でできることなので、常に準備をして、なるべく立ち上がりの早い対応をしていきたいと思っています。
「新しいライフスタイル」についてのメッセージの表現が少しおおまかになってきたことで、皆さんの緩みに繋がらないかと懸念される。その点について改めてお話しいただきたい。
緩めるとか、緩和という前に、感染状況が続いている中で、まだ完全に日常を取り戻しているわけではないので、あくまで感染予防策を行うという前提で、感染状況に合わせた行動をお願いしたいと思っています。
ただ感染リスクがなくなっているわけではないので、基本的な感染予防策は取ってほしいということ、それがこの「新しいライフスタイル」を守ってほしいということです。その上で、宴会・飲み会については、少し日常の行動に近づける形でメッセージを出させていただいたとご理解いただければと思っています。
それは、経済状況やまちの活性化ということを踏まえたことか。
もともと「社会経済活動」と言う時に一番最初は学校についてでしたので、必ずしも景気だけの話ではないと思います。コロナがなければ皆さんが通常行われる様々な活動が制約を受けており、それが少しでも日常の「社会経済活動」に繋がっていくということですので、その中の1つには経済活動も入っているかもしれませんが、それだけではなく、全ての「社会経済活動」についてということです。
再び感染が拡大していった場合、府はどういった基準で、今後どのように対応していくのか。
基準に関しては何かの基準を超えれば自動的に措置を発動するという考え方は、夏以降は取らないと決めていますので、ただ数だけではなくて、その時の感染状況がどういう形で感染したか、例えばクラスターがどういうところで発生したかなどを含めて対応したいと思います。
基本的には、我々が決めている「警戒基準」と「特別警戒基準」があります。7月29日から約1か月「特別警戒基準」に達した時期がありますので、「特別警戒基準」については、一つの大きなラインとして意識しています。今回たまたま2日間「警戒基準」を下回っていてどういう波があるのかは分かりませんが、そこは意識したいと思います。
繰り返しになりますが、発生状況によってクラスターの特徴があり、何か対応しなければいけないという場合がありますから、そこは感染状況を慎重に見極めて効果的な対策を行っていくということだと思います。
米軍のことでお伺いしたい。9月上旬に米軍側から公衆衛生上必要な情報が提供されたのであれば、様々な取り決めで詳細は出せないかもしれないが、米軍と情報公開のルートができたとか、一定情報が開示されたといったことを京丹後市民や府民にアナウンスしてもよかったと思うが、これまで明かされてこなかった理由について教えていただきたい。
明かされてこなかった状況というのがよく分からないのですが、9月2日に米軍側の陽性者10名のうちに濃厚接触者がいたけれども感染されていないという情報提供があり、それについて我々は報道させていただいたので、我々としては公表したつもりです。
それは個別事例の一つを公表したということで、米軍と公衆衛生上必要な情報が提供されるルートができたとか、全面的に開示されたということとは全く違うものだと思うが、同じとお考えか。
もともと米軍にお願いしていたのは、公衆衛生上必要な情報の提供です。もちろん遅過ぎるというのはありますが、あの段階で提供のあった情報は、公衆衛生上必要な情報をいただき、その中で公表可能なものについて公表したということです。
ルートについては、仕組みを構築するまでには至ってなく、とりあえず府の保健所長と米軍の医療担当の方が電話なりで連絡できる体制ができたということです。
この体制を通じて情報が来たかどうかはわかりませんが情報が来たという事実はあり、連絡ルートが開設されたこととは、私としては別の問題だと思っています。
京都市内の私立高校でクラスターが発生したが、私立の学校名の公表や部活動の対策についてこれから方針を出されることはあるか。
「大学・中高生が安心して学生生活を送る」という項目について申し上げましたが、中学、高校における感染防止対策については、教育委員会からそれぞれ市町の教育委員会を通じた公立学校のルートもありますが、私立の学校に対しては、府の担当部局から、直接、注意喚起を行います。校長会では、山中先生のメッセージを校長に見ていただいて、内容を確認した上で生徒にも見せると言っておられますので、私立の中学、高校に対しても改めて感染防止対策を徹底していきたいと思っています。
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