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審査委員長 小幡 豊(京都写真家協会)
応募作品数は539、応募者数は190名でした。若年層を対象とした「奨励賞」を設けた結果、今回20歳~39歳の方の出展が増加しました。作品傾向にも変化の兆しが有りました。60~79歳の皆様の出展が今回も100名を超えています。入賞比率も圧倒的です。引き続き牽引していただけると期待しております。花や新緑をはじめ植生だけに眼を奪われると只の「説明写真」になります。撮影者の素直なお気持ちを込めて「感動」をお伝えください。昨年、「しっかりとプリント作業を整える」と指摘しました。今回大幅に改善されました。更にレベルを上げる作業は「お店」にプリントを依頼する際「仕上がりの色やコントラスト」に「私の色彩を込めて」依頼してください。作品が良くなります。今回も「惜しい作品」がありました。ピントがぶれる場合はシャッタースピードも上げて下さい。
コンクールには「募集主題」と「応募企画」が最初の審査基準になります。今回この2点で審査失格となる作品がありました。今一度応募要項をご覧になって応募して下さい。良い作品でも審査から外します。ご注意ください。
地味ですが「1人と6羽の情景」は1羽と1人の会話、傍らの其々の声さえ聞こえてきそうです。音声を入れて楽しみたくなるくらいの作品です。この穏やかな瞬間を発見し感動している作者の想いが審査委員に伝わりました。作者は6羽の個性的な配置も振る舞いも良くご覧になっています。絶妙なシャッターチャンスを掴んでいます。
糺の森で「絵」を書いていらっしゃる方をレンズの効果も使いながら巧みに作品に仕上げました。包み込むような緑のコントラスト、構図を踏まえた光のグラデーションと奥行き感、絵描きの立ち姿、細やかな視点と仕上がりを予測し応募主題を踏まえた感動的な上手い作品です。
作者は土手に咲くコスモスだけに留まること無く、道に沢山の思い出があるのでしょうか。少しアングルを上げて背景の田園風景を取り込むみ、花弁の彩りを強調すると気持ちが迫ってきます。
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