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第34回京都まちとみどり写真コンクール、今年もたくさんのご応募がありました。初めての方や常連の方、若い方からご年配の方、さまざまな方々からの作品ありがとうございます。ただ優れた作品でもテーマから離れていると選ばれず、勿体なくも落選という結果になってしまっています。そのような作品が多いのは残念ですが、今回も入賞作品14点、佳作16点の合計30点を選ばせていただきました。昨今、ほとんどの方々がデジタルカメラでの撮影だと思います。撮影後の現像処理などもされていることでしょう。現場で撮影したデータを素材とし画像加工やトリミングされるのは良しとしても、行き過ぎた誇張処理は、やはりマイナスポイントです。今回の応募作品では、シャッターチャンスをどこで捉えてられるかを選定基準の第一に決めさせていただきました。人物が写り込んでる作品は人物の表情まで、自然の情景はどの季節、どの時間帯で捉えているかをじっくり拝見させていただきました。構図、露出、ホワイトバランスは後の加工で修正可能ですが、シャッターチャンスだけは画像処理でも拭いきれない所です。街中やいろいろな場所で様々な場面に出くわし思わぬ光景に遭遇すると思います。一期一会のようなシャッターチャンスを逃さず作品創りに励んでいただければと思います。
雲一つない新緑あざやかな時期に撮影され、緑の木々や青空がさわやかで気持ちの良い作品になっています。風の流れで生き生きと泳ぐ鯉のぼりには躍動感があり、その流れと同じく馬車がゆっくりと力強く歩を進めています。のんびりとした風景なのに力強さを感じるのはそのあたりからなのですね。背景の山との構図、シャッターチャンスは絶妙ですね。これからの作品にも期待します。
雪景色の応募が目に止まりました。うっすらと積もった嵐山の木々が冬の京都を演出しています。渡月橋を寒々と渡る人たちや雪の京都を楽しむ観光客、小雪が舞っているのも旅情的ですね。赤い傘の女性が緑の松の下にあり、赤の差し色ワンポイントも効果的です。のぞき込む女性、橋の下にはサギがいるのも見つけました。
梅雨時、あじさい写真の多くは雨模様であったり、境内での写真をよく見かけますが、晴天で川面に写り込むあじさい写真は珍しいですね。何度も出くわす光景ではないので狙っておられたのが伝わってきます。少し右側をトリミングし画面を大きくすればもう少しあじさいをクローズアップ出来たのではと思います。
ギターを担いだ若者達、賑わった公園へこれから演奏に向かうのかそれとも疲れて帰るのか、晩秋の黄昏が演奏を終えたようにも感じますね。逆光での撮影ですが太陽を上手く配置し、露出やカラーバランスの調整も良く出来ています。もう少し影を演出すると晩秋感と落ち葉が際立ったようにも思います。
京都市内の真ん中でもイルカショーが見られるのは、家族サービスには最適ですね。水しぶきとお子さん達の歓声が聞こえてきそうです。かなりの高さまでイルカはジャンプしているのですね。そのおかげもあって、上手いタイミングで町並みと公園緑化を捉えることが出来ています。新幹線まで入っているとは良いシャッターチャンスですね。
この場所は審査会をしている会場の屋上、こちらも緑化されていたのですね。屋上からクレーンの上部だけ見ていると工事現場よりもテーマパークのようにも思えてきます。手前の木製ベンチ2つがそれをかもし出しているのでしょうか。ベンチとクレーン2台の対比、青空と緑がすがすがしく屋上緑化がどんどん進めばと作者の狙い所を感じますね。
子供達が泥まみれになって田植えをしていたのが伝わってきます。真っ直ぐな横ラインと写り込みのバランスも良いです。右端の子供達、頭にタオルを巻いての表情がとてもユニークです。少しクローズアップすると、何かしらストーリーが出来そうですね。
丹波自然運動公園で子供達が木登り体験。今時の子供達は木に登る事など初めての事なのかもしれません。少し不安であったり怖かったりと様々な表情が面白い空気感を出しています。赤・緑・青とカラフルなコントラスが自然と一体となった子供達を引き立ててくれていますね。
緑に囲まれた一風変わった建物、存在感がありますね。高いビルに挟まれていますが真正面から堂々と捉えた作者の意図がくみ取れます。見上げたバランスと青空、周りの人たちの何気ない日常も自然で良いですね。
象鼻杯での親子連れ。お子さん達がカメラを意識されてなく、興味一杯の表情が良いですね。シャッターチャンスも良く、望遠レンズを使わず被写体に寄って撮影してるので動きのある作品に仕上がっていますね。私も家族で宇治市植物公園に出向いてみたくなりました。
秋の黄色く染まる夕暮れを落ち着いた色彩と構図でまとめられています。画面一杯に広がるイチョウの葉や大木のどっしりした安定感、全体のバランスが良いです。子犬を引く二人組も優雅に散歩されていて、作品を上品に引き立ててくれています。
このターミナルはよく利用させてもらっていますが、緑柵の手入れはいつもご苦労様ですね。何気ない町の風景ですがシンメトリーな構図もしっかりされていて、職人さんを労う作者のやさしい気持ちがシャッターチャンスに活かされています。
写り込み撮影はどこまで鏡像を写し込むかがポイントです。天候や光の加減で日々見え方が変わってくるので毎回このアングルがベストではありませんが、橋の下から覗く本殿の朱色、写り込みの緑の葉、露出のバランスがとても良いです。驚いたのは鏡像である水面の写り込みを上下逆さまに作品展示とされたことです。印象派の絵画のような作風に仕上がりました。残念なのは正像が少しブレてしましました。またチャレンジしてみて下さい。
見る角度で茎がハートの形を撮影されたのですね。かわいらしい印象で頬笑ましく思います。背景のボケ感も良いのですが、もう少しハートの形が強調できれば作品としてインパクトが出せたように思えます。今回の応募で最年少13才。これからの作品に期待します。
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