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京都府の西脇隆俊知事は28日、京都市内で開かれた内外情勢調査会で「加速する『あたたかい京都づくり』」と題して講演した。西脇知事は「京都市域だけにとどまらず、府域全体の発展につなげるため、より高いレベルの府市協調が必要だ」と強調した。
知事と京都市長はこれまで懇談会を年1回開催していたが、2月に松井孝治氏が京都市長に就任したことを受け、年に数回、機動的に開催することで合意。今年は既に3回開催している。
西脇知事は主な成果として、府立・市立高校が連携した探究学習の推進を挙げ、51校500人の生徒が学習内容を発表するイベントを12月に開催することを紹介。オーバーツーリズム(観光公害)対策の一環として府市で周遊ツアーを販売していることも取り上げ、「大変好評で、観光地域の分散につなげたい」と話した。
さらに、京都市から関西文化学術研究都市までを含む地域で、半導体の素材研究からデザイン、生産、実装までを担う「(仮称)京都半導体バレー構想」を説明。「パワー半導体や光半導体、人工知能(AI)半導体をターゲットに、構想を実現するために予算化しようと京都市長と合意している」と語った。アート市場の活性化や伝統産業の振興でも連携する考えを示した。
このほか、「人口減少は最大の課題だ。人口減少社会でも社会の活力を維持する方策を考えないといけない」と問題提起し、保護者が保育士から育児の助言を受ける府独自の「親子誰でも通園制度」を国で制度化することを提案。また、府による婚活支援に関して「ずっと税金だけでやるわけにはいかない。成長企業は社内結婚が多く、民間企業を巻き込んで取り組みたい」と述べ、企業と連携した婚活支援に取り組む意向を示した。(了)
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