スマートフォン版を表示する

更新日:2019年12月9日

ここから本文です。

令和元年11月21日知事記者会見

令和元年度12月補正予算案の概要等について

令和元年度12月補正予算について説明いたします。

予算編成の基本方針ですが、児童虐待や子どもの交通安全対策、災害への備え、文化財の防火対策など、府民の皆様の安心・安全のための緊急対策や、来年5月に迫った府内での聖火リレーの準備のため、補正予算を編成しました。

 

児童虐待・DV防止連携強化事業費(400万円)

安心・安全のための緊急対策について、1点目は、児童虐待・DV防止連携強化事業です。児童虐待の通告件数は8月末で前年度同月比約1.3倍と、引き続き厳しい状況にあります。例えば、東京都目黒区の死亡事案のように母親自身のDV被害と虐待が密接に絡むことで深刻化するケースも見られるため、本府としても児童福祉司の増員も含めた児童虐待事案への対応力を強化してきました。今回は、児童虐待とDV被害の相談窓口が相互に情報共有し、連携を強めることで、リスク家庭の早期把握に繋げ、深刻化・重篤化の未然防止を図ることと併せて、児童虐待とDVとが複合的に発生する現場での対応力を強化するための研修プログラムを策定します。

 

未就学児交通安全促進事業費(100万円)

2点目は、子どもの交通安全対策です。大津市での事故を受けて本府でも幼児交通事故防止対策連絡会や、緊急合同点検の協力体制の枠組みを構築し、危険個所の点検等を行ってきました。今般、国がキッズゾーン制度を創設したことを踏まえ、関係行政機関や保育所等と連携して、キッズゾーンのスムーズな設定に向けた検討を進めていきます。

 

避難所等緊急実態調査費(0.3億円規模)

3点目は、避難所等の緊急実態調査です。

今年の台風第19号などによる大雨では、避難所自体の浸水や、避難経路上での被災など、新たな課題が明らかになりました。今後これらの課題を検証するため、府内の避難所の立地や避難経路の現状などを緊急的に調査し、データベース化した上で、その結果に基づいて市町村と連携して課題の抽出や改善方策を検討します。

 

文化財緊急防火・防災対策事業費(0.6億円規模)

4点目は、文化財の防火・防災対策です。今春のノートルダム大聖堂火災、先月の首里城跡の火災等を受け、改めて京都府内における文化財についても、文化財所有者が行う防火・防災設備の整備や機能向上を促進するため、府の指定文化財に係る補助率を臨時的にかさ上げする緊急対応を実施します。

 

東京2020オリンピック聖火リレー準備費(0.1億円)

次に、聖火リレーの準備についてです。来年5月26日(火曜日)・27日(水曜日)に京都府内で聖火リレーが行われます。この聖火リレーの準備に万全を期すため、準備に取り組む沿道市町への支援を行うとともに、本府としても、聖火リレー1日目のゴール地点である京都スタジアムにおいてセレブレーションイベントを実施するための準備に着手します。

 

予算案の規模

12月補正予算全体としては1億円台で、現計の予算と合わせて8,993億円台です。一般会計ベースで対前年12月補正後予算との比較では101.1パーセントとなります。

 

主な条例について二つ紹介します。

一つは、京都府土砂等による土地の埋め立て等に関する条例、いわゆる「土砂条例」の一部改正です。建設の需要や災害復旧により土砂の発生の増加が見込まれますので、違反行為の即時中止や原状回復の確保にかかる措置の強化を図るもので、主な内容は、土砂等搬入禁止区域の指定制度導入や、違反行為の中止や原状回復を命じる対象者の拡大、新たに災害発生防止措置の勧告制度を導入することなどです。規制の強化により違反行為等を未然に防止するよう務めたいと思います。

 

もう一つが、京都府迷惑行為防止条例の一部改正です。

これは悪質・巧妙化している盗撮等の卑猥な行為に的確な対応をして、府民の平穏な生活を保持するためのもので、いずれも規制を強化するものです。例えば、新たな態様の卑猥な行為、盗撮行為の規制の拡充、撮影機器を差し出すような準備行為、つきまといといった行為に対する規制の強化を行います。

 

以上が補正予算と主な条例についてです。

 

令和元年度12月補正予算案の概要等について(PDF:731KB)

 

「WIT(ウィット)Kyoto」の開催について

2点目は「WIT Kyoto」の開催についてです。

京都府では従前から女性活躍を推進しておりますが、さらにその流れを加速して新たな働き方のムーブメントを全国に発信していくために、女性活躍推進サミット(Work&Women in Innovation Summit=WIT)WIT Kyotoを開催します。

このWITは、平成28(2016)年に行われた伊勢志摩サミットの首脳宣言を受け、あらゆる分野での女性活躍をテーマに第1回が同年に三重県で開催され、広島県、宮城県と続き、4回目は京都で開催することになりました。基調講演では、京都大学大学院卒業後に日米両国で起業し、2種類の薬剤を開発・販売されるなど、起業家としてグローバルに活躍され、社会起業家の育成にも尽力されている久能祐子さんにご登壇いただきます。

さらに、WITを第1回から中心的にプロデュースされているカーレーサーの井原慶子さん、ゴールドマン・サックス証券副会長のキャシー松井さん、OECD東京センター所長の村上由美子さん、そして基調講演にもご登壇いただく久能さんと「女性活躍の壁」を乗り越えるために必要なことなどについて議論をしていただくほか、京都企業の中で活躍されている皆様にもパネルディスカッションに参加していただきます。また、女性の起業・創業や理工系の分野の女性の活躍、さらに男性の意識改革など、課題別に分科会を設けて、参加者の皆さんと共に考え、新たなステップに踏み出せるような契機にしたいと思っています。定員は500人で、WIT専用ホームページからの事前申し込みが必要となります。多くの方にご参加いただけるよう周知をお願いいたします。

 

「WIT(ウィット)Kyoto」の開催について(PDF:451KB)

 

京都スタジアム建設工事について

3点目は京都スタジアムについて報告いたします。

10月31日(木曜日)に工事現場でボヤが発生し、一時工事が中断しておりました。その後、溶接作業時の防火処置や作業が終わった後の防火確認などの再発防止策の徹底を図り、11月6日(水曜日)から工事を再開しております。

影響を受けた建屋・設備について施工業者が調査会社のベルフォアジャパンに調査を依頼し、その結果、柱や梁、床などの構造体のコンクリートや鉄骨などに異常はなく健全であったこと、ススがついている電線のケーブルは、配線番号を記したタグやラミネートフィルムが健全で、熱の影響がなかったことを確認しました。吸排気、空調のダクトも巻き付けていた保温材や養生材を外して本体を確認しました。若干ススの侵入はありましたが、部材には影響が無いと報告がありました。当初の予想よりも軽い状況であることが多く、焼けた電線ケーブルや放水で濡れた電気盤の交換、ススで汚れたところの洗浄で復旧できるということで、スタジアム本体建物の内外の設備工事と並行して被災箇所の工事が進められるということで12月28日(土曜日)までに諸官庁の検査や完成検査をして引き渡しができるという報告を受けています。

予定している1月11日(土曜日)のスタジアムの竣工式について予定通り行いたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

 

主な質疑応答

記者

文化財の防火対策が進んでいないという認識か。また、臨時支援ということだが、期限はいつまでか。

 

知事

期限は1年で区切ろうと考えています。整備率はいろんな考え方がありますが、自動火災報知器や消火器等の整備率を見ると、府指定の文化財は現時点で75パーセントと把握しております。整備をするには一定の所有者の負担がありますので、この際かさ上げすることでやっていただこうと思っております。今回の制度拡充で75パーセントが80パーセントまで向上すると考えております。

今回の整備件数は、全体で約100件と見込んでいます。認識としては100パーセントではないので、問題意識を持ってもらい自己負担が少ない制度を設けることで、防火対策を促進したいという思いがあります。

 

記者

避難所について、浸水想定区域内にいくつあるかなどの現状は把握されていないのか。

 

知事

災害対策基本法では市町村長が避難所の指定をすることになっており、名称や場所、収容人員といった基本的な情報はいただいていて、国とも共有しています。

今回、浸水があったり、避難経路の中での発災があったので、今持っている情報だけでは足りないと思いまして、情報としては新しい部分を見ていきます。市町村は、浸水想定区域や民家が密集しているところと避難所との位置関係まで把握していると思いますが、まとまった形で情報をいただいていないので、台風第19号の教訓を生かすという意味で、避難所のよりきめ細かな情報の把握に務めるための予算です。

 

記者

市町村が把握していることを府がまとめて把握することでどんなメリットがあるのか。

 

知事

一つは、本当に把握しているかということがあります。市町村によりきめ細かな情報を把握してもらう契機としてもらいたいです。市町村によってばらつきがあるので、先進的な情報があればそれを共有することで、より精緻なものにするきっかけになると思います。

最近の災害の状況は自治体同士の相互の協力も多いことを踏まえると、統一的にデータベースで集約することで効果があると思います。

記者

避難所等の調査期間はどれくらいをイメージしているのか。

 

知事

基本的には、補正予算は緊急的で重要な需要に伴うものなので年度内です。ただ、今回の場合は範囲が広いことときめ細かな調査ですので、繰越を計上することで年度をまたぐと思います。しかし、次の出水期には一定の成果を施策に反映したいと思います。4月からやるとなるとできることも限られているので、教訓を生かすということで、安心・安全のために補正予算に計上して、早めの着手をお願いしています。一つの区切りは出水期だと考えていただければと思います。

 

記者

市町村全域に避難指示が出た場合、避難所のキャパシティを上回ると思うがどう考えるか。

 

知事

全人口を避難所で抱えるとなると膨大になるので、財政的な負担とキャパとの兼ね合いで、合理的な浸水想定区域などを設定しています。台風第19号のように、台風に伴う雨雲が日本列島の面積の半分と広範囲に被害が起こるものを想定するのは次の段階となりますし、それを京都府に置き換えた場合の答えはないです。

阪神淡路大震災や東日本大震災でもそうでしたが、地震の際の仮設住宅の場合、なかなか自宅に戻れないということが前提にあります。水害の場合は、水が引いて何もなければ戻れるということがあります。政府全体でも、今回の災害の検証で避難の話も出ています。水害と地震の避難の種類の違いも含めて、議論はいずれあると思います。

 

記者

土砂条例で規制を強化することの狙いは。

 

知事

改正内容はいくつかありますが、違反行為があってからではなく、未然防止がキーポイントだと思います。今回の改正で、搬入禁止区域の指定制度の導入のほか、単に埋め立てした人だけでなく、違反行為を助けた人なども命令対象とするほか、土地所有者にも勧告します。土地所有者に問題意識を持ってもらえれば、その方から情報提供もあり得るし、違反行為を防ぐことができるのではないかと思います。対象者の範囲を広げることで、未然防止効果を高めることが大きいと思います。

 

記者

大河ドラマ出演の俳優の逮捕についての受け止めは。

 

知事

薬物乱用については青少年の影響もありますし、きちっと対応すべきだと思います。ドラマ誘致や地域振興の観点からすれば、我々が長い間努力してきて、やっと実現したドラマなので、重要な役割を演じられる方が逮捕されたことは残念です。

 

記者

大河ドラマ館の開館に影響はあるのか。

 

知事

大河ドラマ館のオープンは、スタジアムの竣工式と同日にやるということでした。展示内容については見直しや差し替えがあるかもしれないということですが、亀岡市によると、大河ドラマ館は予定通り1月11日(土曜日)にオープンするとのことですので、府としても予定通りに準備を進めていきます。

 

記者

昨日された政府要望で特に重要なものは。

 

知事

私が直接、大臣、副大臣、政務官にお伝えしたものはすべて重要だと思っております。お会いできた大臣ですと、赤羽国土交通大臣には高速道路や京都舞鶴港、治水対策について要望しました。竹本IT政策担当大臣には、世界に伍するスタートアップ・エコシステム拠点形成戦略の拠点都市への選定についてお願いしましたし、地方創生の北村大臣には、第二期の戦略が始まりますので、地方のための施策全体の推進や交付金について、我々も地方創生のための知恵を出すので、予算配分や重点配分をお願いしました。すべて大事なことなので、プライオリティはありません。

 

記者

知事は3年目となるが、来年度の予算編成でどんなカラーを出すのか。

 

知事

今年の10月2日(水曜日)に京都府総合計画が策定され、来年度はその初年度です。おおむね20年後の2040年に実現したい京都府の将来像の実現に向けた、まさに発射台となる年です。どういうステップで来年度には何をやるか、総合計画の実現にどう結びつけていく初年度にするかという考えで、編成に臨みたいと思います。

 

記者

西脇知事は職員に自主性を求めていると聞いたが、その意図は。

 

知事

私が職員に対し、前例に捉われない、連携、現場主義徹底の3点を伝えたのは、自由に発想した方がいいと考えるからです。しかし、予算執行は税金を使う仕事で重みもあり、予算編成においては限られた財源の中で分野ごとのプライオリティの判断は必要となります。

ただ、「こういう仕事をしたい、こういう施策をしたい」ということについては、すべて実現するかは別ですが、思い切った提案など、入り口については斬新なアイデアや思い切った発想で取り組んでほしいという思いは強いです。

 

記者

スタートアップ拠点についての京都府の方針は。また、連携するスキームを望む理由は。

 

知事

京都が単独で選ばれる可能性があるかは別として、我々のスタンスは京都、大阪、兵庫がそれぞれの強みを生かし、関西一丸となって連携してスタートアップ拠点に取り組みたいということです。国では、今は概算要求が終わり編成作業中ですが、制度設計として単独の自治体からの申請しか認められないのであれば成り立ちません。ですので、昨日の政府要望でも共同して提案できる仕組みにしてもらい、その上で京阪神を選んでもらいたいとお願いしました。

正式なものではありませんが、拠点は国内で「2~3カ所程度」という話が度々出ています。首都圏と、福岡は以前から拠点性がありますので、そこに「世界に伍する」となると、京都、大阪、神戸で競争するよりも、特色を生かして連携した形の方が世界的な競争力が高まると思います。日本とアメリカのベースの大きさは違いますが、世界的なIT起業のメッカであるシリコンバレーの人口規模や面積と比べてみても、京阪神の範囲は広いわけではないので、良く言えばそれなりにコンパクトにまとまっていると思います。

我々の思いとしては、連携して特色を生かしながら相乗効果を持ったスタートアップ拠点にしてもらえたらと思います。これは経済界の協力が必要ですが、3商工会議所が3都市で連携してスタートアップ拠点を目指したいとおっしゃっており、趣旨も我々と合致していることもありますので、そうした方向で努力しようと思っております。

 

記者

大阪府・市、兵庫県・神戸市と出す予定なのか。

 

知事

経済界がそれぞれ行政に相談してやるか、我々が横に並んで出すのかは決まっていません。アイデアは出していますが、制度ができていないのでどういう範囲でどういう風にいけば採択されるかわからないことがあります。大阪府・大阪市や京都府・京都市との関係もあり、範囲としてどこを拠点として作るのかなどわからないことも多いので、追々考えていくことになると思います。政府の制度なので、自治体間で歩調を合わせて出すことになると思います。

 

 

お問い合わせ

知事直轄組織広報課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4075

koho@pref.kyoto.lg.jp

関連情報

バックナンバー

動画を再生するには

動画をご覧になるためには、タイトルをクリックするとYouTubeサイトへ移動します。